2008年10月31日

「中国事業再編のための戦略と実務対策」

「中国ビジネス元気印!」の第1回でご紹介しました華鐘コンサルタントグループよりセミナー「中国事業再編の為の戦略と実務対策」のご案内をいただきました。

中国における日本企業をとりまく経営環境が大きく変わるなか、内需中心への事業転換、中国市場からの撤退、合理化、M&Aによる規模拡大、クループ統轄拠点の設立など、従来の戦略を見直し、中国事業を再編する企業が増えています。

本セミナーでは今後の事業再編戦略や決断のポイント、実務対策などが事例をまじえて紹介されるそうです。ご関心の方はぜひご参加ください。(のっぽパンダも参加します!)

・日時:2008年11月11日(火)13:30~17:00
・場所:三井住友銀行大阪本店6階講堂
    (大阪市中央区北浜4-6-5)
・参加費:無料
・セミナーの詳細はこちら

のっぽパンダ

投稿者 panda | 15:01

2008年10月30日

インド・タミルナド州ビジネスセミナー

17日に印日商工会議所の訪日団一行をお迎えして、「インド・タミルナド州ビジネスセミナー」を開催しました。

インド南東部に位置するタミルナド州。州都チェンナイ(旧マドラス)は製造業を中心とした産業基盤が比較的整っていること、物流面でも港湾を有しており、東南アジアへのアクセスが容易であることから、特に自動車産業の投資が活発で、フォード、ヒュンダイ、BMW、日産・ルノーなどが進出し、「インドのデトロイト」と呼ばれています。

訪日団団長であるベラマニ会頭はスピーチのなかでインドの3つの強みを指摘しました。

(1) 若年層が多い。40歳以下の人口が40%以上
(2) 金融システムは比較的健全で、現在の金融危機の影響も小さい。10年前のアジア通貨危機で安定していた通貨は日本円、シンガポールドル、インドルピーの3つだった
(3) 高い経済成長率(今年のGDP成長率は7~8%に達する見込み)

そしてセミナーで何度も繰り返されたフレーズは、

"Please look at India positively"
「インドを前向きにみてほしい」

でした。

世界的な金融不安がどこまで広がるかは現時点では予断を許しませんが、インドをみる際に、経済が成熟し、高齢化している日本と同じアタマで考えてはいけないということを感じました。

のっぽパンダ

投稿者 panda | 17:28

2008年10月20日

第2回 コクヨインターナショナル(株) (その3)

辰巳:
 今年の春からはギフトのカタログ通販も始めました。日本では結婚式の引き出物のかわりにカタログをお渡しするのがすっかり定着していますが、中国にはギフトカタログは全くありませんでした。そのため、お客様もどういう仕組みになっているのか、まだよくご存知なくて、カタログのなかから1点しか選べないところを2点注文しようとしたりするので、それを分かりやすくマンガで説明して、浸透させていこうとしているところです。プロモーションなどによる認知活動の結果、贈り手と受け手の両方の手間・不満を解消するサービスとして徐々に浸透し、好評をいただいています。

のっぽパンダ:
 ギフト通販はどんな商品が売れていますか?

辰巳:
 今、人気なのは家電製品です。9月13日は中秋の名月ですが、中国では月餅をお贈りするのが慣わしです。ただ、月餅は持ち運びも重たいですし、そこで、当社ではギフトカタログの表紙に月餅の写真をつけたものをお客様に配りました。どんなものを注文なさるのか、結果をみるのが楽しみです。

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 ※こちらがギフトカタログ。月餅の帯もかわいい。


のっぽパンダ:
 月餅はたくさん頂いても、賞味期限もありますし、食べられる量は限られていますし、カタログギフトの方が喜ばれるかもしれませんね。

寺田:
 カタログ通販のインフラができたところで、これをもっと活かすことができないか検討した結果、今年5月から「中国テスト販売パッケージ」というマーケティングサービスを開始しました。

 通販でご注文のあった品物をお届けする際には、ファッションやライフスタイルなど購買担当の女性が関心を持ちそうな話題を満載した会報「PICKS」を同封していますが、ここに商品を掲載して、販売データをとり、結果を企業へフィードバックします。購入してくれた企業は日系なのか、外資系なのか、中国系なのか、企業規模はどうか、エリアはどうかといった実販売顧客の属性情報を提供します。同時にアンケートも行なって、より詳細の個人属性や、購入したい時期や価格帯などを調べることもできます。テスト販売によって企業の知名度アップにもつながると思います。アンケートやサンプリングのみでは分からない、「消費者がこの商品・この価格に対し、財布を開くかどうか」が分かる点で、実際の販売に勝るマーケティング調査はないと思います。

 同時に我々にとっても、新しい商品、面白い商品を提供することで、お客様のニーズを満たすことができますし、競合他社との差別化もできます。

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 ※右が会報「PICKS」。左はテスト販売パッケージのチラシ。


のっぽパンダ:
 お問合せの状況はいかがですか?

