□ 山口公明党代表と関西経済界との懇談会(4月22日)

 大商など関西経済3団体は、公明党の山口那津男・参議院議員(党代表)、佐藤茂樹・衆議院議員・党政調会長代理(大阪府本部代表)らを迎えて懇談会を開催した。本会議所からは、佐藤会頭に加えて、西村副会頭、小池常議員が出席。懇談では、高止まりだった円高は是正されたが、反面で円安による輸入価格の上昇や電力料金の値上げに苦しむ中小企業がある。また消費税増税転嫁が難しいのが中小企業だ。成長戦略による経済のパイ拡大を急いでもらいたい、と訴えた。加えて、第3の矢となる成長戦略の策定にあたっては、医療機器やライフサイエンス、観光・ツーリズム産業などを振興すべく、必要な規制緩和を政府・与党が率先して行い、速やかにデフレ脱却を実現して成長軌道に乗せてほしいと要請した。これに対して公明党の佐藤茂樹大阪府本部代表は、「中小企業活性化の発想を取り込んで成長戦略につなげていくことは重要だ。与党の一員として観光・文化の振興にも力を入れてもらえるよう自民党に働きかけていきたい。」と応えた。

山口公明党代表と関西経済界との懇談会

佐藤会頭発言概要

□日 時:平成25年4月22日(月) 8:00~9:30
□場 所:リーガロイヤルホテル2階「ダイヤモンドルーム」
□出席者:(順不同・敬称略)
<公明党>   14名
山口 那津男   参議院議員・党代表
白浜 一良    参議院議員・党副代表、党参議院議員会長
北側 一雄    衆議院議員・党副代表 、衆議院総務委員会委員長
佐藤 茂樹    衆議院議員・党政調会長代理、党大阪府本部代表
赤羽 一嘉    衆議院議員・経済産業副大臣(兼)内閣府副大臣、党兵庫県本部代表
山本 香苗    参議院議員・党女性局長、ODA特別委員会理事
竹内  譲    衆議院議員・財務大臣政務官、党京都府本部代表
浮島 智子    衆議院議員・党文部科学部会長、文部科学委員会理事
石川 博崇    参議院議員・党学生局長、決算委員会理事
國重  徹    衆議院議員・党青年局次長、経済産業委員会委員
伊佐 進一    衆議院議員・党国際局次長、厚生労働委員会委員
中野 洋昌    衆議院議員・党青年局次長、文部科学委員会委員
樋口 尚也    衆議院議員・党青年局次長、国土交通委員会委員
濱村  進    衆議院議員・党青年局次長、総務委員会委員

<関西経済界>  13名
佐藤 茂雄    大阪商工会議所 会頭  (京阪電気鉄道㈱ 取締役相談役・取締役会議長)
西村 貞一    大阪商工会議所 副会頭  (㈱サクラクレパス 社長)
小池 俊二    大阪商工会議所 常議員  (㈱サンリット産業 会長)
鳥井 信吾    関西経済同友会 代表幹事  (サントリー㈱ 副社長)
帯野 久美子   関西経済同友会 常任幹事  (インターアクト・ジャパン㈱ 代表取締役)
蔭山 秀一    関西経済同友会 常任幹事 (三井住友銀行㈱ 専務執行役員)
森  詳介    関西経済連合会 会長  (関西電力㈱ 会長)
角  和夫    関西経済連合会 副会長  (阪急電鉄㈱社長)
寺田 千代乃   関西経済連合会 副会長  (アートコーポレーション㈱社長)
灘本 正博    大阪商工会議所 専務理事
齊藤 行巨    関西経済同友会 常任幹事・事務局長
川邊 辰也    関西経済連合会 専務理事
田辺 貞夫    関西経済連合会 常務理事・事務局長

□発言骨子:当日の会合での佐藤会頭の発言は以下の通り

<景気認識>

  • 足もとの景況をみると為替レートが1ドル100円近くにまで達するなど急激な円安が進んでおり、取引の多くを輸入に頼る会員の中小企業からは、懸念の声も聴かれ始めている。政府・与党におかれては、こうした厳しい経済環境を認識の上、早期に成長戦略へのおとし込み実現していってほしい。ついては、本日は公明党に具体的な提案を申し上げるので、是非とも生の声を十分反映してもらいたい。

<ライフサイエンス産業の振興>

  • 第一点目は「ライフサイエンス産業の振興」である。大阪は、ライフサイエンス分野の企業・医療機関・研究所などの集積が厚く、大阪商工会議所としても、国のご支援を得ながら医療機器などの分野で具体的な事業を展開しているところ。ついては現場のニーズに基づくお願いを申し上げる。
  • まずは、医療機器開発を支援するプラットフォームの整備だ。医療機器は多様な技術を必要とし、中小企業も参入可能な裾野の広いモノづくり産業であるが、これまでのところ、「マーケットに出す」までを一貫して支援する仕組み、すなわち「プラットフォーム」が十分整備されていない。これまで医療機器の承認審査は、医薬品を対象とした薬事法に沿って審査が行われてきたが、今後は審査を合理的・効率的にするためにも、別途「医療機器法」を制定するなど規制改革を進めてほしい。

<観光・インバウンドの振興>

  • もう一点は、景気や雇用に即効性の高い「観光・インバウンドの振興」。アジアからの訪日客への観光ビザの発給要件などの規制緩和に加えて、西日本随一の国際観光拠点になり得るポテンシャルを有する大阪城公園の保存から活用に向けた規制緩和の支援、大型客船の瀬戸内海クルーズを容易にするための水先案内人への高額な費用の引き下げなどを盛り込んでほしい。

<成長戦略における公明党への期待>

  • 例えば、新しい医療機器の開発案件に国からの補助金をいただく場合、あまりに煩雑な手続きに忙殺され、機動的な研究活動が困難との悲鳴を聞いている。また補助金の採択は夏頃、一方、年度末までには報告レポートを書かねばならず、実質的な研究開発に充てる時間は半年程度となるケースも多い。せっかくの補助金を生かして、新しい価値を生みだす仕事に没頭できず、「補助金を確保し、報告を書くこと」にエネルギーの多くを割かれるとの声を聞く。
  • 特に研究開発に時間のかかるライフサイエンス分野の助成制度においては、手続きを簡素化し、いち早く仕事に取りかかれるよう、また、複数年度にわたる事業を採択するなど制度や運用の改善を図ってほしい。
  • 加えて、せっかくの補助金などの制度を、幅広い中小企業にまで周知徹底されるよう政府に働きかけてほしい。

<中小企業の官公需受注機会の確保>

  • 中小企業の最大の悩みは仕事量の確保である。実需喚起の一環として、中小企業への官公需の十分な事業枠の確保とその確実な達成を期されたい。

以 上



CIMG8634.JPG「懇談で挨拶する山口代表。手前側が関西経済界の参加者(手前の列 右から2人目が佐藤会頭)」


CIMG8632.JPG「公明党側出席者(右から3人目が山口代表)」


CIMG8642.JPG「懇談会でマイクを手に発言する佐藤会頭」