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大商ニュース   2020/12/10号



「菅内閣に望む」建議
中堅・中小の事業継続と雇用維持を全力で支援を

 大阪商工会議所はこのほど、「菅内閣に望む」を取りまとめ、菅義偉首相はじめ政府関係機関、与党幹部らに建議した。意見書では、最大の課題である中堅・中小企業の事業継続と雇用の維持を全力で支えること、コロナ禍収束を見据えたわが国の成長戦略の全体像を示し、その成長の一翼を担う中堅・中小企業の飛躍と2025年大阪・関西万博を控える大阪・関西の成長力強化につなげることを訴えた。
 具体的には、中堅・中小企業の事業継続と雇用の維持のため、今年度第三次補正予算案の編成はじめ来年度予算案、税制改正案を大型かつ思い切った規模で取りまとめ、資金繰り支援策、雇用調整助成金の緊急対応期間の延長など雇用維持策、当面の需要喚起策の継続と新たな需要獲得に向けた販路開拓や設備投資、研究開発などへの支援の継続・強化を求めた。
 今後のわが国経済の再起動に向けた成長戦略の取りまとめにあたっては、ベースとなるサイバーセキュリティー面も含めたわが国全体のデジタル化の促進、2050年カーボンニュートラルの達成に向けた環境技術のイノベーション支援の強化などを要望。大阪でのスーパーシティ実現と万博に向けて実施する各種実証実験プロジェクトへの財政支援と大胆な規制緩和、スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市とその支援するスタートアップに対する重点支援、国際金融都市・大阪の実現など、大阪・関西の成長力強化に集中的に取り組むことも求めた。
 一方、わが国の成長基盤である中堅・中小企業の変革力を高めるため、デジタル化を通じた生産性向上や経営力強化に向けた事業承継促進など、足もとの課題への対応強化も訴えた。
 詳細はホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/index2-08.html)に掲載している。

【問合せ】企画広報室TEL6944・6304


持続的な産業振興へ グレーターミナミ・シティ
「外国人起業家の拠点」位置づけ

 大阪商工会議所都市活性化委員会(委員長=錢高一善・錢高組会長)は11月25日、アフターコロナを見据え「グレーターミナミ・シティ」と称する難波、新今宮、阿倍野・天王寺、上本町エリアを「外国人起業家の拠点」と位置付け、起業支援や規制緩和などを通じて、観光や留学などの交流人口を起業や就労へとつなげ、持続的な産業振興や地域活性化を図ることが必要であるとする提言を取りまとめた。
 同エリアは今年9月、浪速区が「新今宮駅北側まちづくりビジョン」を策定したほか、7月にはスタートアップエコシステム グローバル拠点都市として指定された大阪コンソーシアムが、外国人コミュニティーのあるグレーターミナミ・シティを「外国人起業家の拠点」とする構想を検討するなど、新たなまちづくりの動きがみられる。
 今後は、外国人就労支援施設「YOLO BASE」と連携した外国人の起業支援や、関係者による「グレーターミナミ・シティ イノベーター育成協議会」(仮称)の設立を通じた具体的な取り組みなどを働きかける。

【問合せ】地域振興担当TEL6944・6323


関空第1ターミナル改修支援を 3空港懇 国への要望決議

 関西国際空港、大阪国際空港(伊丹)、神戸空港の関西3空港のあり方を関係自治体や経済界で議論する関西3空港懇談会(座長=松本正義・関西経済連合会会長)が11月28日、大阪市内で開かれた。大阪商工会議所の尾崎裕会頭をはじめ、国や地元自治体、経済団体のトップ、3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長が出席。関西3空港の機能維持や水際対策の強化、2025年大阪・関西万博において重要なゲートウエイ機能を担う関西空港の第1ターミナル(T1)リノベーションへの支援を求める要望書を決議した。
 今回の懇談会では新型コロナウイルスの感染拡大により、関西3空港、特に国際線を主力とする関西空港が危機的な状況となっていることを受け、関係者が緊密に連携し、復活に向けた取り組みを進めていくことで一致した。
 尾崎会頭は懇談会の席上、「大阪・関西の都市力を高めるには、関空の機能維持は欠かせない。大商が現在取り組んでいる大阪府南部エリア活性化のための『グレーターミナミ構想』にとっても、関空は重要なインフラ。2025年大阪・関西万博に向け、T1改修計画が予定通り実施されるよう、国に必要な支援策をお願いしたい」と述べた。

