台湾向け日本産食品の都道府県名を記載した貿易関係証明
原産地証明(書)は、産品の原産国を証明する文書であり、原則として都道府県等の産地証明を行うものではありません。ただし、台湾向けに日本産食品を輸出しようとする場合に限り、「6 Remarks」(以下、6欄)に指定文言に続けて、産品の都道府県名を記載することができます。その際、根拠となる資料の提出が必要です。発給申請は、オンライン・窓口のいずれでも可能です。
このほか、申請者のレターヘッドで、産品ごとに都道府県名を記載した輸出者宣誓書を作成し、Sign証明を取得することも可能です。
指定文言
This certificate of origin is issued by the Chamber of Commerce and Industry in accordance with the Chambers of Commerce and Industry Act under the jurisdiction of the METI.
- 指定文言の変更は一切できません
都道府県名の記載方法
6欄から指定文言を記載し始め、余白が不足する場合は、末尾に「*(アスタリスク)」を付し、続きの内容を「7. Marks,numbers, number and kind of packages; description of goods 」(以下、7欄)にも同様に「*」を付記して、記載してください。
- 「6.Remrks」には都道府県以下の詳細な住所(工場の在地等)を記入できません。
必要となる根拠資料
申請時には、下記のうちいずれか1つ以上の書類(⑤以外はフォトコピー可)を提出します。
- 製造証明書(消費者庁等への届出書やメーカー等が作成するもの)
- 食品衛生法上の営業許可証
- 農協/漁協発行の出荷表(産地が分かるもの)
- メーカー、組合等からの出荷明細書/納品書(産地が分かるもの)
- 台湾向け日本産食品に関する誓約書
記載例
- 原産地証明への記載例
- サイン証明による輸出者宣誓の例
通常のサイン証明と同様、自社様式で作成し、貿易登録のある署名者の署名を付します。
原産地のサイン証明記載例
注意事項
- 7欄から“Shipper‘s statement”に続けるなどして、指定文言を書き出すことはできません
- 6欄への指定文言の記載なく、7欄に"Shipper's statement"に続けて産地(製造業者の住所を含む)を記載することはできません
- 指定文言を典拠書類のCommercial Invoiceに記載することはできません
- 台湾向け日本食品以外の向け地、産品に対して、指定文言を転用することはできません
経緯
2015年5月15日以降、台湾当局による日本産食品の輸入規制強化が開始され、すべての食品(酒類を除く)について、都道府県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県を除く)別の産地証明書の添付が義務付けられました。しかし、2022年2月には、左記の5県に対する輸入規制も緩和されました。これらを受けて、弊所では、特例として、指定文言に続けて、原産地証明書への産地(都道府県名)の記載を認める運用を実施しています。
駐日エジプト大使館向けの貿易関係証明の割印
エジプト大使館にアタッチシート添付を含み、複数のページで構成される貿易関係証明書を提出する場合、押印による割印処理が必要です(印字打抜機は認められません)。またSign証明については、署名掲載ページのみの認証を行うため、複数ページにわたるSign証明への割印処理は行いません。発給申請は、窓口のみ可能です。
複数ページで構成されるSign証明の綴じ方
Sign証明を取得しようとする文書が複数ページにわたる場合、下記のいずれかの方法にて処理を行い、書類の同一性を確保する必要があります。
日シンガポールEPAに基づくビール等4品目に係る特恵(日本産)原産地証明書
日本・シンガポール経済連携協定に基づく特恵原産地証明書のうち、ビール等4品目に対するものに限り、一般の原産地証明書と同様に、各地商工会議所にて発給しています。発給は、肉筆証明に限られるため、オンライン発給申請は受け付けられません。なお、同協定第29条第2項により、課税価格の総額が20万円、またはこれに相当する額を越えない価格の産品については、原産地証明書の提出は義務付けられていません。発給申請は、窓口のみ可能です。
Stout & Porter | アルコール分5.8%以下 | HS 2203.00.11 |
その他 | HS 2203.00.19 | |
Beer & Ale | アルコール分5.8%以下 | HS 2203.00.91 |
その他 | HS 2203.00.99 | |
Medicated Samsoo (薬用シンガポール地酒) |
アルコール分40%未満 | HS 2208.90.10 |
アルコール分40%以上 | HS 2208.90.20 | |
Other Samsoo | アルコール分40%未満 | HS 2208.90.30 |
アルコール分40%以上 | HS 2208.90.40 |
作成方法と発給申請
基本的な作成方法は、一般原産地証明書と同様です。特に注意すべき点のみ記載しています。
- 用紙
指定の偽造防止加工用紙を利用します。連続記載方式およびアタッチシート方式による申請はできません。 - Print ORIGINAL or COPY 欄
- 原本の1枚目は「PREFERENTIAL ORIGINAL」と印字します(「ORIGINAL」の表示は不可)
- 2枚目以降は全て「COPY」と印字します
- 申請可能部数は、3部以内です。それらに加えて、弊所の控えとして1部必要です
- 5欄 Transport details
- ①出港日、②積込地・国名(Japan)、③積載船名/便名、④仕向地・国名(Singapore)を記入します(”By Sea”など省略した形式の記載は不可)
- シンガポールへの直行船を使用しない場合は、経由地の記載も必要です(例 via Hong Kong)
- 7欄 Marks, numbers,……; description of goods
