<シンポジウム 関西経済圏の針路~第1回 ~メディカル・ポリスの形成に向けて~>(平成27年10月6日)
概要
□日 時:2015年10月6日(火) 15時~17時35分
□場 所:日本経済新聞社大阪本社1階カンファレンスルーム
□主 催:大阪商工会議所、日本経済新聞大阪本社
□参加者:佐藤会頭、古川副会頭、手代木副会頭、尾崎副会頭ほか関係者など約120名
□主なプログラム:以下の通り
問題提起 小峰隆夫氏(法政大学大学院政策創造研究科教授)
基調講演 手代木副会頭(塩野義製薬㈱代表取締役社長)
引き続きパネルディスカッションが行われた。メンバーは手代木副会頭、森下竜一・大阪大学大学院医学系研究科教授、大日常男・山科精機㈱代表取締役社長兼CEO。モデレーターは梅谷哲夫・日本経済新聞社大阪本社編集局次長兼経済部長。
□佐藤会頭による冒頭挨拶は以下の通り
○現在、政府では「地方創生」が推進され、全国各地で展開される地域活性化事業には、予算面での支援策も講じられつつあります。また、オリンピック・パラリンピックの開催を控えた首都圏は、日本の成長エンジンとして、さらなる集中投資が見込まれております。
一方、大阪・関西のように、首都圏ではないものの、他の地方都市に比べて人口、産業などで高い集積を有する大都市圏のあり方につきましては、残念ながら、議論が乏しい現状にございます。東西二極の一極として、わが国経済の成長を支えてきた大阪・関西においては、自ら成長力を高めていく取り組みが不可欠であり、そのためには、富をエリア外から稼ぐ新たな「域外市場産業」の発掘・振興が急務となっております。
○大阪商工会議所では、新たな「域外市場産業」を発掘・振興するため、平成23年度から、地域の成長ビジョンとして「千客万来都市OSAKAプラン」を推進しているところであります。このプランの概要につきましては、お手元の青いリーフレットをご覧いただければと存じますが、大正後期から昭和初期にかけて、「大大阪」と呼ばれていた当時の企業家や市民の気概を念頭に置きつつ、「人が人を呼び、投資が投資を集めることで、新たなビジネスが創出されるまち」を、企業、市民、行政、経済団体等の全員参加で実現することを目指しております。
○このプランでは、大阪・関西の強み、地域資源に着目して、先導的、先進的に官民で取り組むべき分野を「戦略プロジェクト」と位置づけ、「観光インバウンド促進」「メディカル・ポリス形成」など8つの分野に関して、様々な事業を展開しております。
大阪商工会議所は、地域の成長ビジョンを打ち立てるだけでなく、その実現のための具体的な事業に自ら取り組む、その実行力に重点を置く経済団体であります。「千客万来都市OSAKAプラン」の戦略プロジェクトにおいては、既に、具体的な事業成果が見え始めており、大阪・関西の成長力を高めていくうえで、一定の役割を果たしているものと存じております。
○今回のシンポジウム「関西経済圏の針路」では、「千客万来都市OSAKAプラン」におけるこれまでの取り組みを踏まえつつ、大阪・関西が、わが国経済で一層存在感を発揮していくための方策や、今後の発展の可能性について、全3回シリーズで探ってまいりたいと考えております。本日は、その第1回目でございますので、まず、シリーズ全体を通しての問題提起として、地域経済研究の第一人者である法政大学の小峰先生からご講演いただきます。その後は、「メディカル・ポリス形成」をテーマに、大阪商工会議所の手代木副会頭が基調講演した後、政府の規制改革会議委員としてもご活躍されている大阪大学の森下先生、医療機器開発に異業種から参入された山科精器株式会社の大日(おおくさ)社長を交えて、健康医療産業による都市の競争力強化に関してパネルディスカッションを行います。
○健康医療産業は、大阪・関西が強みを有する分野で、政府が推進する日本再興戦略においても中核産業に位置づけられております。本日のシンポジウムが、大阪・関西のさらなる産業競争力強化に向けた一助となりますことを祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただいます。ありがとうございました。