2014年03月05日 16:59

企業家ミュージアム★メールマガジン★ 第28号!

>>2014年3月5日(水)発行<<

みなさん、こんにちは。

「企業家ミュージアム メールマガジン」第28号の本号は、毎日新聞月曜日夕刊
に2012年4月9日から2014年1月27日まで掲載していた、企業家の名言
や座右の銘をコンパクトにまとめた『大阪の道標』の第11回です。
ミュージアムで紹介している企業家たちの珠玉の名言、座右の銘をお楽しみくだ
さい!
 
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 ★今月の名言!(第11回)★

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貿易屋の秘訣
「先方を第一に考え、与えて取る」
「声なくして人を呼ぶ」

     岩井勝次郎 岩井商店(現双日)創業者
           (1863~1935)

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「先方でもうかりさえすれば、アフリカの山中からでも注文が来ますし、も
うからなかったら上海、ロンドンからでも注文が来ない。取引先の利益を第
一に置き、なるべく先方にもうけさせて、そして自分の方も取るということ
が必要であります」「いい物を安く売っておれば、裏店で売っておっても買
いに来る。粗末なものを高く売っておれば、銀座の真ん中で売っていても買
いに来ない」
 
勝次郎が経営の要諦として語った言葉である。
 
勝次郎は、1896(明治29)年33歳の時、義父・文助から独立し岩井商店
(現・双日株式会社)を開業した。

居留地の外国商館を通じての間接貿易が当たり前の時代に、ロンドンのウィ
リアム・ダフ商会との直接貿易を開始。1900(明治33)年には欧米を
視察し、海外の取引先を拡大した。

また、輸入品の国産化を通じて国益の増進を図るため、明治後期から大正期
にかけ、世界に重化学工業化の波が押し寄せた時期に次々と国内製造業を設
立。
これらの企業が現在の関西ペイント、ダイセル、トーア紡コーポレーション、
トクヤマ、日新製鋼、日本橋梁、富士フイルムへと連なっている。

勝次郎にとって企業経営とは、国益の増進を図ることであった。


               <毎日新聞 2012年7月30日 夕刊>

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岩井勝次郎については、企業家ミュージアム<第1ブロック:近代産業都市
大阪の誕生 ― 貿易を発展させる>で、海外直接取引に先鞭をつけた人物と
して展示しています。

  ▼大阪企業家ミュージアムで展示している企業家についてはこちら。
  http://www.kigyoka.jp/exh/ent/index.html

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■編集後記■

お読みいただき、ありがとうございました。
岩井勝次郎は海外との直接取引に先鞭をつけ商社としての地位を確立する
一方で、重化学工業の分野で次々と企業を立ち上げています。
その熱意と先見性に敬服します。

五代友厚然り、松本重太郎然り、藤田伝三郎然り。
明治から大正にかけて活躍した企業家達は、一つの領域にとどまらず、次
々と新しい企業、新しい産業を創出し、国の基礎をつくっています。
彼らの「チャレンジ精神」と「イノベーション」。
我々の想像を遥かに越えたパワーあふれるものだったと思います。

平成の時代を生きる我々も彼らと同じ人間です。
後世の人たちに「平成の人たちは凄かった」と評されるような生き方をしな
ければいけませんね。
  
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 【発行日】  2014年3月5日
 【発行元】  大阪企業家ミュージアム
         電話 06-4964-7601
         FAX 06-6264-6011
         e-mail museum@osaka.cci.or.jp  
         http://www.kigyoka.jp/
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投稿者 museum | 2014年03月05日 16:59