【問合せ】地域振興担当TEL6944・6323


東京から製造業 大阪の町工場との商談盛況

 大阪商工会議所は11月26〜27日、東京都、東京商工会議所、大阪府などと連携し「大阪・東京 ものづくり加工交流会・商談会」を大阪市内で開いた。従来、大商は町工場同士の横請けを促すネットワークを構築してきたが、今回新たに大手・中小製造業16社を東京圏から招き、大阪府内の町工場との交流、個別商談を通して、コロナ禍で受注が減少する町工場の域外からの「新たな受注拡大」と2大都市圏の「協力関係構築」を支援した。
 26日の交流会では、約50社の大阪府内の機械・金属加工事業所が参加し、自社の保有設備や得意な加工分野、特色ある加工技術など情報交換を行った。
 27日の商談会では、東京圏の製造業の発注案件(計52件)に対応可能な大阪府内の町工場約100社が参加し、延べ159件の個別商談が行われ、そのうち、100件が商談継続となった。
 大阪の企業からは「数社の協力企業候補が見つかった」「コロナの影響で久しぶりの参加となったが、刺激を受けた」、東京の企業からは「大阪の企業はフットワークが軽い印象で想像していた以上に成果があった」「今後も協力工場として良い関係を築きたい」「大阪企業の熱意を感じた」との声が寄せられた。

【問合せ】西支部TEL6539・1666、経営相談室TEL6944・6471


サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム
廣瀬副会頭が基調講演 設立総会で

 大阪商工会議所の廣瀬恭子副会頭は11月19日、サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(会長=遠藤信博・日本経済団体連合会サイバーセキュリティ委員長、以下SC3)設立総会で、「中小企業のサイバーセキュリティー対策」をテーマに基調講演した。SC3は、大企業と中小企業がともにサイバーセキュリティー対策を推進するために新たに設立されたもの。
 当日はベルサール東京日本橋からライブ配信され、梶山弘志・経済産業相や日本商工会議所の金子眞吾特別顧問らのビデオメッセージが紹介され、業界団体や民間企業などから300人がオンラインで視聴した。
 廣瀬副会頭は「デジタル化に伴い、セキュリティー対策はますます重要になる。セキュリティー対策を一方的に中小企業側に求めるだけではなく、サプライチェーン全体で対策を一緒に考えていただきたい」と訴えた。

【問合せ】経営情報センターTEL6944・6353


マクロミクロ――リハビリ・ドライブ

 月2回程度、休日に母を乗せドライブに出かける。特段の目的地は定めず、行き当たりばったりが多い。早朝出発し、郊外の「道の駅」をハシゴ。新鮮な野菜や特産品を買うのが楽しみの一つ。飛騨高山、伊勢志摩、紀州白浜、徳島、岡山、鳥取等々200キロ圏内であれば充分に日帰りが可能◆母はいつも助手席で地図を片手にナビゲーター、私は指示どおり運転するのみ。スマホやカーナビは敢えて使わない。走る車中で地図を読み取り、実際の道路を判別するのはなかなか難しい◆母は八十半ばの高齢者。「地図を見るのは苦手」と言う女性が多いなか、しかも高齢にも関わらず点眼鏡を駆使しながら地図と格闘している。「そこ右、いや左」「間違えた、ごめん」「あかん、反対やった」ってなことはしょっちゅう。私は全く気にしない◆これは前向きなボケ防止のリハビリだと思っている。絶えず地図を見ながら走っていると道をよく覚えるらしい。「あそこに行くならこの道が速い」「その道は狭くて離合が難しい」と道の記憶は私よりはるかに確か。高齢者の介護が社会問題化するなか私はこのリハビリ・ドライブが気に入っている。(Y・Y)


