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大商ニュース   2023/9/10号



大手流通73社が参加 バイヤーに直接売り込む好機
 

 大阪商工会議所は11月16日、「第27回買いまっせ!売れ筋商品発掘市」を開催する。普段アポイントを取るのが難しい大手流通業のバイヤーらが買い手企業としてブースを構え、売り手企業が直接売り込みをかけるタイプの商談会で、同種の事業としては日本最大級となる。このほど、ブース出展するバイヤー企業73社が決定した。売り手企業の参加申し込みを先着順で受け付けている。
 同商談会には百貨店やスーパー、通販、生協、専門店などを中心とした国内大手流通業のバイヤーが出展。国外に販路を持つ海外バイヤーも参加し、73社の約250人のバイヤーが買い手企業ブースで商談する。うち今回初めて出展する買い手企業は11社。最新の買い手企業と仕入れ希望商品情報は、ホームページに掲載。商談対象商品は、食品、食材(1次産品含む)、住・生活雑貨、衣料、家具、地域特産品など。
 現在、ホームページから売り手企業の参加を先着順で受け付けている。定員800人。昨年開催の前回は、総商談数3960件のうち22%にあたる863件が商談継続・成約となっており、これまで大手流通業と接点のなかった企業にとっては、販路を拡大する足がかりとなっている。
 午前10時~午後1時、午後2~5時、大阪府立体育会館(大阪市浪速区)で。売り手企業の参加費は会員1人8000円、一般同1万6000円。
 出展する買い手企業の情報は9月1日時点のもので、最新はホームページで確認を。

【問合せ】流通・サービス産業部TEL6944・6440


大阪勧業展に360者出展 10月18、19日 4割が初参加
 

 大阪商工会議所と堺商工会議所、大阪府商工会連合会は、大阪府内全ての商工会議所・商工会と連携し、10月18、19日、「大阪勧業展2023」をマイドームおおさか(大阪市中央区)で開く。これは大阪府内の企業・団体が一堂に会し、自慢の製品やサービスをアピールする多業種型の総合展示商談会。今回は360の企業・団体が出展する予定で、そのうち約4割が初出展する。今回も便利なオンラインマッチング機能を設ける。
 業種は金属、機械・器具・部品、化学・エネルギー、繊維、建設・建材、生活関連用品、環境・衛生、食品、紙・印刷、情報・通信、サービス、各種団体などの全12業種。4年ぶりに食品業種の出展も再開する。
 前回の来場者からは「順路が一方通行で回りやすく、提携先が見つかった」などの声が寄せられた。
 オンラインマッチング機能では、来場登録する際に関心項目を選択すると、関心に即した出展企業が自動でリストアップされる。その企業に事前に問い合わせができる他、入場証にも関心に即した出展企業が10社印刷され、効率よくブースを訪問できる。18日は午前10時~午後5時、19日は午前9時30分~午後4時。入場無料。来場にはホームページで事前登録が必要。

【問合せ】運営事務局TEL6447・0682


カーボンニュートラル実現に向け 脱炭素関連技術を展示
 

 大阪商工会議所は10月18、19日、カーボンニュートラル実現に資する製品やサービスを保有する企業と温室効果ガス排出削減などを求める企業の展示商談会「カーボンニュートラル・チャレンジフェア2023」を開催する。大阪勧業展と併催。
 11社が出展し、「ECOな段ボール製家具」「水と電気のみで室内農業を実現する装置」「中身が透けるクリアペーパーファイル」など自慢の脱炭素関連技術をアピールする。EVスタートアップのFOMMは世界最小クラスの4人乗り電気自動車を展示する。来場者のカーボンニュートラルに対する関心を高めるとともに、関連する企業との連携などを促す。
 マイドームおおさか(大阪市中央区)で。入場無料。事前申込制。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


