経済産業省 立岡経済産業事務次官と関西経済界との懇談会(平成26年1月21日)

 佐藤会頭は、1月21日に大阪市内のホテルで開かれた立岡経済産業事務次官と関西経済界との懇談会に出席し、意見開陳を行った。

経済産業省 立岡経済産業事務次官と関西経済界との懇談会

□日時:2014年1月21日(火) 14:30~15:15
□場 所:場所:リーガロイヤルホテル大阪 28階クラウンルーム
□出席者(敬称略):以下の通り
【関西経済界】
 森  詳介  公益社団法人関西経済連合会 会長(関西電力株式会社 会長)
 佐藤 茂雄  大阪商工会議所 会頭 (京阪電気鉄道株式会社 最高顧問)
 服部 重彦  京都商工会議所 副会頭(株式会社島津製作所 取締役会長)
 大橋 忠晴  神戸商工会議所 会頭(川崎重工業株式会社 相談役)
 葛村 和正  堺商工会議所  副会頭(株式会社ダイネツ 代表取締役)
 上島 健二  一般社団法人関西経済同友会 経済政策委員会 委員長代行(株式会社iTEST取締役社長)

【経済産業省】
 立岡 恒良  経済産業事務次官
 小林 利典  近畿経済産業局長
 宮本 昭彦  近畿経済産業局 総務企画部長

<佐藤会頭発言骨子>
○経済産業省・近畿経済産業局には、日頃、私どもの事業活動に関し、格別のご指導・ご支援を頂戴している。改めて厚く御礼申し上げる。

<大阪の景気動向>
○大阪の景気動向であるが、私どもの企業マインドに関するアンケートでも、足元の景況感は2001年の調査開始以来最高となった。
○中小企業の資金需要の中身を見ても、前向きの設備投資意欲が高まるなどのマインドが鮮明。
○また、百貨店・専門店の初売り、ホテル・旅行・外食などの年始の動向、USJや大阪城での大規模イベントも概ね堅調で、ハリーポッターや大阪の陣など今年もイベントが目白押しだ。
○この勢いを拡大させ、消費税率アップという今年前半の難所を乗り越えていきたい。その際、経産省におかれては、消費税の円滑な転嫁について、とりわけ中小企業に十分な目配りをお願いしたい。

<今年度補正・来年度予算/税制改正の御礼>
○今年度補正や来年度予算、税制改正では、我々が繰り返しお願いしてきた「新ものづくり補助金」や「資金繰り支援策」が盛り込まれたほか、「設備投資・研究開発減税」が拡充されるなど、成長路線に大きく舵を切られたことを歓迎している。
○この間の経産省のご尽力に改めて感謝申し上げるとともに、折角の制度を中小企業が十分活用できるよう、施策の周知徹底をお願いする。
○他方、「法人実効税率の引き下げ」「消費税の軽減税率回避」といった大玉が課題として残された。実現に向け、政府・与党内の調整に力を注いでほしい。

<政策要望>
○次に、政策要望であるが、今年は、折角上向きつつあるマインドを、民主導の力強い成長につなげられるかどうかの正念場。その観点から、私からは3点お願いを申し上げたい。

~ライフサイエンス産業の振興
○1点目は、ライフサイエンス産業の振興である。
○関西では、総合特区の指定を受け、ライフサイエンス分野で多くのプロジェクトが進行中である。大阪商工会議所としても経産省のご支援を得つつ、医療機器分野で窓口的役割を担うとともに、自ら実施主体として、先進的な機器の開発や、海外市場展開も含む事業化支援を推進している。引き続き経産省の強力なご支援をお願いする。
○国家戦略特区にも指定されれば、医療機器・創薬・健康食品の分野で事業に取り組み、国や地域の成長力強化に貢献したいと考えている。是非 特区指定をいただきたい。

~中小企業の海外進出支援
○2点目は、中小企業の海外進出支援である。
○アジアの活力を取り込んでいく一環として、大阪商工会議所としても、ベトナムへの中小企業の共同進出を強力にサポートしてきた。
○具体的には、中小企業の初期投資を極力少なくするため、ロンドウック工業団地をモデルケースとして、レンタル工場を細分化する「インキュベーション・ファクトリー」方式を提案。経産本省・近畿経済産業局のご支援を得るとともに、現地の環境整備に関し、サン国家主席ご自身への継続的な働きかけなどを経て、昨年10月にオープンに漕ぎつけたところである。こうしたベトナムでの成功事例はミャンマーなどでも通用するのではないか。
○今後とも、元気な中小企業を後押しする事業を一層強化していくので、引き続きご支援をいただきたい。

~3Dプリンターの活用支援
○最後は、3Dプリンターの活用支援である。
○3Dプリンターに関しては、経産省主導で開発プロジェクトが進むほか、「新ものづくり研究会」を組織され幅広い検討が進められていることを歓迎する。
○近畿圏の39の商工会議所でも、今年度「3Dプリンター活用研究会」を設置し、企業の実態把握、活用事例セミナー、国への施策要望などを展開してきたところである。
○我々が実施したアンケートでは、中小企業の約3割は、3Dプリンターの活用に前向き。ただ、自社で購入するには負担感が強い点や、3Dデータを作成する人材教育の必要性など解決すべき課題も多く、ユーザーの立場からの政策強化をお願いしたい。
○その一環として、アクティブな中小企業が多数立地する関西をモデルエリアとして、3Dプリンターの共用施設、3Dデータの作成支援などを備えた「ラボ」の整備をご検討いただきたい。

○私からは以上である。よろしくお願い申し上げる。

CIMG6640.JPG「左側が経済界(席上、左から3人目が佐藤会頭)」
CIMG6641.JPG「懇談会冒頭挨拶をする立岡恒良経済産業事務次官」