塩野義製薬の手代木功社長の講演を オンライン配信

 大阪商工会議所は12月21日に開く「令和2年度会員大会」における塩野義製薬の手代木功社長の講演を録画し、来年1月18〜22日、ユーチューブでオンライン配信する。講演のテーマは「総合的な感染症メーカーを目指して〜リーダーとしての変革と守るべきもの〜」。
 視聴後、アンケートに回答頂いた事業所の中から抽選で万博ロゴマークのバッジが100人に当たる。大商会員限定。無料。申し込みはホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202010/D35201021011.html)から。来年1月12日に締め切り。

【問合せ】会員部TEL6944・6277


お知らせ

◆令和3年大阪新年互礼会の開催中止と年頭あいさつのインターネット配信
 令和3年大阪新年互礼会については、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年のように多数の関係者が会場に集まっての開催は行わず、大阪府・大阪市・在阪経済3団体の代表者のみによる年頭あいさつを、インターネットで配信する方法で実施します。来年1月4日午後1時30分〜1時50分(予定)。配信方法は今後、大商ホームページで発表します。
【問合せ】総務担当TEL6944・6211

◆年末年始の休館
 大阪商工会議所(支部を含む)は、12月29日〜1月3日、休館します。大阪企業家ミュージアムは、12月25日〜1月4日、休館します。

◆休刊のお知らせ
 本紙12月25日号は休刊します。


優良商工従業員200人を表彰
真摯な努力と社業への貢献たたえる

 大阪商工会議所の優良商工従業員表彰式典が11月20日、大商・国際会議ホールで盛大に執り行われた。
 同事業は、会員企業・団体で業績向上に貢献した従業員の労に報いるとともに、一層の士気向上と組織活性化を図る目的で1970年に開始されたもの。表彰は、満25年以上勤務し、業績向上に貢献された従業員を表彰する「永年勤続優良従業員表彰」、満10年以上勤続する従業員を表彰する「中堅優良従業員表彰」、満3年以上勤務し、前年度に社内で最も高い評価を受けた従業員を表彰する「年度最優秀従業員表彰」の3種類。制度創設以来の被表彰者総数は2万686人に上る。
 表彰式では、大商の尾崎裕会頭が式辞を述べ、長年わたる真摯な努力と社業発展への大いなる貢献に敬意を表した。さらに「企業・職場における模範として、引き続き業務に精励され、ますますのご活躍を期待する」と激励した。
 続いて、大商の長谷川惠一人材育成委員会委員長(エール学園理事長)から審査経過に関する報告があり、永年勤続126人、中堅優良40人、年度最優秀34人の計200人が栄えある表彰を受けた。
 最後に、被表彰者を代表して、ベンダーサービスセンターの宮本慶二氏が、「持てる力を十二分に発揮し、より一層、社業の発展はもとより、社会の貢献に尽くしたい」と謝辞を述べ、式典を締めくくった。

【問合せ】研修・採用支援担当TEL6944・6421


クラウド実践大賞大阪大会 大商会頭賞にマツ六

 大阪商工会議所は11月25日、クラウド実践大賞実行委員会、近畿総合通信局と共催し、全国中小企業クラウド実践大賞大阪大会をマイドームおおさかで開催した。
 同大賞は、中小企業のクラウド活用加速を目的に、クラウドサービスの利活用状況と生産性の向上・経営の効率化などの効果を見える化したさまざまな実践事例をコンテスト形式で共有するもので、大阪はじめ5つの地方大会の上位2社が全国大会に進出する。
 当日は、8社がクラウドサービスの活用事例をプレゼンテーションし、審査の結果、大阪商工会議所会頭賞にマツ六(大阪市天王寺区)、近畿総合通信局長賞にタニハタ(富山市)が選ばれた。全国大会は、来年1月28日、東京商工会議所で開催される。

