平成16年度
大阪商工会議所は平成16年12月、大阪の将来のあるべき姿とそれに向けて大阪一丸となって取り組むべき重点テーマを示した『大阪賑わい創出プラン』をとりまとめた。その中で「食」が重点テーマとして取り上げられ、大阪の「食」に関するブランドを再構築し、国内外に情報発信する「大阪食彩ブランド事業」が位置づけられた。
平成17年度
これを受け、平成17年度にはワーキンググループ(委員長:小林哲 大阪市立大学大学院 経営学研究科准教授)を設置し、大阪の食に関するブランド資源の発掘と課題の検討を行い、「1.大阪の食に関する情報発信力の強化」、「2.大阪の食の魅力を高める情報内容の充実」という2つの戦略軸を打ち出した。
平成18年度
平成18年度には、情報発信のキックオフ事業として、大阪ブランドサミットにおいて、シンポジウム「食の発信地 大阪~ビジネスと文化の視点から」と「大阪だしサミット」を開催した。また、大阪の食に関する映像を製作し、披露した。さらに大阪の食文化の奥深さや魅力について紹介した冊子「大阪・食の誘惑」を発行した。
平成19年度
平成19年度は、こうした動きを大阪全体としての取組みとするため、行政、関係業界や企業の代表、学識者ら幅広い関係者からなる大阪食彩ブランドプロジェクトチームを設置し、平成17~19年度の一連の取り組みを踏まえて、あらためて大阪の食に関する現状と課題、大阪の食がめざすべき将来像、それらを踏まえた12事業の策定を行い、「大阪食彩ブランドプロジェクトチーム報告書」をとりまとめた。
事業名 | ☆初期 ☆☆中期的事業展開例 | |
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食のイメージ |
(1)「食の都・大阪」ブランドアイデンティティ構築事業 | ☆ 「食の都・大阪」推進会議の設置 ☆ 大阪の食をPRするフレーズやロゴの制作 |
(2)「食の都・大阪スタイル宣言」事業 | ☆宣言の起草 ☆☆「大阪スタイル」の講習・コンテスト事業 ☆☆「大阪スタイル」の飲食店の広報 |
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(3)カウンター料理PR事業 | ☆雑誌などを用いたPR | |
(4)食博など食関係イベントを活用したアピール事業 | ☆食イベントの開催、既存イベントへの参画 | |
(5)大阪の食の情報サイト構築事業 | ☆☆大阪の食の総合サイトの構築 | |
(6)海外ネットワーク構築事業 | ☆グルメ都市ネットワークDéliceへの加盟 | |
食を支える |
(7)若手料理人独立支援事業 | ☆創業・事業高度化支援ネットワークの構築 ☆☆若手料理人コンテスト |
(8)食材集積促進事業 | ☆食材生産者とのネットワーク形成 ☆☆地産地消 |
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(9)食関連産業振興事業 | ☆食関連産業の高度化に向けた事業の支援 | |
(10)食の総合教育・研究機関の誘致 | ☆☆食の総合教育・研究機関の誘致 | |
(11)大阪版食育事業 | ☆☆大阪の食文化講座 ☆☆料理人と学校給食との連携強化 |
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(12)フードツーリズム事業 | ☆食を採り入れた観光商品の開発 |
平成20年度
平成20年度は、大阪食彩ブランドブランドプロジェクトチームを発展的に解消し、大阪の食に関係する産官学がオール大阪で集う「食の都・大阪」推進会議を設立(6月)。第一弾事業は、「食の都・大阪」ブランドアイデンティティ構築事業((1))として、大阪の多彩な食や食文化を内外にアピールする「食の都・大阪」のシンボルマークとロゴマークを決定したほか、大阪の食の愉しみ方を考えるトークショー「大阪の食、その魅力を伝えるために」、「大阪の食の魅力を語る」、講演会「料理人からみた大阪の街の魅力」などの情報発信を行った。
平成21年度
(1)「食の都・大阪」ブランドアイデンティティ構築事業
①「食の都・大阪」をPRするシンポジウムの開催
- 大阪の多彩な食や食文化を内外にアピールする「食の都・大阪」のシンボルマークに添える「キャッチコピー」を募集したところ、47都道府県から6,088件の応募があり、「おかわり!が止まらへん」に決定。
- 入賞者・入選者の表彰式を含むシンポジム「伝えよう!広めよう!大阪の食の魅力」を平成21年5月24日開催。124名が参加。
②シンボルマーク等の普及
- シンボルマーク等の普及を目的に、飲食店、食関係メーカー・小売業、宿泊業等に、卓上スタンドや名刺シール、シンボルマーク等のデータ入りCD-Rなどを配布し、店頭や店内での掲出、印刷物等への印字の協力依頼活動を行っている。シンボルマークとロゴマークは、平成21年7月、商標登録が確定した。
