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2008年10月20日
第2回 コクヨインターナショナル(株) (その3)
辰巳:
今年の春からはギフトのカタログ通販も始めました。日本では結婚式の引き出物のかわりにカタログをお渡しするのがすっかり定着していますが、中国にはギフトカタログは全くありませんでした。そのため、お客様もどういう仕組みになっているのか、まだよくご存知なくて、カタログのなかから1点しか選べないところを2点注文しようとしたりするので、それを分かりやすくマンガで説明して、浸透させていこうとしているところです。プロモーションなどによる認知活動の結果、贈り手と受け手の両方の手間・不満を解消するサービスとして徐々に浸透し、好評をいただいています。
のっぽパンダ:
ギフト通販はどんな商品が売れていますか?
辰巳:
今、人気なのは家電製品です。9月13日は中秋の名月ですが、中国では月餅をお贈りするのが慣わしです。ただ、月餅は持ち運びも重たいですし、そこで、当社ではギフトカタログの表紙に月餅の写真をつけたものをお客様に配りました。どんなものを注文なさるのか、結果をみるのが楽しみです。
※こちらがギフトカタログ。月餅の帯もかわいい。
のっぽパンダ:
月餅はたくさん頂いても、賞味期限もありますし、食べられる量は限られていますし、カタログギフトの方が喜ばれるかもしれませんね。
寺田:
カタログ通販のインフラができたところで、これをもっと活かすことができないか検討した結果、今年5月から「中国テスト販売パッケージ」というマーケティングサービスを開始しました。
通販でご注文のあった品物をお届けする際には、ファッションやライフスタイルなど購買担当の女性が関心を持ちそうな話題を満載した会報「PICKS」を同封していますが、ここに商品を掲載して、販売データをとり、結果を企業へフィードバックします。購入してくれた企業は日系なのか、外資系なのか、中国系なのか、企業規模はどうか、エリアはどうかといった実販売顧客の属性情報を提供します。同時にアンケートも行なって、より詳細の個人属性や、購入したい時期や価格帯などを調べることもできます。テスト販売によって企業の知名度アップにもつながると思います。アンケートやサンプリングのみでは分からない、「消費者がこの商品・この価格に対し、財布を開くかどうか」が分かる点で、実際の販売に勝るマーケティング調査はないと思います。
同時に我々にとっても、新しい商品、面白い商品を提供することで、お客様のニーズを満たすことができますし、競合他社との差別化もできます。
※右が会報「PICKS」。左はテスト販売パッケージのチラシ。
のっぽパンダ:
お問合せの状況はいかがですか?
辰巳:
これまでに40社ほどお問合せをいただき、すでに「PICKS」に掲載した商品もあります。そのなかには輸入のハードルが高い、食品もあったのですが、「テスト販売パッケージ」のパートナー企業である上海伊藤忠商事有限公司さんのノウハウで、スムーズな輸入ができました。
のっぽパンダ:
中国ビジネスに取り組む日本企業へアドバイスがあれば、お願いします。
寺田:
中国は日系企業だけでなく欧米系や地元企業もしのぎを削っていて、サッカーに例えれば「ワールドカップ」状態。経営にはスピードが求められます。これに対応するためには、現地で判断をすること、言い換えれば中国人スタッフを信頼して任せることが大切だと思います。
「日本の商品はいいものだから」、「中国人にはできないから」など色々な理由をつけて、日本のやり方をそのまま中国へ持ち込もうとしてしまう。しかし、これから中国のマーケットをつかむためには、中国を理解すること、中国の人を尊敬すること、そして現地にとけこんで、ドロドロの人間関係のなかで、人脈を作っていく覚悟がないと、成功できないと思います。そのためには、中国の人の思考を理解することが必要だし、「兵法」なども勉強しなければいけないかなと思っているところです。
~インタビューを終えて~
2003年の駐在員事務所設立から5年あまり。中国の発展とともに、コクヨさんの中国事業もオフィスのトータルサポートにとどまらず、そこで培った「インフラ」を活用して日本企業のマーケティング支援へと横展開しています。そのバイタリティには感服しました。お話を伺っていても、最前線の方はご苦労も多いと思いますが、次々とフロンティアを開拓する楽しさが伝わってきました。コクヨさんのこれからの「100年」が楽しみです。
コクヨさんは大阪企業家ミュージアムにも展示がありますので、こちらもあわせてお立ち寄りください。
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投稿者 panda | 2008年10月20日 15:13