【問合せ】経営情報センターTEL6944・6353


安価・簡便、安全・安心 サイバーセキュリティお助け隊

 大阪商工会議所は、人材やお金を十分にかけられない中小企業のニーズを踏まえて「安価・簡便」「安全・安心」なサイバーセキュリティお助け隊サービスの利用企業を募集している。
 同サービスはセキュリティー機器でサイバー攻撃から「お守り」するとともに遠隔で「見守り」し、不審な通信があった場合「お知らせ」するとともに電話やメールで「相談」を受け付けるというもの。一定の深刻な案件に対しては専門業者が「駆け付け」し初動対処する。この初動対処経費は同サービスに付帯する簡易的な「保険」により補償される。利用料金は月額で会員6600円、一般8250円。詳しくはホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/cybersecurity/utm/)に掲載。
 同サービスは、経済産業省の実証事業から民間ビジネス化したもので、本格的な中小企業向けのセキュリティーサービスとして注目され、日本経済新聞社と日経BPが主催する「サイバー・イニシアチブ東京2020」に招待を受け、11月26日、大商事務局がパネリストとして登壇した。

【問合せ】経営情報センターTEL6944・6353


会頭コメント

■BIE(博覧会国際事務局)総会での大阪・関西万博の正式承認について
 BIE総会において、大阪・関西万博の開催が正式に承認され、開催に向けて一歩前進した。と同時に、より重い責任を担っていると身の引き締まる思いである。
 コロナ禍により、誘致時と環境が大きく変わる中、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマはより重要な価値を持つようになっており、世界中の人々に勇気と感動をもたらす万博となるよう取り組んでいかねばならない。
 海外との交流に制約があり、会場建設や出展要請も従来とは異なる活動になることが予想される。準備期間が短い中、創意工夫をはかり効率的に進めていかなければならない。2025年に国内外から多くの人に笑顔で集まっていただけるよう努めたい。(1日)


常議員会開く

 大阪商工会議所は11月20日、第1回常議員会を開き、@会員加入A「グレーターミナミ・シティにおける持続的なビジネス等の活性化に向けた提言」B「菅内閣に望む」C顧問の委嘱の承認D参与の委嘱の承認E名誉議員の推薦F退任役員・議員への感謝状贈呈G大阪企業家ミュージアム 館長の任命――について、審議し、了承した。
 また、@副会頭の管掌事項A「令和三年度税制改正に関する要望」の建議活動B「グローバル・イノベーション・フォーラム in Osaka 2020」(オンライン)開催――について報告した。

 なお、常議員会後の会員数は、法人2万1757、団体959、個人7710の合計3万426となった。


特集 数字に強い人材育成へ ビジネス会計検定

 大阪商工会議所は、財務諸表に示された会計情報を理解・分析し、企業の経営実態を正しく把握するための「ビジネス会計検定試験」を実施している。ビジネスの現場では、経理など会計を専門とする部門以外でも財務諸表を読み解く力が求められ、同検定試験の学習を通したスキルアップを奨励する企業も増えている。

■正しい情報を選別し迅速な判断が可能に
 TACビジネス会計検定講座・税理士講座担当 谷 知毅氏

たに ともき 大学在学中から税理士試験の学習を始め、2008年からTAC税理士講座に勤務。以後、税理士事務所勤務を経て2015年に谷知毅税理士事務所を設立。2012年にビジネス会計検定1級を取得し、2018年からTACビジネス会計検定講座を担当する。