北陸新幹線の早期全線開業へ 新大阪まで一気に整備を

 鳥井信吾・大阪商工会議所会頭と吉村洋文・大阪府知事が共同代表を務める北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会は7月31日、令和5年度 北陸新幹線早期全線開業実現大阪大会を大阪市内で開いた。
 同協議会は、北陸新幹線の新大阪駅までの早期全線開業の実現に向け、オール大阪で国などへ働きかけていくことを目的として2019年度に設立。今回開いた同大会には、国会議員や国土交通省、沿線商工会議所、大商議員ら293人が参加した。
 鳥井会頭はあいさつに立ち、「北陸新幹線は、北陸と関西の成長力を高める基幹インフラであると同時に、災害に打ち勝つ強靱な国土の形成に欠くことのできないプロジェクトだ。来春の金沢―敦賀間の開業を好機とし、機運を高めていきたい」とした上で、「大商も、北陸・関西連携会議を通じて早期全線開業に向けた取り組みを後押ししたい」と述べた。
 同大会では、敦賀―新大阪間の施工上の課題と着工条件を早期に解決し、新大阪まで一気に整備する▽地域の理解を得るため早い段階で詳細かつ丁寧な説明や情報提供を行う▽駅位置を早期に確定する▽財源検討における地方負担の軽減に配慮する――ことの4項目を強力に働きかけていくことを決議した。

【問合せ】地域振興担当TEL6944・6323


中小要望の実現へ直接建議 更家委員長が中企庁長官に
 

 大阪商工会議所は、6月に政府に建議した「2024年度中堅・中小・小規模企業対策に関する要望」の実現に向け、中堅・中小企業委員会の更家悠介委員長(サラヤ社長)と井内摂男専務理事が、8月4日に須藤治中小企業庁長官を訪ね、要望の実現を強く求めた。
 更家委員長は、足元で急激に進む人手不足への対応に全力で取り組むべきとして、省力化・デジタル化投資や人材確保・育成などへの力強い支援策の実行を訴えた。
 これに対し、須藤長官は「人手不足が加速する中、省力化・デジタル化などは最重要課題と考えており、支援に注力したい。コロナ禍から脱却し、新たな課題に向き合う中小企業などが成長を実現できるよう、IT導入補助金や事業再構築補助金などを通じて前向きな投資を後押ししていきたい」と応じた。

【問合せ】企画広報室TEL6944・6304


中小・新興に万博参画の機会 ウェルネスを実現するテクノロジーと空間
10月13日まで応募受け付け

 大阪商工会議所は10月13日まで、2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンへの出展希望者を募集している。メインテーマは「ウェルネスを実現するテクノロジーと空間」で、展示シーンには未来のオフィス空間を再現する。
 対象は、中小企業やスタートアップ、個人事業者および右記で構成するグループで、業種は問わない。素材や中間財の製造者、商社、マーケティング会社など、最終製品を持たない者でも、グループとしてプロダクト展示を提案できれば、エントリーが可能。
 「カラダの健康と美容を実現するオフィス」または「ココロとアタマの健康を目指したオフィス」のいずれかのテーマを選んで応募する。
 11月中に書類選考を行い、12月18日にピッチ選考を大阪中之島美術館(大阪市北区)で実施する。出展者数は合計で約30者。最終的な出展者の決定は、選考結果に基づいて、大阪ヘルスケアパビリオン推進委員会が23年度内に行う予定。

【問合せ】ライフサイエンス振興担当TEL6944・6484


法務・総務担当者向け 法律の基礎知識学ぶ講座
 

 大阪商工会議所は、企業の法務・総務担当者に必要な法律の基礎知識を実務の観点から学ぶ「2023年度企業法実務基礎講座」を開催する。会場参加に加え、オンラインも併催。
 大手企業の法務部門責任者らが講師を務め、会社法、契約業務、独占禁止法、労働法、PL法、知的財産権、個人情報保護法など、幅広い分野について解説する。受講者からは、「書籍に書かれていない実務が分かりやすく学べる」と大変好評を得ている。
 10月3日から11月21日まで、毎週火曜日の午後1時30分~5時の全16講座。参加費は会員45,320円、一般62,700円。事前申込制。