Commercial Invoiceに記載の商品のうち、特恵関税対象商品のみを特恵原産地証明書上に記入します- 産品名に併せて必ずシンガポールのHSコード(税番)を付記します
- 宣誓文(We certify……等)は記載できません
- 空白がある場合には、斜線(消し線)で抹消します
- 9欄 Declaration by the Exporter
- 登録のある署名者の肉筆署名を記入します
- 発給申請
窓口で肉筆証明の発給依頼書、記入済み特恵原産地証明書、典拠書類のCommercial Invoiceを提出します - 訂正と再発行
- 証明書発給「後」には、記載内容の訂正は一切できません
- 紛失等による「PREFERENTIAL ORIGINAL」の再発行はできず、代わりに原本の写しを発給することができます
- 申請にあたっては、Print ORIGINAL or COPY欄に 「PREFERENTIAL DUPLICATE」 と印字し、Description of Goods 欄の上部に「ORIGINAL MISLAID CERTIFIED TRUE COPY」 と記入します
経緯
2002年1月13日に日本・シンガポール経済連携協定(EPA)が締結され、同協定により、関税が撤廃される品目について、第3国からの迂回輸入を防止するため、日本の商工会議所が発給する「特恵原産地証明書」の提出が義務付けらました。通常、特恵関税の適用を目的とした「第一種特定原産地証明書」の発給は、日本商工会議所が行っていますが、同協定に基づく特恵(日本産)原産地証明書のうち、ビール等4品目に対する証明書に限り、一般の原産地証明書と同様に、各地の商工会議所が発給することになっています。
Sign証明におけるマレーシア向け中古機械等の製造年記載
マレーシア政府が規制する中古建機等を同国に輸出する場合、中古機械等の製造年を記載した宣誓書を作成し、商工会議所によるSign証明を取得することが求められています(原産地証明書への製造年の記載はできません)。発給申請は、窓口でのみ可能です。
典拠資料 | 対象となる建設機械または車両 | HS code |
---|---|---|
末梢登録証明書 発行者: 陸運支局 |
ROUGH TERRAIN CRANE | 8426 41 000 |
TO BE MOUNTED-MULTILIFT HOOKLIF, CONTAINER HANDLING, LIFTING FRAME, ROLLER ROLL MULTILIFT, HYDRAULIC CRANE, CARGO CRANE, TRACTOR TO BE MOUNTED CRANE** |
8426 91 000 | |
TRACTOR MOUNTED CRANE** | 8426 99 000 | |
PRIME MOVER** | 8701 20 220 | |
CRANE LORRIES | 8705 10 000 | |
MOBILE DRILLING DERRICKS | 8705 20 000 | |
CONCRETE MIXER TRUCK | 8705 40 000 | |
AERIAL PLATFORM | 8705 90 000 | |
MANLIFT | 8705 90 000 | |
MOBILE GENERATOR TRUCK | 8705 90 000 | |
ZOOM LIFT TRUCK | 8705 90 000 | |
SKYMASTER/SKYLIFT | 8705 90 000 | |
MOUNT BOOM LIFT | 8705 90 000 | |
CONCRETE PUMP TRUCK | 8711 90 000 | |
特定自主検査実施経歴書 発行者: 日本建設機械工業会 |
CRAWLER CARRIER | 8704 10 211 |
AERIAL PLATFORM | 8705 90 000 | |
MANLIFT | 8705 90 000 | |
ZOOM LIFT TRUCK | 8705 90 000 | |
SKYMASTER/SKYLIFT | 8705 90 000 | |
MOUNT BOOM LIFT | 8705 90 000 | |
CONCRETE PUMP TRUCK | 8711 90 000 | |
譲渡証明書 発行者: 日本建設機械工業会 |
DUMP TRUCK | 8704 10 219 |
DUMP TRUCK | 8704 10 311 | |
DUMP TRUCK | 8704 10 319 | |
DUMP TRUCK | 8704 23 220 | |
クレーン設置届 発行者: 労働基準監督局 |
OVERHEAD TRAVELING CRANE | 8426 11 000 |
BOOMLIFT USED, MOBILE CRANE | 8426 12 000 | |
DISMANTLED MANITAU, DECK CRANE, HANDLING EQUIPMENT (New only) | 8426 19 000 | |
BRIDGE CRANES | 8426 19 100 | |
TOWER CRANE (NEW ONLY) | 8426 20 000 | |
JIB CRANE HYDRAULIC C/W ACCESSORIES, PILLAR MOUNTED SLEWING JIB, SHAPE PORTAL CRANE |
8426 30 000 | |
ROUGH TERRAIN CRANE | 8426 41 000 | |
DRAGLINE CRANE, CRAWLER CRANE | 8426 49 000 | |
TO BE MOUNTED- MULTILIFT HOOKLIF, CONTAINER HANDLING, LIFTING FRAME, ROLLER ROLL MULTILIFT, HYDRAULIC CRANE, CARGO CRANE, TRACTOR TO BE MOUNTED CRANE** |
8426 91 000 | |
TRACTOR MOUNTED CRANE** | 8426 99 000 | |
PRIME MOVER** | 8701 20 220 |
- *All the machinery quoted by Government of Malaysia.