 ビジネス会計検定をはじめとする会計に関する資格の重要性や将来性や社会人の資格取得のコツについて、TACビジネス会計検定講座を担当する谷知毅講師に聞いた。
 
 ――会計知識や法律知識を備えたビジネスパーソンにはどのような強みがあるのでしょうか。
 「一言で申し上げると『時短』です。例えばビジネス上の問題に直面した時、以前なら分厚い専門書で調べたり、専門家に尋ねたりするなど解決するのに相当な時間を要しました。しかし今はまずネット検索する時代です。会計や法律の知識があれば、ネット検索だけで問題が解決する場面も多々あります」
 「ただし、ここで大切なことは『情報の選別』です。つまり自ら培った知識と得られる情報を照合し、正しい情報を選別して問題解決の判断をすることがより求められると考えます」
 ――TACにおけるビジネス会計検定講座にはどのようなニーズがありますか。
 「ビジネス会計検定講座の受講者の約80%は会社員です。この他、自営業や主婦の方もいます。受講目的はスキルアップと回答される方が多いのですが、簿記検定の延長線上に位置づけている方が非常に多い印象です。簿記検定を専門学校や独学で学んだ後に、さらに会計に関するスキルアップを考えた時にビジネス会計検定が最適と判断されているようです」
 ――会計や法律に関する資格を取得した人が活躍できる場は今後も広がっていきますか。
 「どのような分野でもAI(人工知能)を活用するようになりました。会計や法律の分野も例外ではなく、私たち税理士はAIに仕事を取られて無くなるとまで言われています。ただ実際に税理士をしているとAIに仕事を取られている感覚はなく、むしろ非常に助かっています」
 「面倒な作業はAIにどんどん任せて判断の指針を提供してもらい、最終的な決裁は資格のある人間が責任を持つ、このような流れが今後は標準化するでしょう。受講生にもよく話をするのですが、AIにできないことは『責任を持つこと』です。我々人間が仕事に関する責任を担うためにも専門的な資格は今後も必要であると考えます」
 ――スキルアップや昇進のために資格取得に取り組む社会人に向けてコツを教えて下さい。
「一般的にはテキストを読むインプット中心の学習になるでしょうが、資格取得のためにはアウトプット、つまり問題集や過去問などの演習量が不可欠です。インプット対アウトプットの比率が『3:7』、アウトプットの比率はそれ以上でも良いかもしれません。そして学習する教材を事前に決めることも大切です。例えば何冊もの問題集を手当たり次第に解くことが必ずしも効果を発揮するわけではありません。1冊の問題集を何度も繰り返し、答えを覚えてしまうぐらい解き直すべきです。その上で理解が不十分な分野はテキストに戻って再度インプットを行い、そして最後は過去問で実力を試していただきたいと思います」
 「もし短期間で成果を上げたいのであれば、最初から過去問に挑戦し、今の実力との乖離を徐々に埋めていく方法も良いかもしれません。ただしこれは資格取得を目的とした合格点を取るためのテクニカルな勉強法であり、資格取得後の実務に生かす学習はインプットを疎かにしてはいけないことは付け加えさせて下さい」

■会計はビジネスに必須 受験者は13年で3倍

 近年、様々なビジネスシーンで財務諸表を理解する能力が求められている。一見、専門用語と数字の羅列に見える財務諸表も数値の表す意味やポイントを理解すれば、様々な企業情報を読み取ることができる。

財務諸表を読み取る力
 取引先の財務諸表から経営状況を分析できれば、突然の倒産や掛け売り・債権の未回収に伴うリスクを予測し、早期に対応することができる。自社の財務諸表を読み理解できれば、経営課題や将来性などを知ることができる。

職種を問わず人気
 財務諸表を読み取る力は経理担当者だけでなく、一般のビジネスパーソンの常識として要求されるようになってきた。ビジネス会計検定試験は、財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、「財務諸表を作成する力」を測る簿記検定とは相互補完の関係にある。
 昨年度の同検定試験の申込者数は、1万7455人と、この13年で約3倍に急増している。最近は、新入社員研修の一環としたり、人事考課の評価項目(昇格要件)の一つとして、導入する企業が増加している。会計の知識は、英語や法律知識とともに社会人必須の知識となってきた。同検定試験を通じて、数字に強い人材の育成を。

次回試験は来年3月14日
 来年3月14日に実施される第28回ビジネス会計検定試験の申し込みは、来年1月25日から2月5日まで。



■こんなところにビジネス会計の知識!
 ビジネス会計検定にまつわる会計知識は仕事や日常生活など様々なシーンで登場する。今回はある家族4人の会話形式でご紹介!

