佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2013年(平成25年)6月11日(火)

第7回日韓商工会議所首脳会議「日本の経済情勢と展望」

和文資料(議題1:日本の経済情勢と展望)_3_ページ_7.jpg「関西イノベーション国際戦略総合特区」 さて、ここで関西の成長戦略ともいうべき最近の動きについて若干ご紹介をさせていただきます。
関西地域は、北海道や東京、中部、福岡地域等ともに2011年12月「国際戦略総合特区」に指定されました。この特別区では国際競争力の強化に資する事業を実施するにあたり、建築基準法での特例措置や、投資・所得金額に対する税額控除支援を受けたりすることができます。大阪、京都、神戸が一体となり、「先端医療」、「バッテリー」など関西地域が強みを有する分野にターゲットを設定し、これら産業におけるイノベーションの実用化・市場づくりを目指した取り組みを進めています。
 例えば、大阪市内では大阪駅周辺を再開発し、最先端技術をもつ中小・ベンチャー企業や国際的にも著名な企業を集積させ、今までにない商品サービスや人材を生み出すことを目指しております。第1期として本年4月にオープンした「グランフロント大阪」は、集客施設と先端技術交流施設等からなり、1か月で760万人の来場者を集め、昨年5月開業の東京スカイツリータウンの581万人をも大幅に上回っています。
もちろん、単なる集客観光施設だけに留まりません。この地域では、世界的に開発競争が激しくなっているバイオ医薬品、医療機器、再生医療、バッテリーはじめ新エネルギー等において、我が国の技術力を最大限に引き出し、次々と革新的な製品を生み出していくため、これらの分野で代表的な大学・研究機関等も誘致し、新たな製品・技術をできるだけ早く市場に送り出すため、地方税のカットなど思い切った施策も含めた環境整備を行っています。
こういった動きは、関西だけでなく各地域がそれぞれの特色を活かし、種々取り組んでおられると思います。日本経済がさらに復興していくためにも、地域経済活動は重要であり、こういった動きを支える政府の成長戦略に、今後も大いに期待しているところであります。