【問合せ】企画広報室TEL6944・6304


大阪府南部と都心部一体的な発展めざす 9月26日、シンポジウム
 

 大阪商工会議所は、大阪府南部と大阪都心南部を「グレーターミナミ」と位置づけ、一体的な都市経済圏としての発展を目指している。9月26日、大商は読売新聞大阪本社と共催で「グレーターミナミ活性化シンポジウム~グレーターミナミにおける新たな挑戦」を開く。
 大商の鳥井信吾会頭と読売新聞大阪本社の柴田岳社長の開会あいさつに続き、関西エアポートの山谷佳之社長CEOが「地域の発展に向けた空港の役割」をテーマに基調講演。大商の錢高一善都市活性化委員長(錢高組会長)が「グレーターミナミの重要性」を説明する。
 パネルディスカッションには、永野耕平KIX泉州ツーリズムビューロー理事長(岸和田市長)、岡嶋信行南海電気鉄道社長兼COO、ビヨン・ハイバーグ中川ジャパン代表取締役、嘉名光市大阪公立大学大学院教授が登壇する。
 午後4時30分~7時、テクスピア大阪(泉大津市)で。名刺交換会も実施。無料。事前申込制。

【問合せ】地域振興担当TEL6944・6323



マクロミクロ――坂の向こうの雲
 

 「なんや君は万博を知らんのかぁ」と万博後に生まれた私達の世代はよく言われたものだ。そうした発言は些か軽蔑と憐憫のニュアンスを含んでおり、相互に世代の壁を意識させるものだった◆時代の区切りとして、アメリカ人はよく「アフターベトナム」という言葉を使う。日本人の「戦後」に近い意味合いで。最近だと9・11とコロナが時代を分かつスレッシュホールド(境界)として使われることが多い◆最近ギョッとしたのがタモリの「新しい戦前」という言葉。極東情勢をふまえると、そういう時代に私達は生きているのかもしれない。戦争も怖いが自然も怖い。今夏は「これまでの夏で最も暑い夏」だった。しかし今後を展望すると、今夏は「これからの夏で最も涼しい夏」かもしれない◆一方で希望に満ちた境界もある。最近「これまで治らなかった病気」が治るケースが増えてきた。これは人間の叡智の賜物だ。「時代」は人間がかたち作るもの。「いのち輝く未来社会」のビフォーとアフターの両方にまみえる私達は、声高に、そして誇りをもって次の世代に告げたいものだ。「万博は時代を変えたよ」と。(七釦)


1号会議室と地下駐車場 工事期間中、利用を制限
 

 大阪商工会議所は、大商ビル内の空調設備更新工事を実施します。工事期間中、地下1階1号会議室と同階駐車場の利用を制限します。
【地下1号会議室の利用制限期間】
9月30日~10月4日、10月17日~11月7日
【地下1階駐車場の利用制限期間】
10月10日~11月19日
※G階駐車場のみ10台程度、駐車できます。
 なお、10月17日~11月7日は、全館の冷暖房が停止します。

【問合せ】管理担当TEL6944・6268


特集 スタートアップが飛躍する大阪・関西 Daisho Start-up Operation

 2019年6月、内閣府が示した「世界と伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市の形成」戦略。それを受けて、同年11月には京阪神3商工会議所会頭が内閣府特命担当大臣を訪問し、京阪神連携によるグローバル拠点都市の選定を建議。このような取り組みが功を奏し、京阪神地域は、「大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアム」として、スタートアップの集中支援に取り組むグローバル拠点都市に選定された。
 大阪商工会議所もスタートアップ・エコシステムを担う団体として約3万の会員ネットワークやこれまでのビジネスマッチングなどのノウハウを生かした包括的なスタートアップ支援を「Daisho Start―up Operation」と銘打って積極的に取り組んでいる。スタートアップの事業成長はもちろん、スタートアップとの共創による会員企業のイノベーション創出を目指す。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300

■スタートアップとの連携による会員の事業拡大と地域経済活性化へ
大阪商工会議所 スタートアップ小委員会委員長 中西 竜雄 
なかにし・たつお 1990年に中西金属工業に入社後、管理本部社長室部長を経て、2009年5月に同社4代目社長に就任。2021年3月から大商スタートアップ小委員会委員長。