母 合格証書が届いているよ。おめでとう。
娘 やった!ビジネス会計検定試験の3級に合格したわ!!
父 今年から経理部門へ異動になったんだったな。早速、業務に生かせるんじゃないか。
娘 もちろん!私の業務は財務諸表の作成と分析をすることが多くて、特に分析に役立つ会計知識や評価指標を身に付けて活用したいと思って資格勉強を始めたの。これからは、経営に関する資料を作成するだけじゃなくて、身に付けた評価指標で分析して、会議で分かりやすく説明できるようになれると思うわ。
父 父さんは営業部長になってからは営業成績だけでなく、会社の財務諸表も見るようになったが、経営状態を測る評価指標は種類が多くて、難しい表現もあるから苦手意識があるなぁ。それぞれの指標が持つ意味や示すものを説明してもらえると、経理以外の社員も会社の経営状態を正しく理解できて助かる!
息子 ビジネス会計検定と簿記検定とはどう違うの?
娘 簿記は「日々の取引を記録して仕訳を通して財務諸表を作成するプロセス」で、検定試験では財務諸表を作成することが多いけど、ビジネス会計検定では「財務諸表を分析して企業の実態を読み取る」ことを目的として会計知識を正しく使えるかどうかが問われるの。
息子 会計の資格は就職活動でアピールポイントになるよね。入社してからも、経営トップや幹部の業績に関する発言や、自分の業務が会社の業績にどうつながっているのかを理解できた方が活躍できるはず!
母 志望する企業の財務諸表を見て将来性や安全性まで分かれば安心ね。
娘 社会人になって社会や経済の情報収集が必要になったけど、ビジネス会計検定の勉強で見た用語がその日の新聞やニュースに出てくることが多くて、学んだことがすぐに役立つことが実感できたわ。
父 株の投資先や投資額を決めるときにも、財務諸表の分析で将来性や安全性が分かれば役立てられるかもしれんな。
母 ビジネス会計検定の会計知識で株式投資の収入が出たら、月々のお小遣いは減らしても大丈夫よね?
父 それを言うなら「利益が出たら」だろう? 収入から支出を引いて利益になる。つまり、実際に手元に残るのは利益なんだ。
母 もう!お父さんは口がうまいんだから!




定年再雇用時からの賃金設計と評価制度構築

 大阪商工会議所は来年1月28日、「今から準備する定年再雇用時からの賃金設計と評価制度構築」セミナーを開く。
 大阪府社会保険労務士会の杉原彰社会保険労務士が、これからの高年齢労働者を取り巻く環境と法律が及ぼす企業への影響や60歳定年前後から65歳超を見据えた評価賃金制度、将来のあるべき高年齢者活用について講演するほか、ダイキン工業人事本部人事・労政・労務グループ採用・育成担当の矢幡透課長が自社の取り組みを紹介する。
 午後2〜4時、大商で。ユーチューブライブでの同時配信も行う。いずれも無料。定員は集合型60人、ウェブ開催は100人。事前申込制。
 詳細はホームぺージ(https://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202010/D13210128013.html)に掲載。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6451


都リゾート 志摩 ベイサイドテラス
ゴールデンウイーク予約受け付け開始 来年1月1日から

 大阪商工会議所は福利厚生支援メニューとして、会員限定で「宿泊優待サービス」を実施している。このほど、提携施設「都リゾート 志摩 ベイサイドテラス」のゴールデンウイーク期間(来年4月27日〜5月5日)の予約をホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/Jigyou/Fukurikousei/hotel/kashikojima.html)で受け付ける。
 申し込みは1会員1回とし、抽選結果を電話連絡する。第1次抽選申し込みは来年1月1〜20日、第2次抽選申し込みは同1月21日〜2月20日。
 同3月1日以降は同ホームページまたは電話で受け付ける。上記期間以外の予約は随時受け付けている。

