2015年10月7日   淀川舟運視察(八軒家浜~枚方)parts_new.png

CIMG1140.JPG「三十石船の時代の櫓の音を再現する佐藤会頭」 佐藤会頭は、淀川での舟運復活を契機に川沿いの魅力を再発見しようと北大阪商工会議所の北本会頭と共に一本松海運が運航している屋形船風遊覧船「えびす」に乗船し、八軒家浜から枚方まで淀川沿いの視察を行った。
 本会議所では、淀川の活性化と賑わい創出に向けて提言(2015年3月)を取りまとめる一方、近畿地方整備局等と共に実験事業「淀川アーバンキャンプ2015」(9月19日)を実施するなど積極的に水都大阪復活に向けた新たな事業に取り組んでいる。そこで今回は北大阪商工会議所が管轄する枚方の船着き場までの淀川沿いの岸辺エリアを船上から視察。今後の賑わい創出事業に役立てようと、北大阪商工会議所の北本会頭や田中専務理事らと日程を調整し共同で乗船した。
CIMG1145.JPG「毛馬閘門を通過中。北大阪の北本会頭(右)と淀川の活用策につき懇談する佐藤会頭(左)」  乗船当日の7日は快晴に恵まれ午前10時に八軒家浜を出発。順調に航行し12時15分頃に枚方市の船着き場に到着した。船上では枚方文化観光協会のガイドから淀川の歴史や各地の橋梁、さらにはワンドなどの説明をうけたほか、淀川-枚方間の定期便運航のネックとなっている川砂の堆積を浚渫する作業船の活動などについても紹介を受けた。また枚方に到着後は、舟運の中継港として栄えた船待ち宿の「鍵屋」(現在は資料館として公開)を訪ねるなど精力的に視察を行った。
 視察を終えた佐藤会頭は、「琵琶湖の水面は、大阪城の天守閣と同じレベルの水位にあることからも分かるように、淀川や大川は琵琶湖水系の大きな枠組みのなかで育まれたものであり、我々はこの貴重な水資源に感謝して生活していかねばならない。江戸時代の三十石船の時代には、枚方までの上りは12時間、下りは6時間かかるとのことであったが川沿いには多くの渡し跡や川の淀みであるワンドなどが残されている。
CIMG1175.JPG「淀川上流から運ばれ堆積する川砂を採取し、大川沿いの処理場まで運搬している。」
また川幅も雄大な淀川の舟運は年間を通じて運航できれば大阪にとっても貴重な観光資源となりうる。ただ淀川大堰があるため直接大阪湾に繋がっていないのが残念。今日ご一緒した北大阪商工会議所の北本会頭にもご相談し、川沿いエリアを活性化する事業などを共同で行う企画を提案したり、浚渫工事や淀川大堰への閘門設置を一緒になって関係先に働らきかけていくことも考えていきたい。」と語った。





CIMG1186.JPG「枚方に到着後に北大阪商工会議所の北本会頭(左)と記念撮影」CIMG1192.JPG「船着き場から徒歩で鍵屋に岸部を移動。」 CIMG1195.JPG「鍵屋全景」

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2015年10月2日   五代友厚の没後130年企画特別展示 「大阪の恩人・五代友厚」 (中央区・大阪企業家ミュージアム)parts_new.png

CIMG1015.JPG「佐藤会頭(右)、五世長谷川貞信氏が2日に大阪企業家ミュージアムを訪問。特別展示 「大阪の恩人・五代友厚」を一緒に視察した。」    佐藤会頭は、10月2日浮世絵師五世の長谷川貞信氏を大阪企業家ミュージアムにお招きして特別展示 「大阪の恩人・五代友厚」の視察を行った。現在の長谷川貞信氏の父上にあたる四世の作品が今回披露されていることから佐藤会頭が呼びかけて長谷川氏の来訪が実現したもの。佐藤会頭自身、五世にお会いするのは今日で3度目のはずだと自己紹介し、和やかに懇談が行われた。大阪企業家ミュージアムでは、明治初期の大阪経済の近代化に力を尽くし、大阪商工会議所の初代会頭を務めた五代友厚の没後130年企画として、12月18日まで、特別展示「大阪の恩人・五代友厚」を開催している。