 「政府は2022年をスタートアップ創出元年と位置付け、5カ年計画に沿って大規模なスタートアップの創出に乗り出している。スタートアップへの投資金額が日本の約8000億円(21年)に対し、米国は36兆円(同)と50倍近くの差があり、このままではますます差が開いていく。京阪神地域は『世界と伍するスタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市』に選定されている以上、私どもも、このエコシステムを構成する一員として、積極的にスタートアップを支援していかねばならない」。そう語るのは、大阪商工会議所の中西竜雄スタートアップ小委員会委員長。
大商は21年、スタートアップ小委員会を立ち上げ、中西委員長のもと、スタートアップからの要望を聞きながら、スタートアップ支援事業を展開してきた。同委員会メンバーからも「スタートアップの成長には、その段階に応じて多くの課題が存在する。スタートアップの支援体制は着実に拡充されているものの、まだ十分とは言えない。各支援機関の特色を活かし、それぞれの事業課題に即した支援を進める必要性がある」との声が多く聞かれる。
そこで大商は、販路拡大に悩むスタートアップのために、京阪神はもとより、商工会議所が日本各地にある強みを活かして、各地の有力企業とのビジネスマッチングを行うことで、新たな市場開拓のチャンスを提供している。また、技術課題の解決を目指すスタートアップに対しては、抱える課題を提示して外部からソリューションを求めるオープンイノベーション型や、独自の技術を披露し、その利用者を求めるシーズ型のマッチング会を開催している。さらには、資金力の乏しいスタートアップのために、金融機関などがそれぞれの投資ポリシーを紹介する説明会を開催し、外部資金調達の機会も提供している。
大阪・関西では25年に万博の開催を控える。万博は新しい技術やサービスを披露する場であり、スタートアップにとっては日本全国、さらには世界に向けて、その魅力を発信する絶好の機会。大商でも、スタートアップが万博に参画できるよう、様々な支援メニューを展開。特に、大阪ヘルスケアパビリオンの「展示・出展ゾーン」に出展を目指すスタートアップを支援する事業企画「リボーンチャレンジ」を5件実施し、同ゾーンに出展を希望する大阪のスタートアップの出展につなげている。
中西委員長は、「スタートアップの支援はスタートアップのみに裨益するものではない。スタートアップとの連携によって会員企業の生産性向上や新規事業開発にもつながる」と大商会員企業全体によるスタートアップ支援に期待を寄せている。

■在阪企業の多様性を推進
Lean on Me 代表取締役 志村 駿介氏

 「関西でもシード期のスタートアップに対する投資実績が増えており、それに伴い若手スタートアップの勢いも増している。スタートアップ同士や支援者との密接なつながりもあり、強固なエコシステムの中で成長を遂げている」と、関西における、特に若手スタートアップの動向についてLean on Me(リーンオンミー、大阪府高槻市)の志村駿介代表取締役は話す。関西のスタートアップの特徴としては、「地場の中小企業との連携に積極的に取り組んでおり、誠実な経営者が多い」とも評す。
同社は「障がい者にやさしい街づくり」をビジョンに掲げ、真のノーマライゼーションの実現を目指す。特に2025年の大阪・関西万博では、世界各国から様々なバックグラウンドを持つ方々が来阪することから、同社は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会とアドバイザリー契約を締結し、協会職員に対して同社のeラーニングを活用した研修を実施する。大阪・関西万博に対して、期待する一方で、「万博の価値は長期的な視点でとらえる必要があり、半年後、生きるか死ぬかを考えるスタートアップにとっては、その機会を十分生かしにくい面もある」と課題も語る。
2024年度から企業の障がい者法定雇用率が段階的に引き上げられる。「大きく影響を受けることが予想される中小企業と積極的に連携していきたい」と、今後は特例子会社やインフラ事業者など、様々な場面で障がい者と接する機会のある企業に対してアプローチする。
様々な人が行き交う大阪において、同社の存在価値は大きく、万博を契機に事業成長が期待されるスタートアップの一つである。
【会社ホームページ】 https://leanonme.co.jp/
会社概要 2014年創業。障がい者理解を深めるeラーニング研修「Special Learning」が主力。J―Startup KANSAI選定企業。