【問合せ】会員組織担当TEL6944・6570


企業家に聞く サラヤ社長が講演 オンライン開催

 大阪企業家ミュージアムは来年1月21日、企業家活動を研究する学会「企業家研究フォーラム」(会長=山田幸三・上智大学教授)と連携し、企業家の講話と研究者によるインタビューからなる講演会「企業家に聞く」(第2回)をオンラインで開く。
 今回は、家庭用および業務用洗浄剤・消毒剤をはじめとする衛生用品を製造するサラヤの更家悠介社長が、同社の経営理念や新型コロナウイルス対策の現状、ウガンダへの進出とSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みなどについて講演する。インタビュアーは神戸大学大学院経営学研究科の宮尾学准教授が務める。午後2時〜3時45分。無料。定員40人。事前申し込み先着順。

【問合せ】大阪企業家ミュージアムTEL4964・7601


周年記念講演会 高島屋の190年の歩み

 大阪企業家ミュージアムは来年1月27日、周年企業講演会として、高島屋創業190周年「初代の創業の精神と四代の決断」を開く。
 創業者・初代飯田新七が京都で古着木綿商を始めて190年。四代飯田新七が大阪・心斎橋店を出店して120余年。同社では、正直商売の心得を説いた創業の精神「店是(てんぜ)」が今も受け継がれている。
 開館50周年を迎え、リニューアルオープンした高島屋史料館の橋本由雄副館長が、「『変わらない』のに、あたらしい」高島屋の190年の歩みと今後の展開や創業200周年に向けた史料館の役割について映像を交えて講演する。午後3時30分〜4時45分、大阪企業家ミュージアムで。参加費は入館料(会員200円、一般300円)のみ。定員40人。事前申込制。

【問合せ】大阪企業家ミュージアムTEL4964・7601


創立・創業記念無料ウィーク 会員企業限定

 大阪企業家ミュージアムは、大阪商工会議所の会員企業を対象に、各社の創立・創業記念日の週に社員をはじめ家族、OBまで、ミュージアム入館料が無料となる「創立・創業記念無料ウィーク」を実施している。事前申込制。
 会員企業からは社員の志気向上につながると好評。コロナ禍で創意工夫が求められる今、変化に対応し新しい時代を築いてきた105人の企業家の挑戦や革新を紹介する同施設の活用を。
 なお、来年2月18日までは特別展示「『やればできる、失敗を恐れるな』の信念で社会の発展に貢献〜クボタ創業者・久保田権四郎」を開催中。詳細は、ホームページ(https://www.kigyoka.jp/)に掲載。

【問合せ】大阪企業家ミュージアムTEL4964・7601


生産性向上を促進する 賃金・評価制度の作り方講座

 大阪商工会議所は生産性向上プロジェクトの一環として、来年2月3日、「生産性向上を促進する賃金・評価制度の作り方講座」を開く。
 生産性向上を図るための手法は多種多様だが、今回は「ヒト」に焦点を当てる希少な内容で、人事評価制度を活用して「生産性が高い組織づくり」を実現する。自社の生産性向上に必要な「能力」「態度」に関する定義や生産性向上への「貢献度」の評価など、豊富なアイデアについて解説と事例紹介を行う。
 今回は特別に、実際に使用して成果を上げている評価シートなどの帳票類を参加者特典として進呈。
 午後2〜4時、ホテル京阪 京橋グランデ(大阪市都島区)で。無料。定員50人。事前申込制。詳細はホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202011/D52210203016.html)に掲載。

【問合せ】東支部TEL6358・6111


容器包装リサイクル法
再商品化委託の申し込み受け付け開始

 大阪商工会議所は、日本容器包装リサイクル協会の委託を受け、12月14日から容器包装のリサイクルに関する相談と令和3年度再商品化委託申し込みの受け付けを行う。
 容器包装リサイクル法により、家庭から排出される容器包装廃棄物について、@「容器」「包装」を利用して中身を販売する事業者A「容器」を製造する事業者B「容器」および「容器」「包装」がついた商品を輸入し販売する事業者は、「特定事業者」として再商品化が義務付けられている(一定規模以下の事業者を除く)。再商品化の委託申し込み受け付けは来年2月10日まで。なお、毎年12月に開いている説明会は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、今年は中止する。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6472


2020.12.21
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