夜の大阪 観光情報 体験レポート

大阪の地ビール事情

2012年12月25日、日本の地ビールの父であり、大阪の箕面ビールの創業者である大下正司氏が業務中の事故により亡くなられました。彼の死は悲しまれましたが、地ビールを有名にした彼の偉業は、醸造長であった長女の香織さんの有能な手によって引き継がれました。
大下氏の偉業を称えるには、箕面ビールの3つの直営店「Beer Belly」の1つに行ってみるとよいでしょう。最適な条件で鮮度を維持され、樽に手作業で詰められたビールをはじめ、醸造所から直接提供される地ビールをいただくことができます。箕面ビールは長年国際的な賞を受賞してきましたが、香織氏の手による新製品の「ゆずホ和イト」はFruit Wheat Beer部門で、2012年世界金賞を受賞しました。メニューは店により異なり、それぞれお勧めがあります。例えば全国各地の14種類のビール、土佐堀店のフィッシュ&チップス、江戸堀店のよだれのでそうなバーガー、天満店の発酵タンクと肉のグリルなどがあります。
大阪のビジネス街にある「Qbrick」は当初輸入ビールの取り扱いから始まりましたが、現在は主に地ビールを扱っています。地下に増設されたスペースの、素朴な木の雰囲気が落ち着きます。約14種類のビールからお好みのものを見つけることができます。もしなければ、冷蔵ケースのなかに地元及び海外の瓶ビールが約200種類入っています。お勧めはソーセージですが、ジューシーなラムのグリルもはずせません。気さくでフレンドリーなお客さんが多い「Qbrick」にぜひお立ち寄りください。営業時間は午後5時から午後10時までです。
街の反対側に最近オープンした2店も、急速に人気を集めています。梅田スカイビルディング(夕日を眺めるのによいスポット)近くにある「Craft Beer Base」は酒店とパブを兼ねています。他の店とは違い、内装はシンプルで明るく、1階にカウンター、2階にテーブル席があります。地元と外国の4種類のビールのみなので回転が速く、新鮮な地ビールが飲めます。人が入れるほど巨大な冷蔵庫はアリババのビールの洞窟のようで、ビールを自宅に持ち帰ることもできます。
堺市の「エニブリュ」は社交的な男性、西尾圭司氏が運営しています。21種類の地ビールを揃え、うち3種類を1,100円で飲み比べできたり、国内の地ビール関係者との幅広いネットワークからうまれた特別なコラボレーションによるビールが味わえたりできるとあって、週末はすぐに満席になります。おいしくて、大半がオーガニックな料理や、要予約の飲み放題のコースもあります。

梅田の「モルト」、天王寺の「レゼット」、心斎橋近くの「Kamikaze」でも、日本のおいしい地ビールを楽しめます。もし大阪以外を旅するなら、「Japan Beer Times」を読めば醸造所やパブに関する役に立つ情報が得られます(今は若干東京中心ですが)。乾杯!

By Jean-Yves Terreault