2014年(平成26年)7月14日(月) 平成26年度大阪大学先端教養科目「関西は今」での講演
「覚めよ、有為の青年よ」
昭和の東京オリンピックは、ちょうど高度成長の時代に開催されました。当時「三種の神器」と言われたカラーテレビ、車、クーラーが地方にも浸透し、日本全体が豊かさを実感できた時代です。ほかにも東海道新幹線や名神高速道路など、インフラ整備も進み、日本の技術革新は目覚ましく、まさに日本は成長期でした。東京での開催ではありましたが、日本全体のオリンピックだと、日本国中が大歓迎したものであります。
一方、2020年に開催される東京オリンピックを取り巻く環境はどうでしょうか。日本は成熟期に入っていますから、前回のように、我々があらためて豊かさを実感できる技術革新などはありません。インフラとしてリニア新幹線が注目を集めていますが、これも2020年には間に合いません。
このように、豊かさの実感があるかないか、言い換えれば成長期の日本と成熟期の日本という大きな環境の違いがあるなかで、今回の東京オリンピックが開催されるということを覚えておいていただきたいと思います。このあたりは後程あらためてお話したいと思います。