「Peach Aviation㈱代表取締役CEO 井上慎一氏 との懇談」(平成26年12月22日)
概要
日 時:2014年12月22日(月)11時30分~12時10分
場 所:大商3階貴賓室
訪問者:Peach Aviation㈱代表取締役CEO 井上慎一氏、
総合企画部 マネージャー 杉永淳一氏
応対者:佐藤茂雄会頭
懇談内容:以下の通り。
Peach Aviation㈱の井上代表取締役CEOが佐藤会頭を訪問し、最近の取り組みなどアップデート情報をご報告頂くとともに意見交換が行われた。
井上社長は、「今年は計画減便や重大インシデント発生など予期せぬ試練に遭遇したが、今後の成長に向けて基盤固めにつながる1年となった。この間、全てのパイロットの再訓練を実施するなど様々な対応策を講じてきた。幸いなことに計画減便の原因となった病欠のパイロットも復職することができ、来年2月には沖縄ー香港線を新規就航させるほか、路線を拡充すべく機材も17機(現在14機)に増やす計画だ。また当社のインターネット予約による直販比率は97%に達している。そこでこれまでご搭乗頂いた700万人分の顧客特性を分析し、次のステップに活用する準備を行っている。こうしたデータを地元と共有することで、観光客を受け入れたい街や施設に搭乗客を誘導する仕掛けづくりも可能になってくる。大阪・関西はコンテンツが豊かで奥が深く、まだまだご紹介したい街が数多くあり、今後携帯電話のアプリやGPSを活用して積極的に到着地の情報を紹介していきたい。経営面では昨年度、就航2年1カ月で初めて単年度黒字(経常利益17.1億円)を計上することができ、従業員も現在では700名に達している。2014年度も黒字化を達成すべく全力で取り組んでおり、発券チケット表面に広告媒体を掲載することができるような工夫も凝らしているほか、機内食も大阪・関西らしいメニューで充実させてきた。このほか機内誌も広告収入でコストを賄い、就航地にこだわった特集記事を自社で執筆している。」と最近の業況を報告した。
また佐藤会頭がなぜLCCの中で貴社が立ち上げ後間もないこの時期にビジネスモデルを確立できたのかと尋ねると、井上社長は、「ライアン航空(注:1985年設立の欧州最大の格安航空会社)のビジネスモデルを参考にしながら厳格に運用してきた点が他社LLCとの大きな違いだ。管理コストのかかるコードシェア便などは行わず、販売方法も旅行代理店を頼ることを考えていない。こうした自立した経営姿勢が余分なものを一切省くことを可能にしている。」と説明した。これに対して佐藤会頭は、「日々、社員同士でアイディアを出しあい、一歩先に進んだ航空機ビジネスを独自に構築している点を高く評価したい。大阪・関西の地域特性を最大限に活かしながら新たな市場と需要を創出しているところが素晴らしい。来年はさらに大きな飛躍を遂げることが期待できる。ぜひ活躍の幅をアジア全般に広げ、大阪・関西の発展に寄与して欲しい。」と述べた。