2008年11月14日

第3回 辰野(株) (その3)

のっぽ:
 経営でご苦労される点はどのようなことですか?

大田:
 第一にウルムチにも商業施設が増え、サービスの質も向上しており、競争が激しくなっています。ウルムチにまだ紹介されていないブランドも減っており、外資系の商業施設として他店といかに差別化するかに頭を悩ませています。そんななかで中国で非常に人気のある資生堂の化粧品を置く店舗を入居させ、集客力を高めようとしています。
 第二に販売員の定着率が低いことです。店頭で1日立っているのがしんどいようで、すぐに辞めてしまいます。そんななかで接客サービスの質をいかに維持するか、社員のレベルをいかに上げるかが問題です。
 また、エネルギー価格上昇の影響で空調費がかさむほか、最近は人件費も上昇しています。特に労働契約法施行により契約期間満了の場合でも退職者には退職金を支払うことになり、人件費負担が過大になる懸念があります。これまで販売員700人は当社が雇用していたのですが、法律施行を機に各店舗での採用に切り替えていただきました。

のっぽ:
 中国ビジネスに取り組む日本企業へアドバイスがあれば、お願いします。

大田:
 当地は内陸ではありますが、上海、ソウルから毎日フライトがあり、時間的にみれば上海から車で3~4時間かかる長江デルタの町と日本からのアクセスはあまり変わりません。中国をみる時は、日本からだけではなく、視点を変えてみてみていただきたいですね。

~インタビューを終えて~
 当初は社内でも反対の声が多かったという中国の内陸部での地下街開発プロジェクトですが、開業から10年あまり、政府による西部大開発プロジェクトも追い風となって大きく成長していました。その一方、ウルムチの消費市場も徐々に成熟し、競争が激しくなっており、辰野さんにとっては新たな挑戦が始まっているのかもしれません。事業の一層の発展を応援したいと思います。

テレビ大阪のホームページで辰野さんを取材した番組「13億人の深層 甦るシルクロードの大地」のダイジェスト画像をみることができます。

辰野(株)のホームページはこちら

のっぽパンダ

投稿者 panda | 2008年11月14日 14:32


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