CIMG1039.JPG「四世 長谷川貞信氏(1914~1999年)作の錦絵(原画)を手にもち佐藤会頭(右)に説明する浮世絵師五世の長谷川貞信氏」  最初に佐藤会頭は、浮世絵師・四世 長谷川貞信氏(1914~1999年)作の錦絵20枚から成る「五代友厚の一生」を一緒に見学。その後の懇談などで以下のように述べた。「私自身、初代の会頭である五代さんの生家(鹿児島県)跡を2011年6月に訪問したことがある。今回の展示会で四世の作品が展示されている機会に五世の貞信さんとお目にかかれて大変嬉しく思っている。四世には昭和30年代から50年代にかけてNHK大河ドラマの時代劇などをモチーフにした「ひらかた大菊人形」のポスターの原画制作に携わって頂くなど私が広報を担当していた折にも大変お世話になった。また初代 貞信氏(1809~1879年)の「浪花百景」、二世 貞信氏(1848~1940年)の「浪花百勝」など歴代の作品は座右に置き、グラスを片手に眺めることが多い。江戸から明治にかけての水都・大阪の繁栄ぶりや名所・旧跡に心を寄せて描かれた風景画から、大阪が水都として繁栄を重ねてきたことをいつも心に刻み、私のライフワークである水の都に大きな影響をいただいている。今日は本当に貴重な機会となった。」と述べた。

CIMG1042.JPG「設立当時の商工会議所が錦絵として描かれている。」  これに対して、四世の名を継ぎ、自身も日本画家として活躍されている五世 長谷川貞信氏は、「錦絵が一枚も散逸せずに良い状態で保存していただいていることは非常に価値があり、感謝している。私自身、祖父や父の仕事を間近に見ながら過ごしてきただけに父の月命日に作品の原画に再会するを設けて頂き大変喜んでいる。戦時の空襲で多くの作品が焼失ししていまった、今後は全国に散逸した先代などの作品をいかに後世に残していくかが課題になっている。」と応じた。

 特別展示の錦絵は1970年3月、大丸心斎橋店で「EXPO70協賛・商都大阪の偉大な先覚者!五代友厚展」で展示されたもの。薩摩に生まれ英才の誉れ高き五代才助の時代から、欧州大陸留学、そして大阪での多岐にわたる活躍など、49歳の若さで没するまでの波乱万丈の生涯が色鮮やかに描かれている(展示品は複製)。 【問合せ】大阪企業家ミュージアム電話06-4964・7601


CIMG1043.JPG「初代 貞信氏(1809~1879年)の「浪花百景」、二世 貞信氏(1848~1940年)の「浪花百勝」など歴代の作品集を手に歓談。左が五世長谷川貞信氏」 CIMG1019.JPG「大阪企業家ミュージアム内の特別展示コーナーで記念撮影」

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2015年9月11日~12日   レオナルド・ダ・ヴィンチミュージアム並びに展示会ミラノホーミ(HOMI)の視察

