2008年2月26日

崔天凱中国大使との懇談会

崔天凱(さい・てんがい)・中国駐日大使が先月、昨年10月の着任後初めて大阪を訪れ、大阪商工会議所をはじめとする関西経済界と懇談しました。

懇談会の内容は、機関紙「大商ニュース」でご報告したとおりですが、崔大使は、関西経済界が国交回復前から日中関係発展に尽くしてきたことを高く評価され、こんごも対話を重ねて、相互理解を一層深めたいと述べられました。

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大阪/関西は、地理的にも歴史的にもアジアと深いつながりがありますが、特に中国との関係では、関西経済界は積極的な役割を果たしてきました。

国交回復前の1971年9月に関西経済界が一丸となって、当時の大阪商工会議所の佐伯勇会頭(近畿日本鉄道(株)会長)が団長を務める「関西財界訪中団」を派遣し、北京で周恩来総理、李先念副総理、郭沫若中日友好協会名誉会長をはじめとする中国の政府要人と懇談しました。これが、日中国国交正常化(1972年9月)のひとつの契機となりました。

現在、関空から北京へは直行便で3時間半ですが、1971年当時は、大阪から香港、深セン、広州を経て、北京へ到着したのは出発から3日目でした。

それから36年目を迎えた今日、日中の経済交流拡大はめざましいものがあります。そんななか、佐伯団長の「財界はじめ広く各界各層が中国関係者と相互理解を深め、これを積み重ねることが非常に有意義」という言葉の重みは今も変わりません。

投稿者 panda | 14:36

2008年2月21日

「おなか」と「うさぎ」

大学1年、中国語ネイティブのH先生による初授業でのこと。

H先生:葉っぱの「ぱ」とパンの「ぱ」の違い、トマトの1つめの「ト」と2つめの「ト」の違いが聞き取れない人に、中国語はできません。
学生:し~ん・・・

違い、分かりますか?
授業で違いを聞き取れなかった私は、「大変なとこへ来たなぁ。大学受験をもう一度やり直さなあかんかなあ。」と思いました。

中国語は発音する時に呼気を伴うか伴わないか(有気・無気)を別の音として区別します。葉っぱの「ぱ」は呼気を伴わない「ぱ(ba)」、パンの「ぱ」は語頭に来るので呼気を伴う「ぱ(pa)」とH先生は言いたかったのでした。

例えば、「トゥーズ」という発音で、無気音の「du4zi(肚子)」は「おなか」、有気音の「tu4zi(兎子)」は「うさぎ」。実際の会話では、日本人(外国人)がしゃべる中国語なら、相手も文脈で分かってくれるので(「おなかが痛い」はありでも、「うさぎが痛い」は意味がおかしいですから。)、それほど困らないかも知れませんが、できれば正確に発音したいですよね。

外国語は、ある程度通じるようになってしまうと、それ以上努力しなくなってしまいませんか?(これは、自戒を込めて・・・。) 「中国語がうまいね」とほめられているうちはまだまだ、「外国人にしてはまあまあ」という程度なので、修行が足りない、と言われたことがあります。「ええ!日本人だったの?てっきり中国人(ネイティブ)だと思った!」と相手に驚かれるくらいになれると格好いいですよねぇ。(とても難しいけど・・・。)

有気・無気の発音練習は、細長くちぎったティッシュを口の前にぶら下げて「bo~、po~」とやりました。有気ではティッシュがふわりと動き、無気ではあまり動かない。必死に練習していると、だんだん酸素不足で頭がくらくらしました。

でも、昔から「習うより慣れよ」と言いますし、今、有気・無気の違いが分からなくて苦しんでいる方も、やっているうちに慣れますので、あきらめないでくださいね。

投稿者 panda | 10:13

2008年2月13日

大阪弁と中国語

関東から大阪へ引っ越して来て、大阪弁の壁にぶつかりました。両親とも関西出身なので、聞く分には違和感はなかったのですが、いざしゃべろうと思うとイントネーションがとても難しかったです。

転校した大阪の小学校では、標準語をしゃべるとクラス中の男子から口真似をされてからかわれました。それが嫌で、大阪弁を必死で真似て、大阪へ来てから2年くらいたって、ようやくよそ者と見破られなくなりました。(でも、今でも本当の大阪出身の方からは「本当の大阪弁とは違う」と言われるので、大阪弁も奥が深いです。)

