2018年8月27日

遼寧省瀋陽にてシルバー展示会が開催されます

中国遼寧省瀋陽において、第9回瀋陽国際養老服務業博覧会が開催されます。

瀋陽で開催されるシルバー産業関連の展示会のうち、政府が関与する唯一の展示会で、今年は展示面積約15000平米、国内外の出展者300社、来場者4万人が見込まれています。

遼寧省でのシルバー産業の最新動向を探る機会ですので、中国市場にご関心の方はぜひ出展・視察等をご検討ください。

会期 2018年11月3日(土)~5日(月)

場所 中国(瀋陽) 新世界展覧館(瀋陽市和平区博覧路2甲2号)

主催 瀋陽市人民政府、瀋陽市養老服務業協会、瀋陽市養老産業集団

協力 瀋陽市老齢委員会、瀋陽市民政局、瀋陽市服務業委員会

展示分野 不動産、情報化プラットフォーム、リハビリ器具、レクリエーション、高齢者施設、スポーツ・健康等

ウェブサイト www.syisiexpo.com

投稿者 panda | 10:35

2018年3月 6日

台湾視察を終えて(2016年11月 台湾ビジネス視察団 団長所感)

台湾シルバー産業視察報告(2016年11月、台北・台南・高雄) その2 から続く

台湾視察を終えて(2016年11月 台湾ビジネス視察団 団長所感)

大阪商工会議所中国ビジネス特別委員会委員長

 桑山信雄

 大阪商工会議所の台湾ビジネス視察団で2016年11月15日から18日まで訪台した。今回の訪台の目的は、台湾三三企業交流会とのMOU締結後の事業第一弾として、日台がともに直面する高齢化への対応をはかるため、シルバー産業に関する最新状況を視察することにあり、台北、台南、高雄の3都市を訪問した。

以下、所感を述べたい。

<見学先企業・施設等について>

台北で訪問した医療・介護機器メーカー「Apex Medical社」は、他社製品のOEMからスタートし、現在では自社ブランドが8割を占めるまでに成長しているとのことだった。印象的だったのは、社内に若い社員中心の研究開発センターを設け、特許申請を社員に奨励するなど、創業者でもある董事長が他社との差別化に非常に意欲的だったことだ。「台湾企業が生き残る道は、研究開発を通じた差別化しかない」という董事長の言葉に、アジアや欧米マーケットで健闘する同社の意気込みを感じたと同時に、今後、同社と連携した第三国での市場開拓に期待が持てた。

キリスト教系非営利団体が運営する大規模介護施設「双連安養中心」では、認知症ケア施設に日本型の「ユニットケア」を導入したり、日本の介護施設をスタッフらが見学した際に見聞きした点を自らの施設整備・運営に活かしていたりと、日本式介護への理解と評価が感じられた。何より驚いたのは、ベッド数432に対して、スタッフが200人も在籍していることだ。台湾の法定基準の1.6倍にも上るスタッフを採算度外視で雇用できるのは、運営主体が企業ではなく、信者からの寄付に支えられたキリスト教系の福祉団体だからこそだと感じた。

大手デベロッパーが運営する高級シニアマンション「潤福生活新象」は、設立時に日本の介護施設運営事業者に企画設計を依頼し、その後もコンサル契約を15年間にわたって締結するなど、日本式介護への信頼が厚い様子がうかがえた。また、台湾では、高齢者を施設に預けることへの心理的抵抗が依然として根強いため、入居者本人や親族の心情に配慮して、3世代での食事会など、入居者と親族とのコミュニケーション機会を施設側が意識的に設けている点が印象的だった。さらに、同施設では自立が入居の条件だが、入居者が時間の経過とともに要介護や認知症になるケースもあり、自費でヘルパーを雇用してもらって看取りまで対応している、という話を聞き、過去に中国で見学した、自立者向け高級老人ホームの課題を先取りしているように感じた。施設の設立から20年の運営経験を積んできた事業者ならではの課題と、それに対する現実的な対応方法を聞けたことは、同施設訪問で得た貴重な収穫である。