111111.JPG「ホームインテリアの国際展示会HOMIにおいて、泉州タオルの国際展開ブースでプロモーション戦略について語る喜多先生」  佐藤会頭を団長とするイタリア視察訪問団一行は、9月11日にレオナルド・ダ・ヴィンチミュージアム、12日に展示会HOMIの視察を行った。今回の訪問目的は、元々修道院の建物であったという歴史あるストックをリノベーション活用したレオナルド・ダ・ヴィンチミュージアムの視察やデザイン性の高い暮らし関連商品などが展示されているHOMIの視察などが狙い。
 11日には佐藤会頭と交遊のあるフィオレンソ・ガッリ館長の案内でミュージアムを視察し、ダ・ヴィンチの発明品やイタリアの科学技術の発展の歴史などについて説明を受けたほか、9月上旬から展示されている大阪大学工学部の浅田教授らがミラノ万博に併せて開発したレオナルド・ダ・ヴィンチのアンドロイド人形なども視察した。
ミラノ工科大学で、家具のデザインの実習状況について解説を受ける。.JPG「ミラノ工科大学で、家具のデザインの実習状況について解説を受ける。」 また12日に訪れた展示会HOMIは、イタリア最大級のホームインテリアの展示・商談会。展示会場の総面積は18万平米で出展企業数は2,800社。圧倒的な規模と展示の仕方の美しさが際立っていた。HOMIの名称はHOME(住居)、HOMO(人間)、MILANO(イタリアン・スタイル)の3つを組み合わせたもの。10分野の展示カテゴリーがあり、佐藤会頭はじめ団員一行は、リビングとホームテキスタイルの展示エリアを視察。
 同会場内では、経済産業省の支援を受け、喜多先生がトータルプロデュースしたブースで大阪タオル工業組合が泉州タオルの海外販路開拓に取り組んでいたほか、漆や金箔、和紙といった伝統工芸品を活かしてデザインされた音響関連製品や照明器具も来場者の注目を集めていた。 

image1.png「ミラノで最も洗練された地区と言われるブレラ地域で、アペリティーボを楽しみ、イタリアの日常生活を体験」
 視察を終えた佐藤会頭は、「二つの博物館と展示会場で共に大阪発のブランドが披露されていたことが大変心強い。人工知能を使ったロボットと泉州産タオルという全く違う分野の製品であるが、いずれもOSAKA発の情報発信事例として今後広く関係先に紹介していきたい。またレオナルド・ダ・ヴィンチミュージアムのガッリ館長は10月上旬にも来阪予定があると伺っており、レオナルド・ダ・ヴィンチのアンドロイド人形も12月にはグランフロントで展示されるとのことでもあり、今後の交流強化に向けて一度じっくりと話をしてみたい。大阪では国際会議場や展示会場の充実が喫緊の課題であるが、ミラノにおける展示会場の運営事例も大いに参考にしていきたい。」と述べた。
image1 (2).png「レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館で、大阪大学浅田教授開発による レオナルド・ダヴィンチのアンドロイドについてガッリ館長から解説 を受ける。」

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2015年9月9日~11日   ミラノ万博視察、ミラノ工科大学訪問、トリエンナーレ デザインミュージアム視察

コシノヒロコさんとトリエンナーレミュージアムで遭遇。.JPG「コシノヒロコさんとトリエンナーレミュージアムで遭遇。」 佐藤会頭、鳥井副会頭は、9月9日にミラノ市内で開かれた大阪市/ミラノ市姉妹都市35周年記念レセプションに出席し、以前、本会議所を訪問したアミルカレ ボドリア・パロマ市長やアンドレア ザンラーリ・パロマ商工会議所会頭、ミラノ市の観光局幹部らと改めて旧交を温めた。席上佐藤会頭は、「ビックリしました。OSKのトップスターだった桜花昇ぼるさんが目の前にいるではありませんか。(桜花さんは大阪市のPR事業でパフォーマンスを実施)大阪、日本の伝統芸能文化であるOSKをミラノで少しでもお見せできるのは大変素晴らしい。今年は大阪市・ミラノ友好交流35周年だが、今後さらに友好が深まることを期待申し上げたい。前回大商ミッションは花博出展勧誘のためミラノを訪問したが、約30年の時を経て今回はミラノ万博参加のためにこの地を訪れることができた。


