佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2013年(平成25年)9月12日(木)

第55回中小企業団体大阪大会

 大阪は企業家ミュージアムがありますが、皆様方行っていない方がいらっしゃいましたら是非行って頂いて、大阪を切り開いた先人たち、松下幸之助さん、鳥井信治郎さん、山岡孫吉さん、そういった有名な方々の語録がたくさんあります。これを是非あの中に入って佇んで1人静かに考えて頂ければこれほど勇気の湧くことはないです。今修学旅行生も大変多い状況で、私は海外からのお客様が来られてもここを必ず説明するようにいたしております。大変今評価の高い、大阪の企業家の魂が入った場所であります。私に言わせればここはパワースポットでありますから、是非皆さん方行ってみてください。これは私が商工会議所のご縁が出来てから知ったわけですが、私が社長の時にはまだ商工会議所とはご縁がございませんでした。その時こういうところに行って勇気のある言葉、これをつかむかどうかで相当違いますね。言霊、言葉には魂が宿っています。社長時代に勇気の出る言葉に出会いました。

2013.9.12中小企業団体中央会 _ページ_18.jpg「大阪企業家ミュージアム」

(映像)「霧襖進めば少しずつ開く。」西宮舞さんという女性の一流の俳人の句に出会ったわけであります。この色紙はご本人が書かれたものを頂いたのですが、以前NHK俳句に引っ張り出された際、どの句が好きですかと聞かれたものですから、この句ですよと言ったら、西宮舞さんが持ってきてくれたのです。どういう句かというと、生駒の山中を越える時、バスに乗っていて、霧が立ち込めていて行けないと思うけどバスが少し進むとちょっと視界が開けるとそういう情景を詠んでいるわけなのですが、私の場合は自分勝手に解釈して、霧の立ち込めた襖、霧襖というのは季語ですが、霧が立ち込めているけれども進んだら前が開けていくのだ、とこう思ったのです。霧で立ち止まって何もしないのは駄目。とにかくアクションを起こして動くことだと、今でも大切にいたしております。

 次行きましょう、川路利良氏です。初代の警視総監ですが、「声なきに聞き、形無きを見る。」実は犯人をつかまえる時の秘訣なのですが、これについても私は独自の理解をしています。わあわあ文句をつける人は楽なのです。一番厄介なのは何も言わない人です。本当に不満を持っているのか、あるいは喜んでいるのか、しかしそういう声のない人を大切にするということで真相がわかる。形無きを見るもそうですね。形にとらわれては駄目だと、形の無いものを見るようにならなきゃならない。これが初代、川路利良氏の言葉だと思います。

CIMG1741.JPG「俳人・西宮舞さんの句を紹介する佐藤会頭

 犯人を見つける時の要領なのですが、これも自分勝手に解釈すれば良いことですね。この2つ、これは私が今でも大切にしている言葉であります。皆様方もこういった言葉、企業家ミュージアムに行ったら必ずありますからそこを拾って頂いて、この困難な時代、自らを奮い立たせて進んでいく、そういう力、それをこういう言葉の中から選んでもらって、自らの勇気につなげていただきたいと思うわけであります。