■関西から世界へ羽ばたく
フツパー アジア支社長 染谷 康貴氏

 フツパー(大阪市)は大阪商工会議所が実施する「スタートアップ販路拡大支援プログラム『COLUMBUS』」において、名古屋商工会議所と連携して2022年度に開催した、ビジネスマッチング会に登壇。「売り上げを確保しつつ、実際に現場の声を聞きながら製品の改良を進める必要がある我々にとっては、地域の枠を超えて導入候補先企業を紹介してくれるのは本当にありがたい」と同社の染谷康貴アジア支社長は語る。
同社は大商と連携し、同社のソリューションである「振動大臣」を大商の会員限定価格で提供するサービスも実施している。「スタートアップのサービスは大手企業と比べると価格優位性を持ちやすく、細かい稟議プロセスなどがないためスピーディーにソリューション導入が可能である。だからこそ、中小企業との親和性が高いと考えている。多くの中小企業に導入いただき、現場の声を踏まえたサービスの改善を、今後もスピード感をもって行っていきたい」と話す。
「関西の特徴は町工場のネットワークが強いこと。大商と連携することで、そういったネットワークを活用して企業へのアプローチを積極的に進めていきたい」と大商との連携に期待を寄せる。今後の展望について尋ねると「現在は、製造工程の一部分の効率化サービスに過ぎないが、将来的には製造工程全体の最適化にも取り組んでいきたい」と意気込みを語る。海外市場への進出や、海外からの資金調達についても積極的に検討しているという。
社名フツパーの由来はヘブライ語で「大胆さ、粘り強さ」を意味する単語。大阪・関西から世界に羽ばたくことが楽しみな、ガッツあふれるスタートアップの一つである。
【会社ホームページ】https://hutzper.com/
【大商との連携事業ホームページ】https://www.osaka.cci.or.jp/b/sndd/
会社概要 2020年創業。製造業向けの外観検査AIソリューション「メキキバイト」や工作機械IoTソリューション「振動大臣」が主力。J―Startup KANSAI選定企業。

■グリーンテックで社会課題解決
スパイスキューブ 代表取締役 須貝 翼氏

 スパイスキューブ(大阪市)は大阪商工会議所と大阪工業大学が運営する都心型オープンイノベーション拠点「Xport」の会員のスタートアップでもあり、同拠点内に同社の植物工場を展示している。大工大の学生が企業の課題解決に取り組む事業「RDクラブ」にも参画しており、「実績の少ないスタートアップにとって、Xportのような団体と連携することで、露出の機会も増える」と、同社の須貝翼代表取締役は話す。
同社は大商が実施する「カーボンニュートラル・チャレンジフェア」や「町工場ネットワーク」などを活用した販路の開拓や新規事業の創出にも取り組んでいる。「大商にはちょっとした困りごとを気軽に相談できて助かっている。補助金を活用することも多く、そういった際にも大商に相談している」。
大阪のスタートアップエコシステムによる支援も積極的に活用し、事業成長を遂げてきた。「2025年大阪・関西万博にも出展し、農業業界に革新をもたらしたい。そのためには、様々な支援機関で実施されているピッチコンテストやマッチングイベントに登壇し、連携実績をつくっていくことが大切。大きなインパクトをもたらすには一社単独では難しく、様々な企業と連携した事業展開が必要と考えている」と語る。
「オープンイノベーションを進めていくには既存企業にスタートアップへの関心を持ってもらうことももちろん重要だが、スタートアップも既存企業のビジョンに寄り添い、お互いに成長していくことが大切」と新たな視点も示す。
社会課題の解決にはスタートアップが有する新たな技術・サービスが必須。社会課題の解決とともに自らの事業成長も実現する、今後が楽しみなスタートアップの一つである。
【会社ホームページ】https://www.spicecube.biz/ 
会社概要 2018年創業。植物工場の事業化支援、農業装置の設計開発が主力。大阪府内に複数の自社植物工場も保有する。自称「農業オタク」。

■スタートアップ×大企業、中堅・中小企業、学生 課題解決や新たなビジネス創出へ
都心型オープンイノベーション拠点「Xport」

 大阪商工会議所は大阪工業大学とともに、オープンイノベーションによる課題の解決・新規事業の創出に向けて、2018年から都心型オープンイノベーション拠点「Xport」を運営している。
大阪工業大学梅田キャンパス(大阪市北区)8階のロボティクス&デザインセンター内に拠点を設け、ネットワークの創出、ビジネスマッチング、産学連携による企業の課題解決、人材育成などを促進する様々な事業を実施している。
具体的には、同拠点の会員企業が有する課題や新規事業を紹介し、解決策や協業先を求める交流会や、ムーンショット型の事業創出方法を学ぶワークショップ、同大学の学生が会員企業の課題解決に資する提案を行うプログラムなどを実施している。
同拠点は会員制で運営しており、オープンイノベーションに取り組みたい企業・団体などの参画を随時募集している。