トリエンナーレ・デザイン・ミュージアムで、カッセローニ館長(左)と懇談.JPG「トリエンナーレ・デザイン・ミュージアムで、カッセローニ館長(左)と懇談」 今回の訪問はロンバルディ総領事のお力添えによるところ大であるが、昨夜総領事の中世のお城に寄せてもらった。私は親しみを込めマルコ総領事と呼んでいるが、城主だと思うとロンバルディー殿(侯)と言わなくてはならない。今後とも親しみと威厳を持ってご指導いただきたい。」と来賓挨拶。一行は翌10日にミラノ万博の日本館やイタリア館などを視察した。日本館では大阪ウィークに併せて昆布出汁文化を紹介するコーナーやサントリーのウィスキーの試飲コーナーなどが設けられ、桜花さんのステージなどでOSAKAのPRが行われた。今回、ミラノ万博の大阪ウィークの出展にあたっては、佐藤会頭が自ら橋下市長や井上経済戦略局長に対して姉妹都市交流先であるミラノ万博での活動実施を強く働きかけ。本会議所も鳥井副会頭や有光常議員らによる食ビジネス関連のミッションを派遣したほか、大阪外食産業協会(藤尾会長)にもミラノ万博のテーマが食であったことから大阪ウィークに併せた視察団の企画を働きかけるなど、官民一体となった取り組みによりイタリア総領事館による支援要請に応えた。

0000000.JPG「トリエンナーレ・デザイン・ミュージアムの「食と芸術」の特別展において日本の伝統工芸について語るヴェロチェローニ教授」 このほか一行は11日に喜多先生の案内でイタリア最大の名門工学系大学として国際的にも著名なミラノ工科大学のマテオ・ヴェロチェローニ教授(建築家)を訪ねて意見交換を行った。同教授との懇談では、産学連携事業について見識を深めた。実際、ミラノ万博におけるパビリオン建設や全体設計にあたっても、学生が実務的に関与(デジタルカタログ開発など)しているとの説明を受けた。またその後、同教授の案内でイタリアのアートと建築文化の情報発信拠点となっているトリエンナーレ デザインミュージアムを視察。同ミュージアムでも、アンドレア・キャッセローニ館長が、大阪との深い縁について触れ、喜多氏の個展や日本のグッドデザイン賞の展覧会等が行われたとの解説がなされた。「食とデザイン、芸術」に関する特別展示では日本の美しい漆器等も紹介されていたほか、同ミュージアムjでは偶然にもファッションデザイナーであるコシノヒロコ氏ともお会いし、改めて大阪とミラノのファッション分野(衣)の民間レベルの交流が充実していることを再認識する機会となった。

ミラノ国際博覧会の大阪市イベントオープニングセレモニーにて、松井知事らと登壇.JPG「ミラノ国際博覧会の大阪市イベントオープニングセレモニーにて、松井知事らと登壇」 視察を終えた佐藤会頭は、「私自身、自称OSKの応援団長でもあり、桜花さんとこうしたご縁で上海万博に続きミラノ万博会場の地でお目にかかれたのが何よりうれしい。今回の万博は様々な民族の食文化が出会える良い機会。ミラノ市観光局幹部が大阪を訪問した際に食べられた日本の天ぷらが印象に残ってその話で盛り上がったように食は万国共通の良いテーマだ。今回イタリアではトリノとミラノしか訪問できなかったが、次回はハム製造で有名なパロマなどもぜひ訪れ、スローフード文化発祥の地であるイタリアの食文化を学んでみたい。またミラノは衣食住に至る全ての暮らし分野で多くの刺激と示唆を与えてくれる土地柄であることを確信した。」と感想を語った。
ミラノ万博会場内の風景.JPG「ミラノ万博会場内の風景」ミラノ万博日本館は大人気で長蛇の列.JPG「ミラノ万博日本館は大人気で長蛇の列」ミラノ万博日本館代表部の関係者と懇談.JPG「ミラノ万博日本館代表部の関係者と懇談」大阪市主催姉妹都市レセプションで来賓挨拶を行う佐藤会頭.JPG「大阪市主催姉妹都市レセプションで来賓挨拶を行う佐藤会頭」

