2014年10月16日 09:37

恐るべし、企業家たちの観察力!

こんにちは、あか吉です。

先週、そして今週と二週連続、日本列島を襲った台風。被害を受けられた地域の皆さま、お見舞い申し上げます。

ところで、今回の台風19号のように、ニュースや新聞などではその年発生した順に「台風〇〇号」と呼んでいますが、それぞれに名前があるのをご存じの方も多いと思います。

以前は、キティ(1949年)、ジェーン(1950年)、ルース(1951年)など英語の女性の名前を付けていましたが、2000年から、台風委員会(北西太平洋または南シナ海で発生する台風の観測と災害防止のための1968年設立された国際組織。日本ほか12か国および2地域が参加)の加盟国が提案した名前を付けることになっているそうです。

2000年の台風第1号にはカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」という名前が付けられ、以後、発生順にあらかじめ用意された140個の名前が順番につけられています(気象庁のHPに140の名前が掲載されています。http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html)。

今回の台風19号の名前は「ヴォンフォン」。これはマカオが提案した名前で「スズメバチ」のこと。先週の台風18号はラオスが名づけ「ファンフォン」(動物)だったそうです。因みに台風20号が発生すれば、マレーシアが名付けた「おうむ」という意味の「ヌーリ」が予定されています。

ところで、企業家ミュージアムの展示企業家の中に、台風でビジネスヒントを得た企業家がいるのをご存じでしょうか?

9月27日の「講談で聞く企業家」でも取り上げた、大和ハウス工業創業者の石橋信夫さんです。

時は今から64年前。1950年9月3日に四国から近畿地方に甚大な被害をもたらしたジェーン台風。

台風が過ぎ去ったあと、石橋さんはあることに気付きました。

多くの家屋が倒壊してしまった中、水田の稲は折れずに立っている、竹林もそうだ...。

共通点は中が空洞になっている「パイプ状」であること。このパイプ状の構造を使えば、頑丈で安全な建物ができるのではないか?

これが、中空の鉄パイプを使った 「パイプハウス」誕生の瞬間でした。

その後、同社はプレハブ住宅の原点となる『ミゼットハウス』を開発し、住宅建築の工業化の推進役として大きく発展、日本を代表する企業となっています。

(大和ハウス工業の歴史はこちらのHPを http://www.daiwahouse.co.jp/company/history/index.html

 

世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を生み出した安藤百福さん。安藤さんがラーメンの核となる瞬間湯熱乾燥法を発明したのは、奥さんが天ぷらを揚げている何気ない日常風景から。

蚊取り線香を発明した大日本除虫菊の上山英一郎さんが渦巻き型の発想を得たのは、奥さんの「とぐろを巻くようにしたらよいのでは」という何気ない一言から。

 

あか吉のような凡猫(人)が見たり聞いたりしても何も感じない事象に、石橋さん、安藤さん、上山さんのような新しいことにチャレンジしようとしている人は敏感に反応し、何気ない日常風景や言葉の中から新しいヒントをつかみとるんですね。

それを見つけるのも見逃すのも、受け手側の熱い思いと情報をキャッチする感度次第ということなんでしょう。企業家たちの熱い思いと感度の良さには脱帽です。

 

さて、ご案内のとおり、企業家ミュージアムでは、そういった企業家たちについてより深く学ぶ講座『講座・企業家学』を11月から開講します。

四期目の今回のテーマは「日本の流通―伝統と革新」!

お客様のニーズを先取りし革新をし続けてきた「流通」の先駆的な企業家を取り上げます。

特に今回は、研究者の皆さんに加え、実際に企業家として活躍されている三越伊勢丹ホールディングスの石塚邦雄会長や、きもののやまとの矢嶋孝敏会長にもご講演いただきます!

多様化する流通業界の今後を展望するためにも、日本の流通業界を築いてきた先人たちのお話をぜひお聞きください。

現在、参加者を募集中です。下記URLからお申込みください!皆さまのご参加をお待ちしております!!

http://www.osaka.cci.or.jp/b/pdf14/kgk2014.pdf

 

投稿者 museum | 2014年10月16日 09:37