台南で大手メーカーが運営する、オープン間近の介護施設「悠然緑園」は、デザイン事務所を彷彿とさせる洗練された内装と、台南市政府から運営を委託されている「公設民営」スタイルが特徴的だった。また、当日ブリーフィングを受けた担当者の「中国大陸の介護施設は立派なものが多いが、医療との連携など制度や仕組みが未整備でリスクが多いため、現時点では大陸への進出は検討していない」という言葉が印象的だった。同施設では、中国の介護施設からの研修を受け入れているそうで、ここでも中国との違いを垣間見た思いだった。さらに、台湾全土で約1400施設ある介護施設のうち、1200施設が50床以下なので、一施設での大規模投資や、高額な機器の購入等は少ない、という話も、台湾進出を検討する日本企業に大いに参考となると感じた。

 今回見学した施設は、それぞれハード・ソフトともに充実しており、台北の施設は高い入居率を誇っているものの、いずれも設立母体が損失を補填する形で運営されており、ビジネスとしては成り立っていなかった。台湾で民間企業、しかも外資企業が介護施設を運営する際には、さらに慎重な情報収集が必要であると感じた。

 最終日に高雄で視察した展示会「Elder Care Asia」には、約80社が出展しており、アプリと連動したセンサーを内蔵する介護ベッドを手がける台湾メーカーや、日本の介護機器を輸入販売する台湾商社等のブースが特徴的だったが、日本からの出展はほとんどなく、また展示会そのものの規模もそれほど大きくはなかったため、今後業界全体の一層の発展に期待したい。裏を返せば、競合が比較的少ない今が、日本企業にとって現地市場に食い込むチャンスと言えるかもしれない。

<シルバー産業における日台連携の可能性について>

 本視察団の行程の中で最も印象深かったのが、3月に大阪商工会議所と業務協力覚書(MOU)を締結した台湾の経済団体「台湾三三企業交流会」(三三会)との意見交換会である。

 三三会の鄭世松顧問からは「台湾の高齢化のスピードは日本の1.6倍。医療・介護は今後、日台連携の代表的な分野となりうるので、日台で協力して中国・アセアンへ展開するビジネスモデルを提案したい」と力強い言葉をいただいた。

 当日ブリーフィングをいただいた台湾医療・生技機材工業同業公会の黄啓宗理事長からは、台湾では介護ロボットやスマートハウスなど、ICTの活用を推進している一方、政府による法整備は不十分で、介護は福祉分野で扱われることが多く、産業としては未成熟との紹介があった。

 黄理事長の指摘通り、本視察団で見学した介護施設も、その多くがビジネスとしては成り立っておらず、台湾での介護施設運営には政策的な支援が必要であると感じた。

 さらに、台湾ではインドネシアやベトナムからの外国人ヘルパーによる在宅介護が一般的で、介護施設に入所するのは10~15%に留まっているという点も、今後の台湾進出を検討するうえで重要である。加えて、現状では規制により、介護サービスの提供には財団法人など非営利団体の設立が必要で、民間資本の参入については、ベッド数49床以下の小規模なものに限定されている。

 こうした事情を踏まえると、台湾では当面は介護施設の運営や人材育成事業よりも、介護機器・福祉用品の輸出・販売や、コンサル・技術供与等の周辺事業での参画が現実的と考えられる。

 三三会との意見交換会でも、介護食を取り扱う団員企業への台湾側の関心が高かった。帰国後、早速台湾への輸出可能性について検討が進んでいると聞いており、本視察団の成果として大いに期待を寄せているところである。

 中国ビジネス特別委員会としても、三三会との継続的な交流等を通じて、今後の具体的な日台連携につながるネットワークをさらに拡大し、日本企業の台湾進出を引き続き支援していきたい。

(了)

