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2017年10月10日
北京のシルバー産業視察報告(2017年6月)
2017年6月、事務局で北京へ出張した際、中国の大手保険会社「泰康保険集団」傘下の老人ホーム「泰康之家 燕園」を視察しました。「燕」は北京の略称です。
同園は2016年6月に開業。現在、北京のほか上海、深セン等全国13か所で運営しており、更に4か所増設の計画があるとのことです。
入居者は1か所ではなく全13か所の「居住権」を持つことになり、どこのホームにいつ住まうかを自分で決めることができる「渡り鳥方式」が採用されていました。日本の会員制リゾートマンションのようなイメージでしょうか。
総合リハビリ施設を備え、プール、フィットネススタジオ、小型映画館等があり様々なレクリエーションを楽しめるほか、毎日の食事は老舗レストランが提供、30分以内の範囲に6か所の医療機関があるため、万一の際にも安心、とのことでした。
60歳未満の消費者は、関連保険商品を購入することで、保険による収益を期待できるほか(販売当初は200万元(20万元x10年)だったものが現在では260万元に値上がり!)本人の入居権と父母の優先入居権を得られる仕組みになっています。
毎月の経費は8千元程度。ヘルパーを個人で雇っても7千元/月程度必要なことを考えれば、さほど高くはありません。(もちろん保険そのものが高いのですが・・・。)
従来は子供が親のためにヘルパーを雇い、住込みで看護(介護)をさせることが多かったのですが、その後、ヘルパーによる老人虐待等の問題が表面化し、現在では在宅よりも施設介護がよいと考える家族も増えてきているようです。
保険商品と老人ホームの入居権を結合させたビジネスモデルは珍しいのですが、その初期費用(保険料)から考えて、あくまで富裕層が対象と言えるでしょう。本施設では海外や遠隔地に住んでいて、自分では介護できない子供世代が出資して親を入居させるパターンが多く、入居者は大学教授や芸術家といった社会的地位のある富裕層が多いそうです。
こちらは施設の公共空間。PM2.5対策として外気の取り入れ口には何重ものフィルターを設置しているとのことでした。
室内プールをお掃除していたのは、人ではなく、お掃除ロボットでした。
投稿者 panda | 2017年10月10日 15:59