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360者の製品・サービスが一堂に |
大阪勧業展 「関心」登録で効率よく商談 |
大阪商工会議所と堺商工会議所、大阪府商工会連合会は、大阪府内全ての商工会議所・商工会と連携し10月16、17日、「大阪勧業展2024」を開く。同展示会は大阪府内の企業・団体が一堂に会し、自慢の製品やサービスをアピールする多業種型の総合展示商談会。 今回は19回目の開催。約360企業・団体が出展予定で、そのうち約4割が初出展。業種は金属、機械・器具・部品、化学・エネルギー、繊維、建設・建材、生活関連用品、環境・衛生、食品、紙・印刷、情報・通信、サービス、各種団体などの全12業種。 前回の来場者からは「にぎやかで楽しい展示会だ」「色々な情報収集に役に立った」「自社で活用できる素材が見つかった」「次は出展することを検討している」などの声が寄せられた。 今年度もオンラインマッチング機能を設けている。来場登録する際に関心項目(複数可)を選択すると、興味に即した出展企業が自動でリストアップされ、その企業と展示会前から直接コンタクトが取れる。入場証にもリストが記載されるので、効率よくブースを巡り、成約可能性が高い商談ができる。 10月16日は午前10時~午後5時、17日は午前9時30分~午後4時、マイドームおおさか(大阪市中央区)で。入場無料。同展ホームページに事前登録し、当日は入場証を印刷・持参することで、受付に並ばずスムーズに入場できる。 【問合せ】運営事務局TEL06・6944・6242 |
中小企業対策を要望 |
更家委員長 中企庁長官に建議 |
大阪商工会議所は「2025年度中堅・中小・小規模企業対策に関する要望」の実現に向け、更家悠介中堅・中小企業委員長(サラヤ社長)が8月6日、山下隆一中小企業庁長官を訪問し、要望の実現を求めた。 更家委員長は、エネルギー・原材料価格の高騰や人件費などの上昇、不十分な価格転嫁など、中小企業などを襲う“歪み(ひずみ)”を解消するべく、「賃上げ」「労務費を含めた価格転嫁」に向けた支援を強く訴えた。加速する人手不足対策としては、省力化に資する補助金の拡充や、省力化投資を推進する人材の確保・育成支援を要望。また、事業承継・M&A、再生・廃業、起業などの支援強化とともに、外国人材の受け入れや大阪・関西万博を活かした成長支援などを求めた。 これに対して、山下中小企業庁長官は「価格転嫁は極めて重要で、公正取引委員会と連携して推進する。中小企業省力化投資補助金は、企業ニーズを踏まえて補助対象製品の拡充を検討したい」と応じた。 【問合せ】企画広報室TEL6944・6304 |
脱炭素経営に資する製品・サービス集結 万博に向けた特別展示も |
カーボンニュートラル・チャレンジフェア |
大阪商工会議所は10月16、17日、「カーボンニュートラル・チャレンジフェア2024」をマイドームおおさか(大阪市中央区)で開く。大阪勧業展と同時開催。 同フェアは、カーボンニュートラル実現に資する製品やサービスを紹介する展示商談会で、今回で3回目。「100%植物由来・生分解性のバイオプラスチック」や「脱プラに貢献する段ボール」などの製品を有する10社が出展する。 大阪・関西万博に向けた特別展示として、万博の建設現場で活躍中の竹中工務店「モバイルハウス」、万博会場への移動手段として注目されている岩谷産業「水素燃料電池船(模型)」も登場。来場者にカーボンニュートラルやSDGsに対する関心を高めてもらうとともに、出展企業との商談や連携などを促す。入場無料。 【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300 |
全国の大学発新興11社が登壇 |
9月12日にピッチイベント |
