佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2013年(平成25年)9月12日(木)

第55回中小企業団体大阪大会

 佐藤でございます。本日は第55回中小企業団体大阪大会にお招き頂きまして大変ありがとうございます。「激動の時代を生き抜く経営戦略」、大変難しいことを話せとこういうことですが、逆に皆様方から教えて頂きたいぐらいであります。京阪における経営について私のささやかな経験の一端でもお話ししてご参考にして頂ければと思うわけであります。

 その前に、あのアベノミクスですね。これがどんな効果があるのかということですが、私は大変良い方向に行っていると思っているのですが、「アベノミクスかアホノミクスか」という面白い本がありまして、書いている人は大変な論客でいらっしゃいます同志社大学の浜矩子先生で、円高(為替レート)は50円まで進むとこうおっしゃった方なのですが、読んでみると、本人はそんなつもりはないのでしょうが、大変面白いのですね。かなり通俗的で刺激的な内容ですので、お読みになると逆に大変参考になるかもわかりません。


 安倍総理の演説を(浜先生は)丹念に読んだそうです。成長戦略の中で出てくる言葉で、世界という言葉は何十回とか、戦略は何十回とか、こういうのは出てくるけど、地域経済については出てこないとか、格差社会についてはちっとも出てこないじゃないか、とこんなことで厳しい採点をつけて「アベノミクスかアホノミクスか」というタイトルをつけた本を出しているわけであります。読んでみますと日本を何とかしようということでありまして、決して安倍さんを非難しているわけではない。非常に刺激的な言い方でもって政府に注文をつけていると、こんな理解で私は読ませていただきました。

 今日もそうですが、やはり政府にモノ申すということが一番大切であります。政府というのはある意味では私たちと相反するコストセンターでもあるわけです。であるがゆえに私たちはモノを申して実態はこうですよ、事実はこうですよ、ということを必ず伝えないといけない、それは商工会議所の1つの大きな仕事でありまして、電力問題につきましても、消費税の転嫁問題につきましても、何度も何度も私たちは注文をつけて、そういうことのないように訴えてきているわけであります。今日も宣言を出されるということですが、それをきちんと伝わるようにフォローをすることも大切だと思うわけであります。是非大阪商工会議所も一緒になって頑張っていきたいと思います。

CIMG1725.JPG「講演を行う佐藤会頭」