2014年06月05日 17:12

企業家ミュージアム★メールマガジン★ 第34号!

>>2014年6月5日(木)発行<<

みなさん、こんにちは。
「企業家ミュージアム メールマガジン」第34号の本号は、毎日新聞月曜日
夕刊に2012年4月9日から2014年1月27日まで掲載していた、企業家
の名言や座右の銘をコンパクトにまとめた『大阪の道標』の第14回です。
ミュージアムで紹介している企業家たちの珠玉の名言、座右の銘をお楽しみ
ください!
 
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 ★今月の名言!(第14回)★

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広告による薫化益世を使命とする
 
     森下 博 森下仁丹創業者(1869~1943)

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森下仁丹の創業者、森下博は、1869(明治2)年広島県生まれ。15歳から大阪・
心斎橋の舶来小間物問屋へ丁稚奉公にあがった。「日三省吾身(日に三たび吾身
を省みる)」を座右の銘に、奉公のかたわら寸暇を惜しんで学問と新しい知識の吸
収に努めた。9年後の93(明治26)年、舶来小間物問屋を辞し薬種商「森下南陽
堂」を創業。社会に役立ちたい、「済世利民」の思いが薬種商の道を選ばせたので
ある。

1905年、その思いは超長寿商品となる「仁丹」として結実した。風邪や食あたり
で命を落とす人が少なくなかった明治時代。最良の原料で作り上げた携帯、保存に
便利な丸薬・仁丹こそ健康に役立つとの信念で普及、販売に力を入れた。
全国の薬店に突き出し屋根看板や自動販売機などを設置し、新聞に全面広告を連続
して出し、07年に海外輸出を開始。音楽隊と幟と旗を掲げた行進で人を集め無料
サンプルを配って回った。

森下は広告は商品を宣伝するだけでなく、広告自らが人の役に立つべきと考えた。
その真骨頂が、町名表示がないために道に迷う人々の悩みに応え生み出された森下
仁丹の商標入り町名看板であり、古今東西の格言を紹介する「金言広告」だった。
まさにその活動は明治の広告王にふさわしいものであった。

                     <毎日新聞 2012年8月27日 夕刊>

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森下博については、企業家ミュージアム<第2ブロック:大衆社会の形成
― 製薬・化学に新たな地平を拓く>で、斬新で巧みな広告宣伝により医薬
・化学産業の近代化を果たした人物として展示しています。

 ▼大阪企業家ミュージアムで展示している企業家についてはこちら。
  http://www.kigyoka.jp/exh/ent/index.html

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 ■編集後記■

お読みいただき、ありがとうございました。
1893年、今から120年以上も前に創業した森下仁丹は「老舗」と呼ぶに
ふさわしい会社です。
この「老舗」という言葉、しばしば使いますが定義は特に定まっていないよう
です。
よく「三代続いている会社」「百年以上継続している会社」と言われますが、
業種でもその使い方はまちまちです。

帝国データバンクの調査によると、日本国内の業歴100年以上の企業は
なんと2万6,144社(2013年調査)。
世界中に約5万社といわれており、その半数以上が日本企業。
「長寿大国・日本」ならぬ、まさしく「長寿企業大国・日本」ですね!
 
グローバル社会の中で過酷な企業間競争を生き残る秘訣が「老舗経営」の中
に潜んでいるのかもしれません。
「仁丹」から「カプセル事業」へ。伝統の上に革新を続ける森下仁丹からも
目が離せません。  
 
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 【発行日】  2014年6月5日
 【発行元】  大阪企業家ミュージアム
         電話 06-4964-7601
         FAX 06-6264-6011
         e-mail museum@osaka.cci.or.jp  
         http://www.kigyoka.jp/
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投稿者 museum | 2014年06月05日 17:12