*役職、内容ともに視察団派遣当時のものです。ご了承ください。

投稿者 panda | 15:38

台湾シルバー産業視察報告(2016年11月、台北・台南・高雄) その2

台湾シルバー産業視察報告(2016年11月、台北・台南・高雄) その1より続く

このほかに台湾では、医療・介護機器メーカーや介護施設視察、介護関連展示会見学を行いました。

■Apex Medical Corp.(雃博股份有限公司)

 1990年創業の在宅向け医療・介護機器メーカー。OEMから自社ブランドまで手がけており、すでにアジア・欧米に拠点を有している。2004年に上場。

 傷口ケア関連機器の売上が全体の約半分、呼吸器病関連機器(CPAP)が3割程度、滅菌機器が1割程度を占める。

 創業間もない頃は日本や欧米企業のマットレスなどのOEMが中心だったが、2010年以降自社ブランド製品の比率を高め、現在では約8割が自社ブランド。売上の5%を研究開発に振り向けている。研究開発力の充実・強化こそ、今後台湾企業が歩むべき道、とのこと。

介護施設「雙連安養中心」

 2000年設立。3.6万平米の敷地に、認知症ケア施設、自立向け施設、要介護者向け施設、研究開発センターを展開。デイサービス、訪問介護も実施しており、トータルで1600人の高齢者をケアしている。

 「我が家にいるような感覚」を入居者に味わってもらえるのが施設の特長。病院のような長い廊下を排した館内デザインや、家庭と同じような照明、高齢者の家族のための宿泊スペース等をそろえている。

 研究開発センターでは、高齢者向けの商品開発を企業と連携して行っており、これまでにベッドやソファ等を商品化してきた実績がある。

 ベッド数は432で、スタッフの数は200人。台湾の法律では、ベッド数432ならスタッフ数は120人で基準を満たすことができるが、当施設ではサービスの質を重視してスタッフ数を充実させている。このほか、デイサービス、訪問介護のスタッフが150人在籍している。

 施設の受付カウンターの高さは、車椅子に座った入居者が同じ目線でスタッフと会話できる75センチに設定。入居者が散歩する庭の花壇は、地面よりも高く設定してあり、入居者が車椅子に乗ったまま、かがまずに水遣りができるよう配慮している。

 レストランは計11か所あり、入居者ごとに異なるニーズに沿った食事を提供している。料理人5名を含む20名のスタッフが、レストランで働いている。また、部屋の清掃と洗濯サービスは毎日実施している。毎日の洗濯は臭い対策も兼ねている。

 当施設のモットーは「生涯楽しく生活し、学び、他人にサービスを提供しよう」というもの。週に40以上のレクリエーションや学習プログラム(高齢者大学)を用意しており、入居者は同プログラムへの参加を通じて「学士」から「博士」までの「学位」を取得できる仕組みになっている。いくつかのプログラムでは、入居者自身が講師役を務めることもある。施設として講師料も支払っているが、その多くは施設への寄付として戻ってくる。入居者が持っている能力を活用し、活躍の場(舞台)と役割を与え、達成感を味わってもらうことが重要と考える。外部にも講座を公開しているほか、地域のイベントにも積極的に参加しており、単なる高齢者施設を超えた、地域のコミュニティとなることを目指している。

■高級シニアマンション「潤福生活新象」

 当施設は、潤泰集団が社会貢献を目的に1996年に設立した。設立に際し、当時の会長が世界中を視察し、日本の介護施設運営会社に企画設計を依頼。その後、15年にわたり、コンサルティングしてもらった。現在の入居者数は200人で、入居率は95%。スタッフ数は60人。

 食事には気を遣っており、同じ食材でも固さを2段階で調理している。入居者の好みに合わせた料理、ベジタリアンや、豚肉・牛肉などの禁忌にも対応している。

 看護師は24時間2人以上常駐しており、血圧・血糖値は毎日測り、記録している。また、認知症予防に役立つ健康増進のレクリエーションを多数提供している。

 親・子・孫の3世代による食事会を開くなど、入居者と親族とのコミュニケーションの機会を積極的に創出している。台湾では、高齢者を施設に預けることへの心理的抵抗が根強いため、親族との接点を増やすことが、家族の後ろめたさの軽減につながる。