大阪商工会議所はこのほど、大学発スタートアップの事業展開を支援するプログラム「U―START UP KANSAI 2024」のオープンピッチに登壇するスタートアップ11社を決定した。オープンピッチは9月12日、グラングリーン大阪内「JAM BASE」(大阪市北区)で開く。今回で4回目の同プログラムには、北海道から沖縄まで全国37の大学から、昨年比約2倍の75件のエントリーがあった。 同プログラムは、国内外の市場開拓に取り組む全国の大学発スタートアップ、大学シーズの事業化を目指す個人、グループなどを対象に、その成長を支援し、社会実装(製品化)できるまで支援するもの。 次世代のロボットハンドや再使用が可能な小型ロケット、iPS細胞を用いた遺伝子細胞治療製品など、先端的な大学の研究内容に基づいた技術・製品が発表される。 登壇企業には、米国展示会「CES」への無償出展権、大阪市内での製品展示場所の提供など、事業拡大を後押しする副賞を提供。会場にはスタートアップとの連携意欲が高い大手企業などが「共創パートナー」として参加し、スタートアップからの連携相談も受け付ける。 《 登壇企業(社名五十音順)》 iXgene(東京都) EF Polymer(沖縄県) AutoPhagyGO(大阪府) オーシャンアイズ(京都府) Octa Robotics(東京都) Thinker(大阪府) SPACE WALKER(東京都) TopoLogic(東京都) ハイドロヴィーナス(岡山県) Planetary Wellness(京都府) モーションリブ(神奈川県) 【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300 |
過去最多83社のバイヤーが参加 |
11月14日、売れ筋商品発掘市 |
大阪商工会議所は、11月14日、大阪府立体育会館(大阪市浪速区)で「第28回買いまっせ!売れ筋商品発掘市」を開く。今回は、スーパー、専門店、外食企業を中心に新規22社を含む過去最多となる83社の買い手企業が参加する予定。 同商談会では、大手流通業のバイヤーが買い手企業としてブースを構え、そこに全国の中小製造業、卸売業が売り手企業として直接売り込みをかける。商談分野は、食品、食材(一次産品含む)、住・生活雑貨、衣料、家具、地域特産品など。売り込み型商談会としては日本最大規模。 売り手企業の参加申し込みはホームページで受け付ける。10月28日締め切り。先着順で定員1000人。参加費は会員1人9,000円、一般は同18,000円。 【問合せ】流通・サービス産業部TEL6944・6440 |
実務の観点から法律の基礎知識を学ぶ |
大阪商工会議所は、企業の法務・総務担当者に必要な法律の基礎知識を実務の観点から学ぶ「2024年度企業法実務基礎講座」を開催する。会場参加に加え、オンラインも併催。 大手企業の法務部門責任者らが講師を務め、会社法、契約業務、独禁法・下請法、労働法、個人情報保護法など幅広い分野を解説する。受講者からは「書籍に書かれていない実務が分かりやすく学べる」「交流会で社外ネットワークも構築できる」と大変好評。 10月2日から11月20日までの毎週水曜日、全16講座。参加費は会員49,850円、一般74,850円。 【問合せ】企画広報室TEL6944・6304 |
「BMイベント」開設 |
セミナー開催や商談会出展の情報発信 |
大阪商工会議所が事務局を担い全国の29万社が登録されている商取引支援サイト「ザ・ビジネスモール」は、新たに「BMイベント」をサイト内に新設し9月から運用を開始した。 登録企業が自ら開くセミナーやイベントの周知広報、商工会議所や支援機関が開く展示会や商談会への出展情報(来場促進)などがサイト内の特設コーナーにピックアップ表示される。 掲載は無料。情報の掲載方法は、通常の「ザ・ビジネスモール」の情報掲載方法と同じ。 情報発信する側のみならずセミナーやイベント、商談会などの情報を収集したい方にも効率的な情報源となる。 【問合せ】経営情報センターTEL6944・6353 |
万博と企業家たち <2> |
大林芳五郎 大林組創業者: 第5回内国勧業博覧会の施設建築 |
1903(明治36)年、大阪の天王寺今宮で第5回内国勧業博覧会が開催されました。大林芳五郎率いる大林店(当時)は、東京の建設業者と熾烈な競争の末、ほとんどの会場施設工事を落札しました。 同博覧会の開催地は第4回の京都を除き全て東京でしたが、大阪商工会議所第7代会頭の土居通夫が中心となり、中央政界に猛運動を実施。接戦の末、第5回の大阪開催が決定しました。芳五郎が工事の落札に並々ならぬ意欲を見せた背景には、こうした事情がありました。 芳五郎の発案のもとにつくられた「大林高塔」は、木造としては前例がない高さ45メートルでエレベーターも完備。人気を集め、後の「通天閣」のヒントとなりました。他にも美術館、工業館、機械館などが立ち並び、参考館では初めて外国の出品物が陳列され、自動車(蒸気)、冷蔵庫、タイプライターが、日本で初披露されました。 来場者は5カ月の会期で530万人に達し、施設の多くを独力で建設した大林店の実力が認められ、芳五郎の名が全国的に知られることになりました。 |
