平成26年1月24日(金) 一般社団法人 近畿化学協会 平成26年新春セミナー
「魅力ある関西の文化戦略」
「大阪城を彩る3Dマッピングショー」 大阪には文楽、OSK、落語とか、能楽があります。これらの貴重な文化が往時の隆盛を取り戻すためにはUSJのようなしたたかな戦略、徹底さを学ぶ必要があると思っております。実は私自身、OSKの応援団長を務めておりますが、なかなか劇場を持つまでにはまだ至っておりません。もう少し時間がかかるわけですが、自前の文化が大阪にあるという自覚の下に、じっくりと活性化に取り組んで参りたいと思っております。
今、カジノ法案がでてきて、大阪でもカジノ、カジノという声がでていますが、文楽などの古典文化の活性化なしのままでは良くないですね。文化は多様性がありますから、カジノだけでなく文楽や歌舞伎が皆さんに愛されて、そのなかでカジノにも許容性が見出されていくということでなければいけません。今の大阪に欠けているのはそういったことです。
もう一度、和食に戻ります。関西が頑張らないといけないという事例です。
香港は和食ブームですが、当然和牛も人気です。それで兵庫県は香港に事務所を持っており係員3名で頑張っておられます。現在の井戸知事が立派で昨年事務所を復活させ、神戸牛を一生懸命売り込んでいるのですが、なかなか上手くいってないわけです。先週、関西広域連合の会合がありましたので、井戸知事か嘉田知事に神戸牛(ビーフ)や近江牛が少しも市場に浸透していないのではないかと申し上げました。
ところが皆さん、神戸牛、但馬牛、近江牛など皆さんブランドはあると思っているわけですね。これはとんでもない間違いで、香港ではこれらの和牛はあまり浸透しておりません。現地で浸透しているのは何と佐賀牛なのです。
佐賀では昭和58年ごろか取り組みを開始されたそうです。生産・品種改良に取り組み、マーケット調査を行い売り込んできたわけです。関西の場合はブランドに頼ったままで、名前を言うと売れると思っているのでしょうがそうはいきません。朝、キャセイ航空の貨物便で運べば、(関空からの鮮度の高い食材は)夕方には香港に到着します。でも細かい店舗までのデリバリーや輸出入認可の手続きが十分できていないのですね。九州が先行しているのは、JA鹿児島がこういったことを一手に窓口になって引き受けてやっているからなのです。
神戸牛、近江牛があって、キャセイの便もあるのに奥義を窮めていないのではないでしょうか。ここが問題です。今回、香港に行って関西を見つめ直したというところでしょうか。