(2)「食の都・大阪スタイル宣言」事業(旧 大阪「新・和の料理」提案事業)
①大阪特有の思想や手法を反映した料理や食に関する在り方の検証・理論構築
- 平成20年1月にワーキングチームを立ち上げ、大阪を代表する様々なジャンルの料理人・料理関係者約30人に、料理に対する考えや取組み、大阪の食や食文化の聞き取りを行った。
- 聞き取り結果を踏まえ、和・洋・中をこえた“大阪らしさ”を、計7箇条の努力目標からなる「食の都・大阪スタイル宣言」として取りまとめ、平成22年2月2日午後2時に「高麗橋吉兆」能舞台にて宣言発表会を開催。30人超の報道関係者が集まった。
②「食の都・大阪スタイル宣言」の発信・普及
- 「食の都・大阪スタイル宣言」を実際の飲食店経営のなかでどう活用するかをテーマとしたシンポジウム「広めよう!生かそう!食の都・大阪スタイル宣言」を平成22年3月14日、スイスホテル南海大阪にて開催。パネルディスカッション「食の都・大阪を支える味、技、おもてなし~大阪の食のビジネスコンテンツを高めよう!」では、オーナーシェフ、外食チェーン経営者、メディア、食材流通者が活用方法について討議した。98名が参加。
- 「食の都・大阪スタイル宣言」をふまえた食事会「和・洋・中をこえた“大阪らしさ”を味わう」を平成22年3月15日、「エプバンタイユ」にて開催。浪速割烹「 川」上野修氏、フランス料理「エプバンタイユ」山田精三氏、中国華膳「彩菜」大宜味剛氏らがコラボレーションによる料理を提供した。67名が参加。
③「大阪料理ルネッサンス」の開催
- 大阪で発展してきた料亭と割烹が「食の都・大阪」推進会議の活動がきっかけで交流を始めたことを契機に、両業界の間でコラボの機運が高まり、平成21年11月29日、エコール辻で、平成の大阪料理を考える「大阪料理ルネッサンス」を「食の都・大阪」推進会議他の主催で開催。
(3) カウンター料理PR事業
- 大阪が生んだ文化であるカウンター料理文化についての連載を大商ニュースで全6回行い広くPRした。
(4) 食博などのイベントを活用したアピール事業
①’09食博覧会・大阪へのブース出展
- 平成21年4月30日~5月10日の11日間、インテックス大阪で開催された同博覧会に出展。当推進会議の活動紹介や大阪市のデリス加盟などを広報するとともに、がんこフードサービス(株)、三和実業(株)の食事券が当たるクイズと当推進会議を紹介するリーフレットを配布。 クイズの応募は4,399件。期間中645,140人が来場
②外食・中食設備機器フェア2009への協賛ならびに出展
- 平成21年9月9日~11日の3日間、インテックス大阪で開催された同フェアに当推進会議が協賛するとともにブース出展。シンボルマーク等の使用協力を呼びかけた。期間中10,107人が来場。
(5) 食の都・大阪情報サイト構築事業 (旧 大阪の食のポータルサイト構築事業)
- 大阪の食の多様性や魅力を内外に発信する直接的手段として、大阪の食の入口的、目次的なサイトを構築することとなり、その設計方針やコンテンツについて検討するためのワーキングチームを設置した。段階的にサイトを整備していくこととなった。
(6)海外ネットワーク構築事業 (旧 大阪の食のポータルサイト構築事業)
①リヨン市長らの平松市長表敬訪問に両代表同席
- 大阪市が平成20年9月に加盟したDélice(世界のグルメシティネットワーク)の本部がある仏・リヨン市の市長一行が平成21年5月28日来阪。平松市長、小嶋・松本両代表らが懇談。小嶋代表が「食の都・大阪」推進会議代表として挨拶した。
②Délice総会に参加
- 平成21年9月10日にラトビア・リガ市で開催されたDélice総会に小嶋代表等が出席した。
(7)若手料理人独立支援事業
- 平成21年11月21日・22日の2日間、千日前道具屋筋商店街で、同商店街振興組合、大阪市中央区南商店会連合会、本会議所中央支部、当推進会議が共催し、飲食店開業総合相談会「ミナミベンチャーウィーク」を開催。調理道具、金融、労務、店舗、開業計画等の無料相談を実施。当推進会議は飲食店開業経験者をブースに派遣し、開業や店舗運営などの相談に応じた。約30人の飲食店開業希望者が来場。今後は既に設立されたワーキングチームで支援策の検討を進める。
(8)食材集積促進事業
- 当推進会議のメンバー・東果大阪㈱が主体となり、フランスのマルシェを手本に農産物の生産者と、料理人や消費者をつなぐ青空市場を平成21年9月~22年3月4会場で開催。
(9)フードツーリズム事業
- 大阪商工会議所では、大阪市、大阪観光コンベンション協会とともに、「食」を取り入れた都市型ツーリズムを展開。堺筋倶楽部やル・ポンドシェル(旧大林組本店)など近代建築を会場とした「大大阪レトロナイト」を実施。