マクロミクロ――お客様は神様です!? |
「お客様は神様です」と言えば昭和世代なら三波春夫さんを思い浮かべる。長女の美夕紀さんは、父の意図と違う形で解釈されていることに困惑する。「父はお客様を神様とみて、神前で祈る時のような気持ちで歌っていた」とし、今は「お金を払ってるんだ。お客様は神様だろ?」とクレームの恰好の言い分となっている▼SNSの普及により、匿名で投稿できるため、「ネットに悪評を拡散させる」と脅迫するクレーマーが増えた。厚生労働省が昨年12月に実施した調査でカスタマーハラスメントを受けた企業の約6割が「従業員の意欲・エンゲージメントが低下した」と回答した。カスハラに対しては警察への通報など、毅然とした対応を取り、従業員を守る対策が必要だ▼クレーマーは日本の労働生産性の足かせとなる。日本の生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟38カ国中30位。これはサービス業の生産性が低いためと言われている▼「お客様は神様」「安いのがいい」という日本の価値観が、過剰なサービスを提供した。サービスと価格のバランスをいかに取るかが日本の生産性を上げる鍵となる。(m&m) ◆個人情報の取り扱い 大阪商工会議所が主催するセミナーなどの参加申込書にご記入いただいた情報は、大商からの各種連絡・情報提供に利用するほか、講師には参加者名簿として提供します。 |
北陸新幹線の早期全線開業へ |
関西経済界が連名でコメント |
大阪商工会議所は8月7日、関西経済連合会や関西経済同友会、京都・神戸・大津の各商工会議所と連名で、北陸新幹線の小浜・京都ルートによる早期全線開業を求めるコメント「北陸新幹線の早期全線開業に向けて」を発表した。 同コメントは、同日に開かれた与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム北陸新幹線敦賀・新大阪間整備委員会で、敦賀以西の詳細ルートや駅位置の案が示されたことを受け、関西経済界としての意見を表明したもの。 今年3月に北陸新幹線の金沢・敦賀間が開業したが、残る敦賀・大阪間は、環境影響評価の遅れなどから、詳細ルートが決まらず、昨年度から2年続けて着工が見送られていた。 そのため同コメントでは、詳細ルート案がこのほど示されたことを「早期全線整備に向けた大きな前進」と評価。一方、当初15年としていた工期が最長で28年に延長されることについては、「懸念を感じている」とした。 その上で、東海道新幹線の代替補完機能、北陸と関西の連携強化や交流人口の増加、経済波及効果など、北陸新幹線の意義に触れ、「一日も早い全線開業をめざした機運醸成や、政府・与党への要請活動に一層力を尽くしてまいりたい」と決意を示した。 【問合せ】地域振興担当TEL6944・6323 |
北陸・関西の新興6社 企業連携に向けピッチ |
大阪商工会議所は9月18日、スタートアップ支援事業の一環として、北陸地方の企業とスタートアップとのマッチングイベントを初めて行う。 北陸三県(石川、富山、福井)と京阪神エリアから計6社のスタートアップが登壇。製造業のDXに資する生産管理システムや生成AIソリューションをはじめ、AIによる樹木観測システムや顕微観察技術など、先端テクノロジーを有するスタートアップが企業との連携に向けてピッチを行う。 午後2時30分~5時、ハピリンホール(福井市)とオンラインのハイブリット開催。無料。事前申込制。福井の会場では北陸地方の企業とのネットワーキングもある。 同プログラムは、これまでに東京、名古屋、札幌、福岡、広島など、全国の幅広い地域と連携し、各地の企業とスタートアップとの連携を推進してきた。 【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300 |
「核融合」の最新情報 |
中小企業にも商機 |
