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韓国にみるIT普及のポイント


3 韓国IT普及要因

韓国では日本よりインターネットが普及し、生活に必要不可欠なものとなっている。では、なぜこのように普及したのであろうか。いろいろな要素があるが、大雑把にまとめると以下のようになる。

図表 5 韓国IT普及要因

  1. KII(korea information infrastructure)構想により1995年〜97年ごろ、高速通信幹線が全国に敷設された
  2. しかし、1997年に経済危機が起こり
  3. その結果、失業者が増え、
  4. 高速インフラは供給過剰状態になり料金が大幅に低下した。
  5. そのときオンラインゲーム人気に着目した人が
  6. PC房を始めたら大人気になり、失業者などがこぞってPC房を開いた。
  7. その後、インターネットTV、インターネット電話、コミュニティ(チャット、掲示板)などのサービスも次々と提供され、
  8. ゲームユーザのみならず、非ゲームユーザも自宅にもADSLなどを導入した。

国家政策としてITを推進したのは確かだが、予測していなかった要素も多かった。ゲーム業界がパソコンを使ったオンラインゲームに注目した背景には、ゲーム専用機が普及しなかったこと、不正コピー問題に悩まされていたことなどがある。また、経済危機がなければPC房の流行はなかったかもしれない。偶然の要素も含め、各要素がうまく作用した結果といえる。

いずれにせよ、国家政策による支援は随所に行われたが、インターネットの普及を促進したエンジンは、ゲームおよびPC房であったと言える。

このように、韓国ではインターネットがよく利用されているが、そうはいっても娯楽が中心であり、また、娯楽が普及の原因であったと言える。「IT先進国と言っても、娯楽で使っているだけならば参考にする必要はないのでは?」とも考えられる。

しかし、どんな要因であれインターネットがここまで普及し、利用されているというのは注目に値する。娯楽を主要目的として普及したといっても、ここまで普及すると、ビジネスなどへの影響も大きい。まず、コンテンツビジネスは直接的に影響を受ける。コンテンツの配信をビジネスとして確立することについて、韓国は日本よりも進んでいる。また、普及したインフラを利用して数々の新サービスも誕生している。この二点について詳しく触れる。


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2003.4.1更新
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