2012年11月01日 12:01

企業家の美術館・博物館めぐりのおすすめ

季節の移り変わりが早いですね。
朝は、コート姿がちらほら目につくようになりました。

 紅葉の見頃にはまだ少し早いですが、企業家由来の美術館・博物館では、“企業家の茶の湯”をテーマにした秋の特別展示がそこここで開催されています。これらの美術館・博物館は春、秋に期間を限定して公開するところが多いので、いまの機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

 ご訪問の参考に、あお吉が訪れたミュージアムをご紹介してみたいと思います。
 まずは大阪。

 藤田美術館http://www.city.okayama.jp/museum/fujita/schedule.htm)は、藤田傳三郎と息子たちが収集した美術品のコレクションが春と秋に公開されますが、いま、国宝の曜変天目茶碗も展示されています。天目茶碗は、いろいろな種類があるのですが、この曜変天目と呼ばれるものが最上級品で、その一つが、ここでは間近に見ることができます。秋季展「藤田傳三郎の想い」(12月9日まで)が現在開催中で、隣接する太閤園(藤田傳三郎の元邸宅)でのランチをセットにしたプランもあり、お食事とお庭の見学も兼ねて贅沢な一日が過ごせそうです。

 湯木美術館http://www.yuki-museum.or.jp/exhibition/index.html)は、日本料理店「吉兆」の創業者・湯木貞一のコレクションを収蔵した美術館で、いま、秋季特別展「関西数寄者の茶道具 ― 明治・大正・昭和 ビジネスリーダーたちの茶会」(12月16日まで)が開催されています。
 明治維新以降、家元や旧家から売り立てに出された名品の数々を、明治・大正・昭和初期に新しく登場したビジネスリーダー達が収集。彼らは収集した茶道具のお披露目も兼ねて、さまざまな茶会を開催しており、文化の担い手としても活躍した様を知ることができます。

 次に京都。
 住友春翠(第15代住友吉左衞門)を中心とした住友家のコレクションを収蔵・展示する泉屋博古館http://www.sen-oku.or.jp/kyoto/schedule.html)では、特別展として「住友コレクションの茶道具~近代数寄者の風流のこころ~」(12月9日まで)を開催中です。ここは常設展も素晴らしく、中国の青銅器のコレクションが圧巻です。かなり規模の大きいものから鏡鑑まで青銅器がずらりと展示されており、世界的な名品も含まれています。青銅器についての解説資料も充実しており、見応えのある博物館です。

 そして、野村徳七が収集した美術品を公開している野村美術館http://www.nomura-museum.or.jp/tenjinaiyou/)。ここでも秋季特別展として「茶の湯名椀展」(12月9日まで)が開催されています。館蔵品展、個展も併せて開催されており、あお吉が訪れた時は、螺鈿細工が施された品々が展示されていました。能装束の展示等もあり、伝統工芸の美を満喫することができます。
 因みに、先の泉屋博古館とこの野村美術館は秋季特別展について共同企画されていて、両館を見学される方には割引料金が設けられています。割引チラシを頂けますので、日を改めて見学される場合でも、どちらか一方は割引料金で見ることができます。 

 明治以降、日本の経済発展をリードした企業家達には、“茶人”“数寄者”とした一面を持ち、活躍した方が多くいらっしゃいます。名品鑑賞に浸るのも好し、企業家の人となりに迫るのも好し、様々なアプローチで楽しんでみるのはいかがでしょうか。

投稿者 museum | 2012年11月01日 12:01