大阪商工会議所は9月25日、「次世代テックフォーラム 第2回新エネルギークラスター会議」を開く。 「フュージョンエネルギー(核融合)」をテーマに、京都大学発スタートアップ「京都フュージョニアリング」が核融合炉の基本構成と実用化に向けた課題を、大阪大学発スタートアップ「EX―Fusion」がレーザー核融合技術の特徴と応用可能性を解説する。中小企業の参入事例として、国際的な核融合実験炉ITERプロジェクトに参画する大和合金が自社の取り組みを発表する。 同会議では登壇者が技術ニーズやシーズも発表し、協業提案を受け付ける。フュージョンエネルギーの実用化には、特殊な素材や精密部品の開発などが必要で、大企業から中小企業まで参入の可能性が広がっている。 午後2時~4時40分、大商で。事前申込制。定員80人。 【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300 |
環境関連分野の技術ニーズ発表 |
リコー・東京ガス・リンナイ |
大阪商工会議所は9月27日、東京と名古屋の商工会議所と合同で「グリーンテックマッチング会」を開く。 同事業は、カーボンニュートラル分野におけるイノベーション促進のため、大企業が技術ニーズを発表し、中堅・中小企業からの提案を受け付けるビジネスマッチングで、2022年度に大商が初めて開催。23年度は名商と連携、今年度は東商も加わり、東名阪に規模を拡大して地域を超えたマッチング機会の創出を狙う。 大阪からリコー、東京からは東京ガス、名古屋からはリンナイが技術ニーズを発表する。 午後2~4時、会場とオンラインのハイブリッドで開催。無料。事前申込制。 【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300 |
若手が企業の枠超え共創 |
プロジェクト始動 |
大阪商工会議所は8月21日、「ツナガル若手共創プロジェクト」第1回を大商で開いた。 同プロジェクトは、所属企業の枠を超えて、19人の若手社員が参加し、活動テーマごとにチームを組み、課題解決に向けた企画を検討するもの。活動テーマは、「企業ブランド力向上」「若手のエンゲージメント向上」「若手の育成制度」。第1回では、活動テーマに関する自社課題や取り組みについてチームで意見交換した。 参加者からは、「違う業種でも共通する課題があった」「異なる考え方に刺激を受けた」などの声が寄せられた。全4回を通じて、企画力・合意形成力やイノベーティブな発想力を身につける。 【問合せ】研修・採用支援担当TEL6944・6421 |
あべの天王寺にぎわう |
体験プログラムなど |
大阪商工会議所南支部(支部長=秋田拓士・近鉄百貨店会長)は8月24~25日を中心に、「あべの天王寺・サマーキャンパス2024」を開いた。 工作やプログラミングなど地元のお店や企業のスタッフが専門知識を活かして企画した「体験プログラム」102件(うち、リアル77件、オンライン4件、大人向け21件)を実施した。また、「スタンプラリー」には延べ417人が参加。抽選会の抽選回数は8110回に上るなどにぎわった。今回初の「ミニらいとモルックNo.1決定戦inあべの天王寺」も盛り上がりをみせた。 【問合せ】南支部TEL6771・2211 |
会頭コメント |
日本銀行の政策金利引き上げについて 金融政策の正常化が一歩進み、停滞から成長する経済への歯車が回り始めるきっかけになることを期待したい。また利上げによって現在の円安水準が緩和され、中小企業の経営負担が軽減されることを望む。 しかし物価が高止まりしたまま、さらに上昇する一方、実質賃金が前年割れの状態が続き、国内景気の減退も懸念される。極度の人材不足のなか中小企業は離職防止のため防衛的な賃上げをしている現状にある。 政府・日本銀行におかれては、今後の景気動向を十分見極め、急激な金利上昇によって、中小企業が資金繰りに苦慮する事態がおきないよう金融システムの安定を第一に考えていただきたい。(7月31日) 日経平均株価過去最大の下落幅記録について 1987年のブラックマンデーに匹敵する過去最大級の日経平均株価の下落幅を記録した。 株価は経済状況、企業の活動、相場などにより市場で決まるので、アメリカの景気減速への懸念、円高の進行など複数の要因が相俟った全面安の展開となったと思われる。 政府には実体経済に影響が生じないよう万全を期していただき、すみやかな株価回復を確信する。