<関西経済人・エコノミスト会議 未来企業を探せ2014~アジアからの飛躍」(平成26年9月11日)

 第1部の会合は、佐藤会頭と立命館大学の川口総長との基調対談形式で実施された。

関西経済人・エコノミスト会議 未来企業を探せ2014~アジアからの飛躍」(平成26年9月11日)

概要

□日時:2014年9月11日(木) 14:05~15:00
□場所:大阪国際会議場12階特別会議室
□参加者:在阪企業経営幹部、大学生、留学生など約300名
□対談内容:第1部の会合は、佐藤会頭と立命館大学の川口総長との基調対談形式で実施された。席上、佐藤会頭の主な発言内容は以下の通り。

○グローバル化が進むなか、ドメスティック業種の代表である鉄道会社も沿線を守っていれば良いという時代ではない。我々のビジネスも中国やベトナムをターゲットにしている。国境がないのが人、経済、文化の交流であり、国際化は身近なところで進んでいる。大阪商工会議所も3万社の会員組織。仕事柄、東南アジア、とりわけベトナムや中国、アメリカに行くことも増えている。

○ベトナムや中国など海外から日本を見ると違いがよくわかる。日本は既に成熟国家だが、日本以外のアジアの国々は、「鬱勃」を感じる。鬱勃とは意気や元気が次々と涌き起こるさま。日本には感じられないものであり、アジア諸国のグローバル化が進めば日本は太刀打ちできなくなるのでないか。

○グローバル化は英会話ができれば良いというものではない。どうやって自国の文化を語れるのか。そして元気鬱勃のアジアの国々と伍していけるのかを考える必要がある。西洋文明に追いつこうと取り組んだ明治時代の先達の魂をぜひ学んでほしい。

○先日訪問した関西ファッション連合の森下理事長からお聞きした話であるが、相手国の文化を理解してから自国の文化を語ることの必要性を組合員企業に説いていると伺った。具体的にグローバル化に対応するべく、繊維の街である大阪をどのようにして盛り上げていけば良いのか。そのためにメイドインジャパンのファッションを大阪からどのように興すのか、また世界に通用するファッションや具体的な製品をどのように生み出すのか、といったことを考えておられる経営者が大勢おられるのも大阪の強みだと感じた。

○京都大学法学部の新入生にもゲキを飛ばしたが、安定志向に陥って、大企業に就職して管理職になるのが幸せな人生だと考えているようではグローバル人材になれない。大学時代は、効率一辺倒で学ぶことだけではなく、寄り道や放し飼いなどの放牧生活も大事。それらを通じて自分の将来を自分で見つけていくべきだ。そして「智」、「情」、「意」を備えた常識ある人物に育っていってほしい。

○私自身の大学生活では、ボートのエイトで東京五輪への出場を目指したが、何よりボート部での活動を通じて「学徳兼備」の大切さを学んだ。もちろん規律は必要だが揉め事を興すぐらいの学生であっても良いと思っている。自己表現ができ、摩擦を起こしてでも改革する意気込みをもてるように自己の能力を磨いていって欲しい。最近はとがった人間はなかなかお目にかかれないが、学園生活の中で本当の自分を見つけるべく、自ら箸を取る気概も必要だ。

○私が訪問した中小企業ではこうした経営理念を持つ経営者の方が大勢おられた。例えば白ハト食品さんは、関東(茨城県行方市)で廃校跡地を利用してさつまいものビジネスを6次産業化しようと試みている。こうした発想をもった皆さんの琴線にふれる中小企業の経営者を自ら見つけ出し、就職のあり方を考えていってほしい。

CIMG9450.JPG「基調対談の全景(大阪国際会議場12階特別会議室)」

CIMG9451.JPG「右が立命館大学の川口総長、左が佐藤会頭」

CIMG9463.JPG「意見陳述を行う佐藤会頭(中央)」