- **These construction machineries are certified by both “EXPORT CERTIFICATE” and “NOTIFICATION OF CRANE INSTALLATION”.
作成方法と発給申請
- 各種エビデンス文書の準備
対象中古建機の場合、以下の3点の書類を作成します- 製造年についての申請者宣誓書
- 中古建機毎に決められた必要典拠書類の英語訳本
- 中古建機毎に決められた必要典拠書類の原本
- 発給申請
資料の左肩をステープラーで留めて、窓口で発給依頼書、(1)で作成した各種文書を提出します
経緯
マレーシアには、中古建機を含む輸入車両への台数規制 (AP:Approved Permit)が存在します。これは、製造後の経過年を基準にした輸入規制であるため、過去には原産地証明書への製造年記載を可能とする運用を行ってきました。しかし、発給後に製造年を追記する等の偽造が多発したことから、日本商工会議所とマレーシア政府が協議した結果、2010年1月から現在の運用となっています。
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)に係る原産地証明
ワシントン条約の附属書Ⅰと附属書Ⅱに掲載している種類、および附属書Ⅲの「掲載国原産(※1)」については、経済産業省の輸出承認証やCITES輸出許可証等が必要となり、原産地証明(書)の取得は必要ありません。しかし、附属書Ⅲの「非掲載国原産(※2)」の種を輸出しようとする場合には、商工会議所が発給する原産地証明(書)により、当該種が非掲載国原産であることを示す必要があります。発給申請は、オンライン・窓口のいずれでも可能です。
- 附属書Ⅲの種の名称に括弧書きで付記されている国を原産とする場合
- 附属書Ⅲの種の名称に括弧書きで付記されている国以外の国を原産とする場合
作成方法と発給申請
- 原産地証明(書)の作成
「7 Marks, numbers,……; description of goods」に下記3項目(CITES required information)を記載し、原産地証明書を作成します- 種の原産国(対象貨物が捕獲、採取又は繁殖された国又は地域)
- 対象貨物の由来(ワシントン条約に定めるソースコード)
- W
- 野生から取得した動物又は植物、これらの個体の一部又は派生物
- F
- 飼育により繁殖させた動物(Cの区分に該当しないものに限る。)、その個体の一部及び派生物
- R
- ランチング事業から生まれた動物、その個体の一部及び派生物
- D
- 商業目的で飼育により繁殖させた条約附属書Ⅰに掲げる動物又は商業目的で人工的に繁殖させた附属書Ⅰに掲げる植物、これらの個体の一部及び派生物
- A
- 人工的に繁殖させた植物(条約附属書Ⅰに掲げる植物にあっては、非商業目的で繁殖させたものに限る。)、その個体の一部及び派生物
- C
- 飼育により繁殖させた動物(決議10.16において定義される「制御された環境で生まれたか又はその他の方法で産出された標本」の要件を満たすものに限る。)、その個体の一部及び派生物
- U
- 出所不明の動物又は植物、これらの個体の一部及び派生物
- I
- 没収又は押収された動物又は植物、これらの個体の一部及び派生物
- O
- 条約適用前に取得された動物又は植物、これらの個体の一部及び派生物
なお、Oの場合は、取得年月日等を括弧書きで記載する。
例 :Source-O (Acquired in October, 1975)
- 対象貨物の目的(パーパスコード)
- T
- 商業 = Commercial
- Z
- 動物園 = Zoos
- G
- 植物園 = Botanical gardens
- Q
- サーカス及び移動展示会 = Circus and travelling exhibitions
- S
- 科学 = Scientific
- H
- ハンティング・トロフィー = Hunting trophies
- P
- 個人 = Personal
- M
- 生物・医学研究 = Biomedical research
- E
- 教育 = Educational
- N
- 野生への返還又は野生化 = Reintroduction (or introduction) into the Wild
- B
- 繁殖又は人工栽培 = Breeding in captivity (or artificial propagation)
