「制度と論理のもつ意味―『制度ロジック』は必要な概念か」
東京大学大学院経済学研究科講師 舟津昌平氏
(講演概要) 2000年代、経営学を中心に、国際的に研究が量産される(された)概念として、「制度ロジック」が挙げられます。5,000本を超える出版論文から多数の知見が生み出された他方で、主要な論者のひとりであるソーントンが著作で「バズワード化している」と警鐘を鳴らしたとおり、概念が濫用されているという批判が内部からも起きていました。知的流行といわれるように、学界でも一般社会と同じく、流行り言葉が生まれては消えていくという現象があることは否めません。制度ロジックは、バズワードに過ぎなかったのでしょうか。批判を浴びた流行語の価値を確かめるという観点から、制度ロジックと制度派組織論について考えたいと思います。