(8月5日) 岸田首相の総裁選不出馬の表明について 岸田首相は熟慮の上で、非常に重い決断をされたと思う。 2021年の政権発足以来、「新しい資本主義の実現」、「成長と分配の好循環」、「異次元の金融緩和からの転換」など、日本経済を改革・強化する様々な政策を実行され、合わせてコロナ禍後の中小企業・小規模事業者に対する支援策を推進してきた岸田首相の功績は大きい。 世界が大きな転換期にあるなか、政府・与党におかれては、我が国の抱える諸課題の抜本的な解決、日本経済の持続的な成長のため、切れ目のない政権運営をお願いしたい。 エネルギー・原材料高、円安、人手不足等、中小企業・小規模事業者は依然として厳しい経営環境が続く。安心して持続的な賃上げ、また成長分野への投資に取り組めるよう、とりわけ、中小企業・小規模事業者に目線を合わせた支援策の継続に万全を尽くされたい。(8月14日) |
CHANGE FASHION チェンジファッション 大阪・関西万博に出展 <7> |
東紀繊維: 天然素材のよさを伝える |
「日本の丁寧なモノづくりを世界中に知ってもらいたい」。そう語るのは、天然素材の生地の企画、製造を手掛ける東紀繊維(大阪市)の大下喜昭専務取締役。同社の生地は欧州の著名ブランドにも採用され高い評価を得ている。 この生地を生み出しているのが、和歌山の自社工場にある伝統的な「吊り編機」。この編機を用いることで、糸そのものの質感を活かし、空気を含んでいるかのようにふっくらとした風合いを実現している。 同社は、営業担当者が企画も兼任。生産現場とも連携した社内体制としている。そうすることで、顧客の求めにスピーディーかつ柔軟に対応できるだけではなく、コンセプトやストーリーの共有まで含めた、愛着を持てるような生地の製造につなげている。また、日本国内に自社工場を持つことが、海外顧客の信頼も高めている。 「さらに天然素材の心地よさを感じていただきたい」。そのような想いから誕生したのが新ブランド「美衣」。化粧品メーカーとの連携で肌の水分量を上げる機能を持たせた。既に海外有名ブランドからも引き合いが来ている。 大阪・関西万博では、地球に優しい天然素材の良さを伝えるため、アパレル企業などとともに、植物をまとわせる「光合成する服」に取り組んでいる。 大下氏は「語り継がれる素材を作りたい。見た目ではまねされても、中身ではまねできない良さがあるのが日本のモノづくり。そのことを世界にアピールしていきたい」と期待を寄せる。 【問合せ】流通・サービス産業部TEL6944・6493 |
今ここにあるサイバー空間の危機と貴社の対応 <3> |
ランサムウエアへの対策 |
ランサムウエアへの「事前対策」として1つ目は、まずもって「侵入自体の低減」が肝要だ。インターネットの出入口に、悪性ソフトウエアや不正侵入を低減するUTMなどを置くこと、端末側にEDRという検知と隔離の仕組みを講じておくことが基本だ。 「事前対策」の徹底には、VPN機器を常に最新化し脆弱性が残存しないようにすることも重要だ。VPNとはバーチャル・プライベート・ネットワークの略。通信経路そのものは専用回線でなく一般のインターネット回線が使われるが、通信は安全に暗号化されているので、私的な土管を通過してくるようなイメージだ。本社と工場、テレワーク端末などとの間をそのバーチャルな私的ネットワークで結び、その上陸地点にVPN機器を置く。 ところがこのVPN機器は拠点間通信を行う以外に、システム業者などが自社の事務所などから遠隔保守などを行う場合にも利用される。問題なのは、システム業者などがユーザー側にVPN機器を設置した事実を十分伝えていないケースが多い点だ。ユーザーはVPN機器の物理的存在自体に気づいていないわけだから、当然「脆弱性に関する課題意識」もない。 VPN機器の脆弱性を突かれて不正侵入を許してしまいランサムウエアを仕掛けられる事例が後を絶たない。「安全のために設置したはずのVPN機器」が「サイバー攻撃の入口」になっているのだ。警察庁の令和5年調査によると、ランサムウエアの感染経路の71%がVPN機器となっている。「自社にVPN機器があるか? 脆弱性は残存していないか? 外から接続できるパソコンをIPアドレスで制限しているか?」直ちに確認すべきだ。 「事前対策」の2つ目はバックアップだ。データを暗号化されても業務が継続できるよう、一定頻度でデータのバックアップを取っておくことが基本となる。