「松本重太郎翁顕彰プロジェクト~関西経済交流シンポジウム」(平成27年1月26日)
概要
日時:2015年1月26日(月) 15:30~18:00
場所:ホテルグランビア大阪20階
次第:以下の通り。
<基調講演>
「松本重太郎翁 - 果敢なる企業家活動の軌跡と遺したものー」
講師:大阪大学名誉教授 宮本又郎氏(大阪起業家ミュージアム館長)
<トークセッション>
「北近畿の新たな可能性と関西経済の発展~新時代の日本経済をリードする関西経済の発展」
コーディネーター:毎日新聞社編集局次長 小笠原 敦子氏
パネリスト:大阪商工会議所会頭(京阪電気鉄道㈱最高顧問) 佐藤 茂雄氏
南海電気鉄道㈱代表取締役会長兼CEO 山中 諄 氏
大阪国際フォーラム会長 萩尾 千里氏
大阪大学名誉教授 宮本又郎氏
京都府京丹後市長 中山 泰氏
トークセッションでの発言概要:以下の通り。
佐藤会頭は、大阪市内のホテルで開催された「松本重太郎翁顕彰プロジェクト~関西経済交流シンポジウム」にパネリストとして出席した。シンポジウムでは大阪企業家ミュージアムの館長を務める大阪大学名誉教授の宮本又郎氏が基調講演を行って松本重太郎翁の功績を紹介。その後パネリストによる討論がおこなわれた。
席上、佐藤会頭は、松本翁は大変な努力、勤勉の方で、翁を支えようという人が出てきたことが後の成功につながったと大和屋関係者による出資やその後の繋がりなどを披露。その上で松本翁の功績を振り返り、大正後期から昭和初期にかけての大大阪時代の到来には、同氏が手掛けた大阪の築港事業が大きかったと紹介。民の力で港湾の整備を進めてインフラ整備に力をつくし、大阪の紡績業や製造業が大いに発展する基盤が築かれたと大阪経済発展への貢献の一端を披露した。
また佐藤会頭は、北近畿の発展を考えるには、松本重太郎翁の生誕地である京丹後が中心となって地域戦略を策定し、(持論である)手作り観光に取り組んではどうかと提案を行った。日本海ルートは内外の人を引き付ける大きな魅力がある。これら個性的な地域を線で結べば、やがてそれが北近畿という面になっていく。と提案。丹後ちりめんなどの繊維産業も、これからは世界に発信できるようセンスのあるジャパンブランドとして作り上げていく試みが必要だと語った。
最後に佐藤会頭は、「京丹後の発展のためには域内の産官学や教育の連携が欠かせない。今日は松本翁の功績を振り返ったが、南海電鉄の創設者である同氏は、京阪電鉄の創設者で論語と算盤で有名な東の渋沢栄一翁に伍して並ぶべき実業家だ。松本重太郎翁は大阪にビジネスチャンスを求めてやってきた。そして、大阪の有力者に育てられた。人材輩出力のある地方とビジネチャンスがあるだけでなく人材育成力のある都会との連携で大大阪の基盤が築かれたことを改めて再認識した。成長戦略である地方創生を実行するに際して、最も参考となる。」と感想を述べた。
同イベントの主催者は京丹後市で、松本重太郎翁の没後100年、生誕170年の節目にあたることからプロジェクトを企画。南海電鉄など松本翁ゆかりの企業関係者や、行政機関、地元関係者など約300名が集まり、その功績を改めて振り返るとともに、北近畿の新たな可能性を考える機会となった。(なお当日のシンポジウムの詳報は2月下旬の毎日新聞に掲載の予定です。)