「自学校法人トラベルジャーナル学園入学式」(平成27年4月6日)
概要
日時:2015年4月6日(月) 午前10時~
場所:リーガロイヤルホテル
参加者:2015年度トラベルジャーナル学園入学生532名並びに保護者の皆様
佐藤会頭は、4月6日に大阪市内のホテルで開催された学校法人トラベルジャーナル学園の入学式に出席した。
当日、学校法人トラベルジャーナル学園の高田校長は「目指す仕事をしっかりイメージして勉強するためには、まずきちんとした礼儀正しい挨拶を大切な流儀と心得て、その上で各自の夢に近づいていって欲しい。」と挨拶を行った。引き続き、7名の来賓を代表して佐藤会頭から以下のお祝いのメッセージが新入生に届けられた。
「ご入学おめでとうございます。トラベルジャーナル学園の入学式には、若い皆さんの今後の活躍を期待してできるだけ出席するよう心掛けています。先程、高田校長が校歌の話をされました。この歌詞が良いですね。「飛び立とう広がる空へ」「船出しよう紺碧の七つの海へ」これが皆さんのこれから広がる活躍の舞台なのです。
いま日本はご承知の通り、空前の旅行ブームです。東京に仕事で行く際に、定宿にしているホテルに昨年までは欧米系の方が多かったのですが、先々週行った時はアジアやイスラム系の方の姿も多く見受けられました。逆に大阪は、以前はアジア系の方が多かったのですが、最近は欧米の方もたくさんお見えになるようになりました。そして、この空前の旅行ブームに加え、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。皆さんの活躍の舞台、皆さんが主役となる時代が来ているということです。この校歌をしっかりと覚えて頂き、勇気を奮って将来に備えていただきたいと思います。
私も観光事業に長年携わってきたということもあり、一番わかりやすい事例を申し上げて、皆さんにもぜひ努力していただきたいと思います。それは、東京で定宿にしているホテルの話です。私はこれまで色々なホテルに宿泊してきましたが、最近は一つのホテルに決めています。そこで、そのホテルの移り変わりはよくわかるようになりました。いつも寝酒にバーボンウィスキーとビーフジャーキーを口にするのですが、数年前にそのホテルに宿泊した際にビーフジャーキーを頼んだところ、黒服のベテランのスタッフの方が深々とお辞儀をし、「申し訳ございません。メニューにございません。」と謝罪をされました。その態度は誠に礼儀正しく、頭を下げられたのですが、私からすればなんとも慇懃無礼に見えたのです。ところが、もう一人試しに聞いてみようと若い研修中のスタッフに尋ねると、「買って参ります」。こう言ったのです。 私はこの一言に参りました。
つまり何が言いたいかと申しますと、皆さんはこれから専門学校で専門知識を身につけられると思います。マニュアルも教えられると思います。最低限のマニュアルを身につけることは大切だと思います。ですが、単にマニュアル通りにやれば良いというものではありません。専門知識を学んだ後に、機転を利かす力があるかどうかが大切なのです。先程紹介した某ホテルの研修中のスタッフの話は、皆さんに初心を忘れてほしくないので紹介しました。お客様目線で考え、お客様のニーズはどこにあるか、それに対してどう応えるのか。これは初心を忘れていない研修生だからこそできたのです。
専門家になると「申し訳ございません」と深々と礼儀正しく頭を下げて終わりです。これは、お客様のニーズには応えていませんね。もし、ビーフジャーキーがなくても「申し訳ございません」だけではなく、機転の利いた言葉が返ってくるとお客様は満足しますね。
それが、接客業の最も大切なところなのです。専門知識をどんどん身に付けることもさることながら、どうか初心を忘れない気持ちを大切にしてください。
そして、もう一点。あてにされる人間になってください。福沢諭吉も「学問のすすめ」で書いています。「人望があるかどうか」とは、「人にあてにされるかどうか」である、と。上司・部下・お客様・経営者から、あてにされる人間をめざしてほしい。そのためには、校長も仰っていたように挨拶をしっかりとする。コミュニケーションをしっかりと取る。そして、暗い顔をしない。暗い顔をしていると情報が入ってきません。ぜひ、皆さんも明るい顔で学校生活を送りましょう。
こういった基本的なことを身につけた上で、専門知識をしっかりと学んでください。そして、専門知識を学んでいく中で、決して初心の気持ちは忘れずに、完璧な人間をめざしてほしいと思います。今日からがんばってください。」
入学式での挨拶を終えた佐藤会頭は、「新入生の皆さんにとっては、目の前に2020年の東京オリンピックをはじめ、ラグビーワールドカップ、ワールド・マスターズ・ゲームズなど、これから活躍の場が広がる大きな舞台が目白押しだ。これまで日本では1964年の東京オリンピックや1970年の日本万国博覧会を機に大きく国際化の歩みを進めてきた。成熟国家となった現在であっても、2020年に向けて日本各地で国際化がさらに進むことは間違いない。ぜひ皆さん全員の力でその歩み支えていって欲しい。」と感想を述べた。