辰巳:
 これまでに40社ほどお問合せをいただき、すでに「PICKS」に掲載した商品もあります。そのなかには輸入のハードルが高い、食品もあったのですが、「テスト販売パッケージ」のパートナー企業である上海伊藤忠商事有限公司さんのノウハウで、スムーズな輸入ができました。

のっぽパンダ:
中国ビジネスに取り組む日本企業へアドバイスがあれば、お願いします。

寺田:
 中国は日系企業だけでなく欧米系や地元企業もしのぎを削っていて、サッカーに例えれば「ワールドカップ」状態。経営にはスピードが求められます。これに対応するためには、現地で判断をすること、言い換えれば中国人スタッフを信頼して任せることが大切だと思います。

 「日本の商品はいいものだから」、「中国人にはできないから」など色々な理由をつけて、日本のやり方をそのまま中国へ持ち込もうとしてしまう。しかし、これから中国のマーケットをつかむためには、中国を理解すること、中国の人を尊敬すること、そして現地にとけこんで、ドロドロの人間関係のなかで、人脈を作っていく覚悟がないと、成功できないと思います。そのためには、中国の人の思考を理解することが必要だし、「兵法」なども勉強しなければいけないかなと思っているところです。


~インタビューを終えて~
 2003年の駐在員事務所設立から5年あまり。中国の発展とともに、コクヨさんの中国事業もオフィスのトータルサポートにとどまらず、そこで培った「インフラ」を活用して日本企業のマーケティング支援へと横展開しています。そのバイタリティには感服しました。お話を伺っていても、最前線の方はご苦労も多いと思いますが、次々とフロンティアを開拓する楽しさが伝わってきました。コクヨさんのこれからの「100年」が楽しみです。
 コクヨさんは大阪企業家ミュージアムにも展示がありますので、こちらもあわせてお立ち寄りください。


コクヨインターナショナル(株)のホームページはこちら
Easybuyのホームページはこちら
Office Creationのホームページはこちら
Easy Documentのホームページはこちら

投稿者 panda | 15:13

2008年10月17日

第2回 コクヨインターナショナル(株) (その2)

のっぽパンダ:
 3大事業について、詳しく教えて下さい。

寺田:
Office creation(办公新境)
 中国でのオフィス構築は予想以上の労力がかかります。そこで、オフィスの物件選びから設計・工事、家具や各種事務用品の選定・お届けまで、最適なオフィスをご提案しています。

 当社は内装工事が自社でできること(資格を取得)や、また進出時期が他社よりも早かったこともあり、おかげさまでご提案した95%の仕事を受注しています(2007年実績)。日本では取引のない企業さんからのお仕事や、最近完成して話題になった上海環球金融中心(森ビル)関連の案件も受注しています。

 今年からは、日系企業だけではなく、中国企業、欧米系企業にもアプローチしています。日本企業と違ってオフィス構築を設計事務所に任せるケースもあり、アプローチの仕方を工夫しなければと思っているところです。


オフィス通販Easybuy(易优百)
 オフィス向けに文房具やオフィス用品を通信販売するEasybuyは、電話・FAX・WEBで注文を受けるシステムを整備し、現在では上海・北京を中心に、中国系、日系、欧米系企業など40万社の顧客を持つ流通網を構築しています。

 売上げがいちばん大きいのは、日本も中国も同じでコピー用紙とトナーですが、企業の購買担当に20代~30代の若い女性が多いことから、例えばパンストなどの個人向け商品も掲載しています。現在はBtoBを中心に展開していますが、今後はBtoCにも拡げていきたいと考えています。

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 ※こちらが通販カタログ。表紙には上海で若い女性に人気の日本人タレントを採用。


プリンティングサービスEasy document(易尤图文)
 プレゼン資料やセミナー資料、パンフレット、DM、ポスターなど、用途に合わせたプリンティングサービスをご提供しています。もちろん仕上がりの品質や納期、接客の品質も「日本の当たり前」の水準です。

(つづく)

投稿者 panda | 10:50

2008年10月16日

第2回 コクヨインターナショナル(株) (その1)

 中国ビジネス元気印!連載第2回は、コクヨインターナショナル(株)を訪問しました。同社は総合事務用品メーカー・コクヨ(株)の海外事業を担当する子会社です。

 お話を聞かせてくださったのは、取締役海外統括部長の寺田哲也さん、辰巳久美さん。

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のっぽパンダ:
 中国ビジネスに乗り出すきっかけは何でしたか?

