佐藤会頭の眼~講演録
Chairman’s Eye with you

2012年(平成24年)10月31日(水) 関西・経営と心の会 講演

「大阪のまちづくりのあり方」

  そろそろ、大阪の街づくりのあり方についてのテーマに入らなければなりません。大阪商工会議所では、千客万来都市OSAKAプランと言うビジョンを掲げて、大阪、関西の活性化に取り組んでおります。文字通り、多くの人がやって来る大阪でありたいと大阪の街づくりに取り組んでいます。果たして、その結果は如何。結果を出しているのかどうかと検証しながら進めておりますが、本日ここで、ビジョンの説明とか、進捗状況の解説をしたところで、面白くはないと思いますので、場の格ということについてお話をしてみます。

  場の格、つまり場格は千客万来都市を実現させるための私の切り口であり、モチーフでもあります。街は誕生してから育ち、成熟し、やがて衰退していきます。生き物のようでありますが、街の主が人間ですから当然でありましょう。私は京阪電車の人間ですが、大阪と京都の中間にある「くずは」の街を見ると、誕生、生育、成熟、衰退の過程が良く理解できます。

  昭和30年代後半から日本は高度経済成長時代を迎え、大阪は工業と商業の街として躍進、繁栄の道を歩みます。これを支えたのが地方から出てきた働き手であります。京阪神への人口集中により、関西の鉄道沿線には郊外住宅地が次々と生まれます。団地経営という不動産ビジネスが私鉄経営のビジネスモデルとなりました。