ローカルで外付けのハードディスクにバックアップを取る場合、そのハードディスクと端末群をLANケーブルでつないだままにしておかない、という点が重要だ。つないだままだと、バックアップ先のハードディスクまで暗号化されてしまう。バックアップを取る時だけ線をつなぎ、それ以外の時は線を抜く、というアナログな物理作業が必要となる。ITの知識など要らない。 また、バックアップを元に戻すリストア訓練を日頃からやっておく必要性もある。取れていると思っていたバックアップが取れていなかった、という事例も散見される。 「事後対策」としては以下が肝要だ。万一異変に気付いたら、すぐにLANケーブルを抜くという反射的行動を社員に徹底することが何より大切だ。最近のランサムウエアは感染後1.5秒くらいで活動を開始し、約3秒後に暗号化を開始し、約20秒で他の端末に伝染すると言われている。「LockBit3.0」のランサムウエアは10万ファイルの暗号化にわずか5分50秒しか要さないそうだ。社内でメール訓練などを実施する場合は、LANケーブルを抜くところまで訓練内容に含めるべきだろう。(大阪商工会議所 経営情報センター課長 野田幹) ◇ サイバー攻撃も「敵と己」を知れば対策の在り方も見えてきます。ITが苦手な方こそ読んでいただきたいカンタン・アナログ対策をご紹介します。 |
これが知りたい・伝えたい! 事業承継・M&A |
第3章: いつかくる引退の日にどう向き合うか? |
1時間でできる「事業承継計画」からスタート 大阪府事業承継・引継ぎ支援センター 統括責任者 兼田亜貴 「事業承継について考えないといけない、準備をしないといけないのは分かっているけど、多忙でねぇ……」。このような社長はとても多いのです。一方、「息子だから、いずれ継ぐことになるんだろうけど、社長(父親)はどう考えているか不安」という後継者も多いのも事実――。 そんな経営者の方へお薦めしたいのが「事業承継計画」の作成です。事業承継計画とは、経営計画(売上・利益等)に事業承継でやるべき事項を盛り込んだ長期(5―10年)計画書のことで、実は、紙とペンと付箋だけを準備すれば、なんと1時間でできてしまうんです。 作り方は、社長と後継者のそれぞれの年齢、仮決めした「社長交代の日」を書き入れます。そこから、逆算した「後継者教育(社内・社外)」「周囲の理解確保」「株式の(段階的)譲渡」――などの項目を付箋でペタペタっと貼っていく簡単作業。「〇年までには専務に」「×年までには海外出張させたい」「社長交代時に過半数の株式を後継者に渡す」など、思いつくままに付箋をペタペタと楽しみながら作成していきましょう。この作業、活用例は、①後継者と一緒に作成し、互いの意思疎通に活用②意中の後継者がいる場合は、「こんな計画で考えていますが後継者となってください」というラブレター(意向表明書)として活用③後継者未定の場合は、候補者の選定のタイムリミット(無理なら、M&Aや廃業を検討)の確認ツールとする――など様々。 事業承継は、社長が最後に行う最も重要な仕事。その日を晴れ晴れと迎え、第二の人生を謳歌するためにも有効な「事業承継計画」。 大阪府事業承継・引継ぎ支援センターで無料の策定支援を行っています。ぜひご活用ください。 |
五代友厚メモリアルウィーク 9月24~28日 |
大阪企業家ミュージアムは、大阪商工会議所の初代会頭を務めた五代友厚の命日(9月25日)にちなみ、9月24~28日に「五代友厚メモリアルウィーク」を実施する。 期間中は毎日、個人の来館者先着30人に「五代友厚マーク入りアクリルアンブレラマーカー」を進呈。特設コーナーで渋沢栄一から五代への書簡などの史料数点を現物やパネルで展示する。 【問合せ】大阪企業家ミュージアムTEL4964・7601 |
京阪電鉄の価値創造の軌跡たどる |
大阪企業家ミュージアムは10月24日、鉄道事業の黎明期に京阪電気鉄道の成長基盤を築いた太田光凞氏の生誕150周年に合わせセミナーを開く。 同氏は1910年に天満橋から京都五条までの鉄道事業の開始や日本初の急行列車の運行を実現。沿線開発では菊人形展の興行やひらかたパークの開園、成田山大阪別院の創建、沿線への学校の誘致などを行った。講師は京阪ホールディングスの岡本敏治経営企画室経営戦略担当部長。午後3時~4時30分、同ミュージアムで。定員40人。事前申込制。 【問合せ】大阪企業家ミュージアムTEL4964・7601 |