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2015年9月8日~9日  トリノ・バローロ地区並びにコモ湖近郊個人住宅の視察

バローロのアッボーナ家のワイナリーで試飲.jpg「バローロのアッボーナ家のワイナリーで試飲」 佐藤会頭は、9月8日に最初の訪問地としてイタリア産ワイン生産地として名高いバローロ地区を鳥井副会頭らと視察した。バローロは、イタリア北部にあるピエモンテ州ランゲ地方クオーネ県の丘陵地帯にあり、北、西、南にあるアルプス山脈が、過度の降雨を嫌うブドウ栽培に適した土地柄を生んでおり、同地で生産されるブドウは上品で濃厚な香りが具わることからネッビオーロ種ブドウ100%のワインは重厚な味わいでワインの王様と呼ばれている。




バローロのワイナリーの地下醸造所にて 伝統的な醸造方法について解説をきく.JPG「バローロのワイナリーの地下醸造所にて 伝統的な醸造方法について解説をきく」 今回訪問したのは創業から5代目となるアッボーナ家が経営するワイナリーで丁寧な伝統的製造方法が特徴。8日の夕刻に開催されたマルコ・ロンバルディ在大阪イタリア総領事主催のレセプションではイタリア企業経営者に加えて、梅本日本大使、在イタリア日本商工会議所の市川会頭など50名が出席。大阪からの団員と交遊を深めた。またその後一行は、翌9日にバスでミラノの避暑地として知られるコモ湖近郊に移動し、その後中産階級の個人住宅の視察を行った。コモ湖の湖畔にはヨーロッパ王室や富豪などが建てた豪奢な別荘も多くみられ、おしゃれなカフェやレストランも集積している。
ブリアンザ地域の個人住宅訪問で、喜多氏とともに、住宅所有者の女性らと、テラスにて歓談を楽しむ.JPG「ブリアンザ地域の個人住宅訪問で、喜多氏とともに、住宅所有者の女性らと、テラスにて歓談を楽しむ」
 訪問を終えた佐藤会頭は、「マルコ・ロンバルディ総領事のご自宅のお城にもお招きいただき、イタリア王政の歴史の一端を見ることができた。またバローロ地区のワイナリーでは収穫したブドウを地下に納めているシーンに出会うなど、地方の気候の持ち味を活かした製品づくりをつぶさに観察できた。このほかブリアンザ地域の個人住宅では喜多先生の提唱する客人のおもてなしの文化を学ぶことができて収穫だった。今後、大阪らしいライフスタイルの創出に役立てていきたい。」と述べた。



ロンバルディ総領事の案内で自宅のお城を訪問.JPG「ロンバルディ総領事の案内で自宅のお城を訪問」地下に収蔵されたワイン製品.JPG「地下に収蔵されたワイン製品」

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2015年9月4日   ㈱サロン ド ロワイヤル(東住吉区)

CIMG0867.JPG「サロンドロワイヤル社のチョコ製造現場を視察する佐藤会頭。」  9月4日、東住吉区にある㈱サロン ド ロワイヤルを訪問した佐藤会頭は、代表取締役の前内眞智子氏と懇談し、意見交換を行った。席上、佐藤会頭は、「貴社のお名前を存じ上げたのは東北の地で買い求めたピーカンナッツ製品に出会ったことがきっかけだ。何と大阪の会社が震災復興に励んでおられる南三陸の地に商品を提供されていると知り、大阪の誇りだと感激した。そこで本日お訪ねする機会を設けてもらった。どのようにして商品開発されたのか是非お話を聞かせて欲しい」と呼びかけた。