寺田:
 コクヨは1905年創業、和式帳簿製造からスタートし、総合事務用品メーカーへと成長した会社ですが、創業100年を控えた頃には経営環境は大きく変化していました。従来は事務用品を製造し、全国各地にはりめぐらされた販売網に乗せていくというビジネスモデルでしたが、「アスクル」に代表されるようなカタログ通販が登場し、国内だけでは売上げの伸びが見込みづらくなっていたのです。

 次の100年をにらむと、新しい成長点をつくらなくてはいけない。そのために海外へ展開することを考え、第一歩として2003年に上海に駐在員事務所を設置し、中国でどういった事業を展開するのかマーケティング調査を始めました。

 当時は日本企業の中国進出ブームで、進出する日本企業にヒアリングをしてみると、派遣された日本人の駐在員は事業計画策定、人材採用、オフィスの物件選び、家具選びや配線など、何でもやらなければならず、非常に大変だという話があり、ここに目をつけました。日本企業の進出サポート、つまりオフィスのことはコクヨがワンストップでサポートすればいいのではないかと。

 そこで2005年から、本格的に中国事業をスタートさせました。
  (1) オフィス構築をサポートする「Office creation(办公新境)
  (2) オフィス用品の通販「Easybuy(易优百)
  (3)プリンティングサービス「Easy document(易尤图文)
が三大事業です。

(つづく)

投稿者 panda | 09:43

2008年10月 7日

中国独占禁止法への対策

9月29日、国際ビジネス実務セミナー「中国独占禁止法への対策~2008年8月施行後の日本企業の対応と変化~」を開催しました。

特殊な分野だけに少人数のセミナーでしたが、遠方からもご参加くださり、ありがとうございました。

講師は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所のパートナーで、北京事務所首席代表の中川裕茂弁護士。
国慶節(建国記念日)の休暇で日本へ一時帰国されたところを、大阪までお越しいただき、中国独占禁止法について解説していただきました。

中国独占禁止法で定めるのは骨格のみですが、現在、中国で出ている案件はどのようなものがあるか、今後、本社・現地法人として採るべき対策はどのようなものがあるか、などについてお話いただきました。今後制定される独占禁止法ガイドラインも要注目です。

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のっぽパンダ

投稿者 panda | 09:25

2008年10月 6日

西田前国際ビジネス委員長の思い出

前国際ビジネス委員会委員長の西田健一様(元丸紅株式会社専務取締役)が逝去され、3日の告別式で最後のお別れをしてきました。会場に収まりきれないほど大勢の方が弔問に来られていました。

のっぽパンダが初めてお会いしたのは、丸紅中国総代表として北京に駐在しておられた1998年。ちょうど中国日本人商工会議所(現在の中国日本商会)会頭を務めておられる時で、「こんなに活躍されている大先輩がいるんだ!」と、とても心強く思いました。

大阪に戻られてからは、大商国際ビジネス委員会の委員長として、また委員長を退かれてからも顧問として、もう数え切れないほどお世話になりましたが、特に印象に残っているのは、大商の上海経済視察団(2004年)や中国経済使節団(2006年)です。長い中国ビジネスの経験をもとに大所高所からご助言をいただき、また、中国訪問中は素敵な笑顔と豊富な話題でムードを盛り上げてくださいました。

2005年に出版されたご著書『ナニワ商人 中国奮闘記』(講談社)は、文化大革命から改革・開放へと進んでいく中国の現代史がそのままご自身の体験として語られていて、「南巡講話」後に社会人になったのっぽパンダには、とても想像できないようなエピソードが山盛りでした。

これからの関西と中国、日本と中国の交流のために、もっともっとご活躍いただきたかっただけに、残念でなりません。今まで本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

のっぽパンダ

投稿者 panda | 16:43

2008年10月 2日

現地法人総経理OBが語る 失敗しない中国ビジネス

9月26日、国際ビジネス実務セミナー「現地法人総経理OBが語る 失敗しない中国ビジネス」を開催しました。
多数のご参加、ありがとうございました!

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講師は、四輪車・二輪車メーカーのスズキ株式会社で20年以上も中国事業に携わった松原邦久さん。
セミナーのために、静岡から来阪いただきました。

自動車にみる中国の産業政策の変遷と今後の方向性、合弁企業の経営で感じたこと、中国人との付き合い方、交渉のこつなどについて、ご自身の経験をもとに2時間たっぷりお話し頂きました。

中国ビジネスに関する書籍も沢山出ていますが、やはり「生」のお話は迫力があります。参加者からは「ホンネの話が聞けてよかった」、「体験をもとにした教訓が参考になる」とご好評をいただきました。

※こんなセミナーに「参加してみたい!」と思われた方は、こちらもあわせてご覧ください。

のっぽパンダ

投稿者 panda | 14:07


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