(注)当該貨物の輸出が商業取引であっても、輸入者が動物園、植物園又は博物館等の場合にあっては、「動物園」、「植物園」又は「科学目的」に区分のこと
- エビデンス文書の準備
貨物の原産国を確認するため、以下のいずれかの書類を準備します- 日本産の輸出(オンライン発給申請の場合はフォトコピー可)
- 日本国原産宝石珊瑚原木輸出にかかる組合証明書願
- 販売者又は譲渡者(次の組合員発行)の販売証明書又は譲渡証明書
→対象組合:日本珊瑚商工協同組合、高知県珊瑚協同組合、阪神珊瑚協同組合、全高知珊瑚協同組合連合会、日本珊瑚原木組合、宿珊会 - 国内で繁殖した場合は、繁殖証明書
- 外国産の再輸出
- 日本税関の通関済みの輸入許可書(I/D)のフォトコピー
- 輸入に際し、相手国管理当局等が発行した輸出を認めた旨の書面(輸出許可書等)もしくは原産地証明書のフォトコピー
- 日本産の輸出(オンライン発給申請の場合はフォトコピー可)
- 発給申請
窓口またはオンラインで、発給依頼書、原産地証明(書)、典拠書類のCommercial Invoice、エビデンス文書を提出します
経緯
日本では、経済産業省が原産地証明書を発給していないため、ワシントン条約で記載が求められている項目を例外的に原産地証明書の「7. Marks, numbers,……; description of goods」に記載することにより、対応することとなっています。
香港向けモクズガニ輸出に関する衛生証明(書)
香港向けに日本産モクズガニ(Eriocheir japonicus)を輸出する場合、農林水産省が定める「香港向け輸出モクズガニの取扱要綱」に基づく手続きが必要です。同要綱では、香港政府の指定フォーマットにより作成され、香港政府に事前登録を行った発行機関が認証した衛生証明(書)の提出が求められており、幣所は証明書発行機関の一つとなっています。発給申請は、窓口でのみ可能です。
作成方法と発給申請
- 指定フォーマットをダウンロードします
- 必要事項を記入します
(記入項目補足)- Common name and scientific name:モクズガニの一般名および学名
- 日本の在来種はモクズガニ(学名:Eriocheir japonicus)のみ
- Producing district:漁獲した都道府県名
- A product classification:漁獲方法(養殖、野生捕獲等)
- Capturing area(採取水域):都道府県名、市町村名、河川名・湖
- Common name and scientific name:モクズガニの一般名および学名
- 発給申請
窓口またはオンラインで、発給依頼書、衛生証明書を提出します
経緯
2018年9月1日より、香港政府は、輸入モクズガニ類のダイオキシンの基準値超過等を踏まえ、「モクズガニ(Eriocheir japonicus)」の輸入にあたり、衛生証明書の発行を求めるようになっています。
マカオ向け日本産食品についての放射性物質輸入規制に関する申告書
マカオ向けに、日本の9都県(宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野)産の食品を輸出する場合、マカオ政府の指定フォーマットにより作成され、商工会議所等が認証した放射性物質輸入規制に関する申告書(Declaration for Radiation Monitoring for Macau)の提出が求められています。発給申請は、窓口でのみ可能です。
作成方法と発給申請
-
指定フォーマットをダウンロードします
- 商品数により、1枚に収まらない場合、アタッチシートを利用
- 必要事項を記入します
- 記入方法は農林水産省の「マカオによる日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を参照
- 発給申請
窓口またはオンラインで、発給依頼書、放射性物質輸入規制に関する申告書を提出します
経緯
2019年10月24日より、これまで課されていた輸入規制措置が一部緩和され、日本の9都県(宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野)産の野菜、果物、乳製品、食肉・食肉加工品、卵、水産物・水産加工品を輸出する場合、放射性物質輸入規制に関する申告書の提出が求められるようになっています。
ドバイ向け日本製食品の衛生証明(書)
ドバイ向けに日本製食品を輸出する場合、ドバイ市政庁の指定フォーマットにより作成され、商工会議所等が認証した衛生証明(書)の提出が求められています。発給申請は、窓口でのみ可能です。