佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

平成26年1月24日(金) 一般社団法人 近畿化学協会 平成26年新春セミナー

「魅力ある関西の文化戦略」

  • その3(和食=京料理ではない)

P1040502.JPG「香港市内に林立する高層ビル群」 私たちは、和食というとすぐ京料理を想像しがちですが、和食即ち日本料理、日本料理即ち京料理、という連想は決して正しくないと思っております。金沢にも大阪にも東京にも、和食の立派なお店があります。私の勤める京阪電車の事業基盤は、大阪、京都、滋賀、それに最近、不動産事業で東京でもビジネスを活発に展開しておりますが、それぞれのご当地に立ち寄って料理をよく楽しみます。どこも個性、特色があり、そういったもの全体を和食と言うべきではないのでしょうか。

 狭い日本列島ですが、関西だけでも、和歌山、奈良、滋賀、鳥取、福井などあって、ご当地の和食の多彩さには驚きます。例えば私の大好きなへシコ。福井も鳥取もへシコ文化圏ですが、その味は微妙に違います。その繊細さに驚きます。ズワイガニも福井は越前ガニ、鳥取は松葉ガニと名称にもコダワリをみせて競っています。

 このように、狭い関西ですが、素材や素材を生かした料理が多種多様あることを考えると、実は関西は大変広いと言えるのではないでしょうか。ですから、和食と言えば京料理、などと決して十把一絡げに捉えてはいけません。一筋縄ではいかない、したたかさがあるのが関西だとこう申し上げておきたいと思います。