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2013年4月22日
委員長に聞く
「委員長に聞く」
大阪商工会議所 中国ビジネス特別委員会委員長 桑山信雄氏
大阪商工会議所は2012年、中国ビジネス特別委員会を設置、体制を充実したうえで、拡大する中国マーケットの取り込みなど、会員の中国展開を支援することになった。
桑山信雄委員長に、自身の中国ビジネスとの係わりや今後の方針について聞いた。
――中国とのかかわりをお聞かせください
「伊藤忠商事に入社してしばらくした頃、人事部長から呼び出され、中国語研修を勧められた。あの頃はブラジルとのビジネスに携わりたくて、中国は眼中になかったが、振り返れば、研修も含め、中国駐在は4回24年になった」
「1972年に語学研修で香港へ渡ったが、当時、香港と中国の経済格差は圧倒的で、まさかその後の40年でこれほど中国が発展するとは想像もできなかった」
「2000年以降、中国は見違えるように変わった。特に2003年の新型肺炎(SARS)の流行以降、経済力の向上とあいまって、中国の消費者のなかで「安心・安全」を求める動きが強まった。中国の消費者は日本製品の「安心・安全」を評価しており、日本企業にとってのビジネスチャンスが一気に拡がった」
――中国での事業展開は人材が重要と言われます
「2004年から6年間、中国総代表を務めたが、その間、現場を回り、会社の方針や我々の使命について言葉を尽くして説明した。はじめのうちは通訳を介していたが、どうも伝わらないので、途中から自分で話すことにした。ベクトルをあわせて仕事をしてもらうことに心を砕いたおかげで、離職率はかなり下がった」
「中国では、人間関係が非常に重要。自分の意見をはっきり言う人は尊重される。一般的には日本人は何を考えているか分かりづらいし、意思決定が遅いとみられていることを肝に銘じるべきだ」
――最近、中国企業との連携を積極的に行っています
「伊藤忠商事が業務提携した『杉杉集団』とはアパレル分野はもちろん、アウトレットモール展開やリチウムイオン電池の部品製造など多面的な協力へとひろがっている。現地企業にとっては、事業拡大や多角化などで日本と協業することにはメリットがある。我々にとっても、中国で日本人だけでできることは限られているから現地企業との連携は不可欠。互いにとってメリットのある形を作ることが重要だ」
――先日大商が実施した「中国ビジネス実態に関するアンケート」では、上海を中心に沿海地域に関心が集まっています
「上海はもちろん経済の中心だが、競争も激しく、すでにかなり成熟している。ビジネスチャンスという点では、今後は周辺都市や内陸が面白い」
「5月に介護ビジネス調査団で四川省成都を訪れたが、団員のみなさんは成都の発展ぶり、富裕層の厚さに驚いていた。ぜひ「食わず嫌い」をせずに、現地をみてほしい」
――最後に、委員長としての抱負をお願いします
委員会では、最新情報の提供はもちろんのこと、単なる交流にとどまらず、中国での地下街開発や介護ビジネス展開などの具体的なプロジェクトやサービス産業での日中連携にも積極的に取り組んでいきたい。
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くわやま・のぶお
名古屋大学経済学部卒、1971年伊藤忠商事株式会社に入り、繊維貿易などを担当し、中国総代表、専務執行役員などを経て現在、理事・社長補佐(中国食料・建設事業担当)。中国駐在は通算24年におよぶ。63歳。
(大商ニュース 2012年7月10日号掲載)
のっぽパンダ
投稿者 panda | 2013年4月22日 10:09