CIMG0868.JPG「原料となるチョコレートの貯蔵庫を覗きこむ佐藤会頭」
 これに対して前内社長は、「商品開発に取り組んだのは8年前。ピーカンナッツ(くるみ科の落葉高木の種実)を用いたチョコ製品はアメリカではかなりあるが、日本ではそれほど多くなかった。ホワイトチョコやキャラメルと良くマッチすることから商品開発を進め、当初は関西の20室規模の武田屋旅館(兵庫)から販売を始めた。ダンボ-ルで買いたいというお客さんもでてきたことから、3年ほどかけて全国展開を進めた。この過程では、商社機能を有する知り合いの社長がこの商品は売れる違いないと随分販促を手伝ってくれた。おかげで全国500件の旅館で販売できるようになった。

CIMG0878.JPG「当日手作りで製造されたチョコ製品を紹介する前内社長(左)」
現在では日本に輸入されるピーカンナッツ270トンのうち、当社が80トンを使うまでになっている。おかげさまで関西でも「黄金の豆」という名前で高速道路のサービスエリアでも手土産として販売。この人気製品シリーズのおかげで当社の売り上げも大きく伸びた。わが社の創業者は義理の父親で、今年で80周年を迎える。私の夫である先代の社長が病気療養で退き、2012年に社長に就任した。



CIMG0872.JPG「通信販売などで配送されるギフト用商品についても説明を受けた。」
当社は12月から2月が繁忙期。夏場は閑散期となるが、アイスクリーム関連のヒンヤリスイーツなどで谷を埋める努力を行っている。繁忙期と閑散期の波間が広がらないよう、取扱い店舗や商品アイテム数の見直しも進めてきた。私自身営業管理ばかりを担当してきたが、生産管理の部分を息子や娘が補ってくれており助かっている。ピーカンナッツはアメリカやオーストラリアから輸入しているが円レートの変動により為替予約が難しい。


CIMG0859.JPG「色鮮やかな芸術的チョコレートボンボン「京桜」とマカロン製品」
現在では海外事業部を立ち上げ、某銀行のマッチングにより香港のフォーシーズ(四洲集団)と提携を模索する一方、香港そごうなどで出品販売にもトライしている。当社の自社製品は阪急3番街と京都での直営店舗で販売しているほか楽天での通信販売でも人気を博してきた。そのため日々大量の商品発送を行うべく宅配業者に配送を委託。また手狭となった工場を拡張すべく、来月から隣接地に工場を増設することになっており、現在の生産能力の1.5倍を見込んでいる。」と近況を紹介した。

CIMG0860.JPG「関西の高速道路のサービスエリアで「黄金の豆」の名前で販売されている商品。 キャンディコーティングした希少な天然のピーカンナッツを、後口の良いホワイトチョコで包み、キャラメルパウダーをまぶして仕上げている。    第25回全国菓子大博覧会で日本商工会議所会頭賞を受賞した人気商品シリーズとの説明があった。」
 これに対して佐藤会頭は、「ピーカンナッツを使ったチョコ製品で新たな市場を開拓していることに驚かされた。玉露テーストと組み合わせたピーカンナッツが中国人など海外観光客にも大変な人気と知り、嬉しい限りだ。京都での店舗展開などブランド化を常に意識されている点も素晴らしい。大阪土産となるべき商品が少ない中、ピーカンナッツや月化粧といった大阪ブランドの製品を見出して皆さんに広くご紹介していくことも私の使命の一つだ。今後は後継者育成のためにも、支部などで活躍する経営者とのネットワークの輪を広げる手助けも社長としての重要な役割だ。ぜひ南支部管内の企業人を(後継候補者の方に)ご紹介させて欲しい。また香港貿易発展局と大商は提携関係にあるので、お困りのことがあればぜひごお申し出頂きたい。私自身、香港貿易発展局のマーガレット・フォン総裁とは大変懇意にしており、何かのお役に立てるかもしれない。」と述べた。



