佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2013年(平成25年)8月29日(木)

「うめきたMICE特別セミナー 関西活性化の起爆剤 千客万来都市OSAKAプラン」

 さらに大阪城に関連して申し上げますと、本日はこの後LCCのピーチアビエーション井上社長がお話になるようですが、私はLCC(ロ-・コスト・キャリア)を格安航空会社と訳したのは極めて名訳だと思っています。少し皮肉を申しあげているわけでありますが、この格安というと、皆さんは格別に安い、つまり激安のようなイメージで認識されているようですが、先日井上社長とも懇談し、長崎から関空へのピーチ航空のLCC便に搭乗した体験から申し上げますと、格安の本当の意味は、格の割に安い、ということであると皆さんにご理解して頂きたいと思っているのであります。格安=激安の意味ではないのであります。

 ご承知のように、ピーチには、サービス業に本来あるべき「おもてなしの精神」と言うものが機内にも、機外にも溢れております。もちろん定時運航はきちんと守られております。レシートには関西弁で「おおきに」と書かれていましたが、顧客目線で商売をされており、実に親しみ安い演出ではありませんか。多くの人に乗ってもらって料金を下げられるよう機内のシートの前後を窮屈にしたのでしょうが、その狭さを補って余りあるサービス提供の質の高さから、値段の割に格が高い、と言えるのがピーチアビエーションだと思っております。そう皆さんが理解しているからこそ、ピーチが大変成功を収めているのではないでしょうか。後ほど井上社長から秘密のお話があるかもしれませんが。

 さて大阪城に戻りますが、大大阪の時代の市民の気概の象徴であり、そこに高い格があると思うのですが、リピート率の低さとか滞在時間の短さとかからすると、果たして格の力を発揮しているのかどうか甚だ疑問であります。観光客からするとどうも(大阪城の)格の割に来場者の心に強く響くものが少ないと思われている、つまり何の感動も受けてはいないのではあるまいか。ピーチアビエーションと比較すると、私はそのように考えてしまうのであります。
20130829うめきたMICE特別セミナー(73P+8P)[完成版]_ページ_81.jpg「ピーチ搭乗」