高年齢者の活用へ 賃金制度を解説 |
大阪商工会議所は9月25日、大阪府社会保険労務士会とともに、高年齢者を戦力化する人事賃金制度や処遇設計を解説するセミナーを開く。 同会所属の高口綾子・特定社会保険労務士が、高年齢者の活躍できる環境整備から制度構築までを助成金の紹介を交えて説明。生涯現役社会への課題と検討について淀川アクテスの事例も紹介する。午後2~4時、大商で。無料。定員80人。事前申込制。 【問合せ】経営相談室TEL6944・6451 |
新規事業・新商品開発の進め方 |
大阪商工会議所は10月9日、「新規事業・新商品開発の進め方セミナー」を開く。 基調講演では、マーケティング戦略コンサルタントの西口一希氏がお客に商品を届けて価値を創るマーケティングの仕組みを説明。事業計画作成のポイントを服部繁一・桃山学院大学准教授が解説する。三恵メリヤスは、アパレルメーカーによる洗濯石鹸の製品化までの開発事例を紹介。午後2~4時、大商で。無料。定員80人。事前申込制。 【問合せ】経営相談室TEL6944・6451 |
4~6月期 中小の業況3期ぶりに上昇 |
大阪商工会議所はこのほど、「第176回中小企業景況調査」の結果を取りまとめた。同調査は四半期ごとに実施し、今回は5月21日~6月1日に大阪市内の275社から回答を得た。 4~6月期の自社業況DI値(「好転」から「悪化」を引いた指数)はマイナス9.8と前期から12.3ポイント上昇し、3期ぶりに上昇。売上額DI値はマイナス3.6と前期から12.2ポイント上昇、資金繰りDI値はマイナス11.3と前期から5.9ポイント上昇、従業員数過不足DI値はマイナス13.5と前期から1.9ポイント上昇した。 「経営上の問題点」では、小売業で「仕入れ単価の上昇」が8期連続第1位となり、サービス業を除く3業種で単価上昇が共通課題となった。 【問合せ】経営相談室TEL6944・6451 |
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験 2023年度 受験申込者数・上位法人を発表 |
大阪商工会議所はこのほど、2023年度に「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」の受験申込者数が多かった大企業20社、中小企業15社の計35社を、各社のコメントとあわせて同検定試験ホームページ(https://www.mental-health.ne.jp/rank_d2023/)で公表した。 これは、同検定試験を活用して従業員のメンタルヘルス対策に注力していることを広く発信することにより、企業イメージの向上や人材確保などを側面から支援するのが狙い。 大商が全国の大規模商工会議所と共催で実施する「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」は、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を学ぶことで、従業員の心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを推進するのが目的。2023年度の申込者数は約5万3千人で、検定創設の06年度以降過去最高を記録した。試験日程や申込方法はホームページで確認を。 ■受験申込者数・上位法人の声: II種の取得を全社員に奨励 グリコマニュファクチャリングジャパン 社長 白石浩荘氏 従業員の健康維持・増進を重要な経営課題と位置づけ、従業員自身の主体的な健康づくりを積極的に支援しており、「健康経営優良法人」にも認定されています。弊社では、ココロもカラダも健康な従業員が多様な個性を引き出し合う環境づくりの一環として、全社員へメンタルヘルス・マネジメント検定II種の学習・取得を奨励しています。今後も、Glicoの存在意義(パーパス)である「すこやかな毎日、ゆたかな人生」の実現に向け、継続して取り組んでまいります。 [グリコマニュファクチャリングジャパン] 菓子、冷菓、食品、牛乳・乳製品の製造。従業員数3,576人。 大阪府大阪市。https://glico-recruit-gmj.com/ ![]() 【問合せ】検定試験センターTEL6944・6141 |
