2013年(平成25年)9月12日(木)
第55回中小企業団体大阪大会
それで、次に申し上げたいのは、その後の京阪電車がどうなったかということなのです。営業収益におけるセグメントの割合をちょっとお見せします。(映像)一番下が運輸です。平成8年全体の営業収益ですがこれは37.2%ありました。その後少しずつ減っております。その代り不動産が伸びています。今、京阪電車で、相変わらず鉄道というのは大きな利益の柱であります。運賃収入は減っておりますが利益の源泉であります。そしてそれを支える不動産が伸びているわけであります 。これが京阪グループを現在支えております。この不動産事業、先ほど含み益依存型と申しましたが、今はもう含み益依存から脱却しておりまして、短期回収型のビジネスモデルとなっております。最初含み益依存型経営ですから中々平準化できないのですね。土地を仕入れてマンションを造って売るわけですが、仕入れから商品化するまで2、3年かかります。その間仕入れがなかなかできないからそれほど伸びなかった。それで平準化した。毎年同じ利益を出してくれよと言い続けてきたわけですが、今、平準化してしかも今度は右肩上がりになっています。大きなビジネスモデルの転換であります。
「京阪グループの中期計画」
鉄道はまだですね、これをどうしたら良いかということなのですが、あとは流通でしょうか。流通の構成比大変高いですが、これも今のところ百貨店とか、さっき言いました「くずはモール」のようなPM事業が伸びていますが、実際の利益はまだまだであります。それからレジャーサービスです。これも利益が大変薄いのですが、ポートフォリオのセグメントの割合を見ながら、今後均衡ある京阪グループをどう作っていくかというのは、今の経営陣に問われているわけであります。私はもう関係ありませんので外から見て分析しながら、今こうなっているのだとウォッチしているわけであります。
もう1つだけ申しましょう。京阪グループ中期経営計画ジャンプ21というのがありますが、これは先ほど時価会計制度とか含み損を出した後、会社の経営をジャンプさせないといけないというので作った6年から8年までの中期経営計画であります。この時作った言葉は「経営の品格を上げよう」とこれを出したわけであります。なんでもかんでも短期で利益を出せば良いのではない、節度のあるというか私鉄でありますから世の中のお役に立つような上品な経営をしないといけない、ということで品格を上げようと出したわけです。しかもスピードを早くやろう、コンプライアンスも大切にしてやろうと、京阪というブランドを作ろうと、世の中で環境問題を騒がれていて鉄道は一番環境にやさしい乗り物ですから、環境を大切にしようと、この4つのキーワードをもとにやってきたわけであります。