CIMG0882.JPG「本社内での記念撮影。左が前内社長。背景は前社長の姉(創業者の娘)の描いた作品。」












CIMG0887.JPG「同社前にて記念撮影。中央が佐藤会頭。その右が前内社長、左が前内取締役」

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2015年9月4日  学校法人辻料理学館 大阪あべの 辻調理師専門学校・辻製菓専門学校(阿倍野区)

CIMG0848.JPG「右から碓井顧問、辻芳樹理事長・校長、尾崎運営部長、山田副校長」  佐藤会頭、宮城専務は、9月4日阿倍野区にある辻調理師専門学校・辻製菓専門学校を訪問し、辻芳樹 理事長・校長をはじめ、山田研副校長・教育本部長、尾崎一正運営部長(西洋料理教授)、中村和雄統括本部長、碓井將夫顧問らと懇談した。今回の訪問は、日本最大の食の総合教育機関で大阪の食文化の創造に長年貢献されてきた辻調理師専門学校の人材育成方法などを学びたいと佐藤会頭が希望し、同校の碓井顧問の勧めにより訪問が実現したもの。



CIMG0850.JPG「山田副校長(左から2人目)より学校の概要について説明を受ける佐藤会頭(右端)」
 席上、辻校長、山田副校長らは、「当校は1960年の開校で、これまでに13万5千人の卒業生を業界に輩出。スターシェフや一流パティシエとして活躍しているものも多く、来年4月からは3年制の高度調理技術マネージメント学科の新設を計画、現校舎に隣接するエリアに新校舎の増設を進めている。創設者の辻静雄氏は、欧州の一流シェフらと親交を結び、海外文献に基づいた料理研究も手掛けてきた。プロ向けの教科書や技術開発書など700冊以上の書籍を出版。関連書籍も2万冊以上蔵書している。

CIMG0794.JPG「尾崎運営部長から調理師本科実習現場の説明を受ける佐藤会頭(左)」
2011年4月にはニューヨークに日本料理店を開店し教員2名を派遣。現地の食材を使用しながら和食を提供している。このほか外務省に協力し、海外の大使公邸で勤務する公邸料理人を世界に送り出すプロジェクトにも協力している。2000年の九州・沖縄サミットでは首脳社交晩餐会で料理の総合プロデュース・制作を手掛けた。少子化の影響で在校生の人数は現在3,300~3,500人前後を推移。当校の卒業生が新規店舗を開業する際には同窓会雑誌などで紹介し、卒業後もサポートするように努めている。外国人の生徒は5%ほどで150名程度。現在は韓国からの生徒が最も多いが最近は中国や台湾からの生徒も増えている。

CIMG0837.JPG「辻製菓専門学校にて和菓子製造の実習過程を視察する佐藤会頭(右)」
最近は日本料理を志す生徒が少し戻ってきた。在校中にはちゃんと美味しいものを食べて舌をつくってもらうことが大事。基本的なことを厳しく教えて感性を磨いていってもらうスタイルが特徴だ。料理の世界も一人ではできないのでチームワークが肝心。実習もグループワークがメインだ。当校に自宅から通う生徒の割合は40%。残りの生徒は全国から志望して入学してくる。」と現状を紹介。その後、調理師本科の実習教室や製菓専門学校の実習現場を視察した。