 当施設は、介護施設ではなくシニアマンションなので、政府からの補助金や、市民からの寄付金等は一切もらっていない。入居者の一般的な部屋の広さは50平米で、1,800万TWDを入居時に一時金で支払ってもらっている。これは退去時に全額返金(無利息)している。

 入居者の平均年齢は84歳で、他の施設に比べて高い方。自立が入居の条件だが、入居者が、時間の経過とともに要介護や認知症になるケースもある。そうしたケースでは、契約上は退去を迫ることもできるが、現状は黙認している。寝たきりになった場合は退去するケースが多いが、基本的には看取りまで対応している。

 入居後に要介護となった入居者は、自費でヘルパーを雇用することになる。ヘルパーは住み込みが多いため、当ホームではヘルパーも家族の一員としてカウントし、入居者から利用料を徴収している。ヘルパーは「外労紹介所」という外部機関が斡旋し、個人と契約する。インドネシア人、ベトナム人が多い。当ホームとして斡旋・仲介はしておらず、家族に代わって監督しているという立場。

 

介護施設「悠然緑園」

 当グループは介護施設を2か所、デイサービス機関を4か所運営。当施設は、翌日にグランドオープン予定。グループが運営する介護施設「悠然山荘(120名収容)」よりも大規模で、200人の収容が可能。今年7月から入居者の募集を開始し、現在の入居申込者は50人。敷金は5万TWD。

 1995年に奇美グループが社会貢献のために、25年前に基金を設立し、「悠然山荘」をオープンしたが、台南郊外に立地しており、過去10年間満室続きで、入居待ちも多数に上ったため、当施設を新たに設けることになった。当グループでは定期的に日本で研修をしているが、経営は順調とは言えず、赤字補填が必要だった。

  当施設の建物(7階建て)は、築20年の台南市政府の建物をリノベーションした。この建物は、もともと自立型の高齢者向けアパートとして台南市政府が建てたが、台湾では一戸建て需要が多く、入居者が伸び悩み、経営難で10年間閉鎖されていた。

  当施設は当グループが台南市政府から運営を委託されている「公設民営型」。建物のリフォーム代8,000万TWDは自社負担した。悠然山荘を新築すると最低3億TWDは必要なうえ、定員は200人に満たないので、許容範囲の投資額。ただし、今後の運営で赤字が出た場合は自社で負担する必要があるほか、市政府に権利料(320万TWD)を支払う契約になっている。50年で回収したい。台湾では介護保険制度がないので、入居者は月3~4万TWDの利用料(台南ではやや高額)を、自費で賄う必要がある。

 中国大陸での施設運営について打診も多く、この数年、各地を見て回ったが、建物は立派なものの、制度や仕組み(例:医療との連携)が整っておらず、クリアすべきリスクが多いため、現時点では検討していない。中国の介護施設から研修に来ている。

■展示会「亞洲樂齡智慧生活展(Elder Care Asia 2016)」視察

■場 所 :高雄展覧館(No. 39, Chenggong 2nd Rd, Qianzhen District, Kaohsiung City)

■主 催 :Intercon Expo Corp.、Interfama Fairs And Exhibitors Pte Ltd

■共 催 :Kaohsiung Exhibition Center Corporation (KECC)

■会 期 :2016年11月17日(木)~11月20日(日)

 吳政典・茵康國際會議顧問股份有限公司総経理の案内のもと、会場内の台湾企業数社のブースを見学。81社が出展(うち日本企業は3社)しており、アプリと連動したセンサーを内蔵する介護ベッドを手がける台湾メーカーや、日本の介護機器を輸入販売する台湾商社等のブースを見学。

*役職、発言内容ともに訪問当時のものです。

(続く)

投稿者 panda | 15:29


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