私の感覚で言うと、大阪弁は標準語から助詞(てにをは)を抜き、その代わりに単語の語尾を伸ばして、抑揚をつけると「それっぽく」なるような気がします。

さて、ここで話題は中国語に。

中国語は音の高低で意味を区別します。音の高低、つまり声調(トーン)が4種類あるので、「四声(しせい)」と呼ばれます。第一声は高い音、第二声は低いところから高いところへ上げる音、第三声は低く抑える音、第四声は高いところから低いところへ下げる音。

この「四声」、慣れないうちは頭だけが上下に動いて、肝心の声は上下できていなかったりしませんか。私も慣れるまでは首が疲れるばかりで、ちっともうまくならずに苦労しました。

でも、この四声を間違えると意味が変わってくるので侮れません。同じ「ma(マ)」でも、一声だと「妈(母)」、二声だと「麻」、三声は「馬」、四声は「罵(叱る)」となります。

そこに大学の文法を担当してくださったS先生。「大阪人は中国語を勉強するのに有利なんやで。」
なんでかしらん?と思ったら、「大阪弁にも四声がある」とのこと。

例えば、「手」「目」。大阪弁ではどう言いますか?標準語なら「て」「め」と短音ですが、大阪弁では、「てぇー(↑)」「めぇー(↑)」と少し音を伸ばして、後ろを上げて発音しますよね?これって中国語の第二声にそっくりです。

それとは逆に、「歯」は、「はぁ(↓)」と上から下に音を下げます。これは中国語の第四声。

これを続けて言うと、「てぇー、めぇー、はぁー」は二声、二声、四声となります。標準語の「て・め・は」ではこうはいきません。

あとは高い音(一声)、低い音(三声)ができれば、はい、四声の出来上がり♪

大阪弁のおかげで四声をマスターできました。こう思うと、私にとってはじめての外国語は、いじめ脱出のため身につけた「大阪弁」だったのかも知れません。

投稿者 panda | 15:34

2008年2月 7日

大阪でカルチャーショック

日本は狭いと言っても、やっぱり方言はあるし、語彙も違います。父が転勤族だった関係で私が関東から大阪に引っ越してきたのは小学校6年生の時。大阪でいろんなカルチャーショックを受けました。

まず驚いたのは大阪の人のしゃべるのが速いこと。同級生が自宅に電話をくれるのはうれしいのですが、スピードが速くて聞き取れない。聞き返すのですが、何度も何度も聞き返すのも申し訳なくて、だんだんと生返事をするように・・・。あれはつらかったです。(>_<)

大阪の人はしゃべるのだけではなくて、歩くのも速いです。近所の同級生と一緒に登校するのに、友達がどんどん先へ歩くので必死に歩きました。大阪人は全国一歩くのが速い、と聞いた時は深~く納得しました。

それから大阪弁。大阪弁がしゃべれなくて、学校ではからかわれました。イントネーションが違うのはもちろんですが、語彙が違うものも結構あります。食べ物で例を挙げると、「ブタまん」と「肉まん」(「ブタまん」は恥ずかしくてなかなか言えませんでした。)、「ひろうす」と「がんもどき」、「回転焼き」と「今川焼き」など。関東では肉と言えば豚肉でしたが、大阪では牛肉。肉じゃがの「肉」は何でもいいとばかり思っていたのに、「関西ではゼッタイ牛肉!」と言われて驚いたり。

そして、何よりもびっくりしたのは、近所の商店街に買い物に行った時、同級生がお会計で叫んだ一言「おっちゃん、まけて!」。値切り交渉を目の前で見るのは初めてで、関東とは文化が違うと思いました。

そんな私も、今では現品限りの商品をお買い物する時などは、とりあえず「これまけてくれへん?」と言ってみるようになりました。ダメもとで。それは大阪人として一人前になったからか、はたまたトマト1個、きゅうり1本から値段交渉の中国で暮らして鍛えられたおかげか。あ、単におばちゃんになっただけかも・・・。(^^;)

投稿者 panda | 09:18


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