CIMG0842.JPG「当日生徒が実習で製造した和菓子を視察する佐藤会頭(右)。持ち帰って味見をするよう指導を行っているとの説明がなされた。」
 訪問を終えた佐藤会頭は、「実習する生徒一人一人が明確な目標を持っているせいかイキイキしているように感じられた。和食が世界遺産に登録されたこともあり日本食をメインに勉強する在校生が増えていることも大変心強い。日本料理は長年にわたり培われてきた食文化そのものであり、出汁ひとつとっても昆布出汁、かつお出汁、あご出汁など微妙な違いがある。教えることで学び続けるという建学の精神が生徒に受け継がれ、地域や素材にあった新しい料理を生み出そうというイノベーションに繋がっているのではないか。生徒の進捗度に応じて先生が自らやって見せる教育システムも素晴らしい。本会議所などが実施している食の都大阪グランプリの審査でもお世話になっているが、今後も日本の食文化の担い手となるべき優秀な人材をを育てていって欲しい。」と述べた。
CIMG0824.JPG「校内には在校生向けの求人情報が掲示されていた。」 CIMG0808.JPG「辻調グループのフランス校の運営につき碓井顧問よりご紹介を受けた。」 CIMG0851.JPG「同校の建学の精神を紹介するレリーフ ”Docendo Discimus (私たちは教えることによって学ぶ)”」

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2015年9月2日  北陸新幹線(金沢駅)、金沢城公園視察 (石川県)

CIMG0677.JPG「金沢駅東口に整備されたもてなしドーム」 9月2日、佐藤会頭は北陸・関西連携会議開催に際して、3月14日の開業から約半年が経過した北陸新幹線「かがやき505号」に乗車し、東京ー金沢間の陸路移動を体験。北陸新幹線の早期大阪延伸が関西経済圏にとっても重要な課題となってきていることから、開業後半年後の経済波及効果などの把握に努めた。金沢に到着後、北陸・関西連携会議に参加の会議所関係者と金沢駅などを視察した。





CIMG0682.JPG「JR西日本の堀坂常務から7月末までの北陸新幹線の乗車状況などをヒアリング」 説明を行ったJR西日本の堀坂明弘常務執行役員は、7月末までの北陸新幹線の利用状況について、「前年の在来線特急利用と本年の北陸新幹線の乗車人員を比較すると324%増となっており、首都圏からの新たな人の流れを生み出している。関西と北陸を結ぶサンダーバード特急の乗車人員も105%と伸びており、北陸の主な観光地実績をとってみても、石川県のみならず富山県や福井県にも波及効果が出てきている。」と述べた。また金沢駅構内では、待合室などに掲示されている伝統的工芸品や柱を彩る金沢箔、通路壁面の加賀友禅、陶壁などを視察。その後訪れた金沢城公園では北陸新幹線の開業に合わせて復元工事が進められてきた橋爪門や玉泉院丸庭園などを見学。現存する多種多様な石垣などを楽しんだ。


CIMG0683.JPG「引き続きJR金沢駅構内を視察する一行」CIMG0701.JPG「壁面に飾られた加賀友禅などを視察。左から福井の川田会頭、佐藤会頭」












 訪問を終えた佐藤会頭は、「東京からのかがやき505号は全席指定席で満席。長野駅で多少降車する方もおられたが、多くの方が最終目的地である金沢まで乗車されていた。車内からの眺めはトンネルもあるが山や海など変化に富んでいる。開業後6ヶ月が経過したことから、リピーターの観光客をいかに取り込めるかが北陸経済圏全体にとっての共通課題となっていくだろう。金沢駅では駅前東広場のもてなしドームの整備ぶりに驚かされた。観光客を受け入れるべく地元自治体がJR西日本と一緒なって着々と準備を進めてこられたことが良く理解できた。緊急時には、北陸新幹線が東海道新幹線の代替路線となってくる。早期に大阪延伸することが国土の2軸化にもつながることから、今後、関西と北陸の会議所同士で力を合せていきたい。」と感想を述べた。

CIMG0722.JPG「金沢城公園の修復計画をヒアリングする佐藤会頭(左) 昭和53年頃は城内に金沢大学のキャンパスが設けられていた。」 CIMG0742.JPG「石川県職員から説明を受ける佐藤会頭。海外観光客も来園していた。」















CIMG0755.JPG「兼六園のスタッフが手入れを行う江戸後期の姿を再現した玉泉院丸庭園」 CIMG0759.JPG「色紙短冊積石垣について説明を受ける佐藤会頭」

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