「昭和レトロ」で集客 |
商店街シンポ 事例も紹介 10月25日 |
大阪商工会議所流通活性化委員会(委員長=山本博史・小倉屋山本社長)は10月25日、商店街シンポジウム・大阪2024「商店街は『レトロ』で天下を取りに行く!~『ありのままレトロ』のPR戦略~」を開く。 現在、「昭和レトロ」がブームとなっている。若者に響く「レトロ」は様々であり、日常の商店街、商店の姿を「ありのまま」に伝えることで集客に成功しているところもある。 昭和レトロYouTuber・アーティストの菅沼朋香氏が「若者が『いいね!!』と感じる昭和レトロ」について講演。NPO法人石橋商業活性化協議会(大阪府池田市)の浅田圭佑氏とあべのベルタ商店街振興組合(大阪市阿倍野区)の阿部未奈子氏が商店街や商業施設でのレトロ集客の事例を紹介する。 聴講者は、商店街関係者だけでなく、「レトロ」の情報発信に取り組む商業施設、商店関係者も対象。午後2~4時、大商で。無料。事前申込制。 【問合せ】流通・サービス産業部TEL6944・6440 |
労務トラブル対策セミナー2024 |
事例や対応方法解説 |
大阪商工会議所は9月25日、「労務トラブル対策セミナー2024」を開く。 「労務トラブルの責任は誰が負うか?」と問われると、誰もが雇用主である会社や代表取締役だと思うかもしれないが、実際に裁判などになった場合、会社や代表取締役だけでなく取締役、監査役、上司、同僚までもが訴えられる可能性がある。責任には労働基準法、民法、会社法、刑法上など様々なものがある。 同セミナーでは、労務トラブルの実務対応上、問題になりそうな事例を取り上げ、対応方法と留意点を解説。講師は杜若経営法律事務所の岸田鑑彦パートナー弁護士。 午後2~4時、あいおいニッセイ同和損保フェニックスタワー(大阪市北区)で。無料。定員150人。事前申込制。 【問合せ】共済事業室TEL6944・6352 |
下請法・独占禁止法 |
専門相談で課題を解決 |
昨今の原材料の高騰や人手不足などを受け、中小企業においても賃上げのための原資の確保が必要となっており、政府もサプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる価格転嫁対策に力を入れている。 大阪商工会議所の経営相談室では、大阪府内の中小企業などを対象に、「下請法・独占禁止法」の無料相談を実施している。公正取引委員会の担当者が、事業者間の取引における価格転嫁に関する問題や下請代金の支払い遅延、買いたたき、発注物の受領拒否、不当返品など不公正取引について助言を行う。原則、第1木曜日午前10時~正午(休館日を除く)、大商で。無料。事前予約制。 【問合せ】経営相談室TEL6944・6472 |
活躍する女性リーダーたち <59> |
フラワーアンドグリーンプランニング フラワーアンドグリーンスタイリスト 加島公世さん |
装花を通じて地域へ貢献 大阪商工会議所は、活躍する女性リーダーを応援する表彰事業を実施している。当欄では同事業の受賞者を紹介する。 ◇ 子どもの頃から花や絵画に親しみ、学生時代に服飾デザインを学んだ。その後、フラワーアレンジメントの魅力にはまり、講師資格を取得。1997年に教室を立ち上げ、指導のほかブライダル装花の分野で活躍した。体調不良による休業、英国留学などを経て、2000年からフラワーアンドグリーンプランニングに参画。現場のリーダーとして、阪急百貨店のショーウィンドーをはじめ多数の商業施設、企業の装飾・コーディネートを手掛けてきた。 10年から大阪府認定職業訓練校で国家検定フラワー装飾技能士の講師、21年から専門学校で非常勤講師を務め、延べ700人以上を指導。また、同社が所在する東住吉区で企業や商店街などの協力を得て「花を通じて地域と地球の未来を考える活動」も行う。技能においてはコンテストで数々の受賞歴を持ち、23年度大阪府優秀技能者表彰(なにわの名工)を受賞。後進の育成、地域への貢献が評価され、同年度ブルーローズ表彰を受賞した。 「学生や地域の方と接するのは面白く、良い刺激、新たな着眼点をもらえます。今後も自身の技術を磨き続けるとともに、それを周囲に還元し、多くの人に花の素晴らしさを伝えていきたいです」 |
2024.09.30 Copyright(C) 1996-2024大阪商工会議所 |