■スタートアップの地域を超えた販路拡大支援 「COLUMBUS」
9月20日、大阪と名古屋の大手4社が協業ニーズ発表

 大阪商工会議所は、在阪スタートアップの地域の枠を超えた事業展開・販路拡大を支援する「スタートアップ販路拡大支援プログラム『COLUMBUS』」を実施している。同プログラムでは、日本全国の商工会議所をはじめとする支援機関・自治体と連携し、在阪スタートアップと現地の大手企業、中堅・中小企業とのマッチングを行う。
9月20日には、名古屋商工会議所と共催で、「ビジネスマッチング 協業ニーズ説明会」を開く。大阪と名古屋の大手企業4社(西日本高速道路、三井物産、東海理化、名古屋鉄道)が協業ニーズを発表し、全国のスタートアップなどからの提案を募り、個別マッチングを行う。
同事業においては名古屋商工会議所のほか、京都・神戸・福岡の商工会議所とも連携しており、広域でのマッチングを促進する。

■大学発スタートアップ事業展開サポート 「U―START UP KANSAI」
9月14日にオープンピッチ

 大阪商工会議所は、関西イノベーションイニシアティブ(代表幹事機関・公益財団法人都市活力研究所)とともに、大学の研究シーズや学生発のスタートアップなどから製品・サービスを募集し、企業とのビジネスマッチングによる国内外への事業・販路の拡大を支援するコンテスト形式のプログラム「大学発スタートアップ事業展開支援プログラムU―START UP KANSAI」を実施している。今回で3回目の開催。
9月14日には、広く参加者を募り、今年度の同プログラムで書類選考を通過した8社のスタートアップによるプレゼンテーション会(オープンピッチ)を開く。
同会を通じて、大学発シーズを活用したスタートアップとの協業を希望する事業会社とのマッチングを後押しする。


はじめの一歩! 事業承継・M&A
第3章 廃業 or M&A

大阪府事業承継・引継ぎ支援センター 統括責任者 兼田 亜貴
それぞれの社長が見た工場の風景

 夕暮れの工場地帯。去っていくトラックが消えるまで、いつまでも見守る老夫婦がいました。そこは昨日まで稼働していた工場ですが、いよいよご廃業の日を迎えました。別れを余儀なくされた「相棒」と社長が呼んでいた旋盤機械は、処分されるというのに、前の晩から奥様と時間をかけてピカピカに磨かれたそうです。「今までありがとう。ご苦労様」という気持ちを込めて。
汗だくで今まで一緒に頑張ってきた工場や機械たちと離れる日は、寂しさでいっぱいになると聞きます。ご廃業の話を聞くといつも冒頭のエピソードを思い出します。
一方、当センターのお客様の中で、廃業からM&Aへ方向転換された会社がありました。運良く、良い相手と巡り合い、会社の存続に成功。お祝いも兼ねてM&A後、工場に伺いました時に、引退直前の社長が、2階から手すりに体を預け、工場内をぐるりと見まわし、そして、安堵に満ちた柔らかい笑顔をされていたのが印象的でした。
当センターの相談企業様では、廃業よりも、誰かに引き継いでもらいたい、とM&Aを決意される方が増えています。お金の面に関してもM&Aをした方が、お手取りが多くなると一般的に言われています。というのも、廃業のために清算される場合は、一般的に①在庫や機械装置は処分価格となる②割増退職金の発生③株主への清算配当金について高い税率で課税される可能性――などがあるからです。
これに対してM&Aで譲渡した場合は、対価として、時価の純資産価格に「のれん(営業権)」がプラスされることがほとんどであり、株式譲渡所得に対する税率は約20%で済みます。
最近、当センターにおいて、会社を自分の代で清算してしまうか、引き継いで存続の道を探るか、悩んでいる方のご相談が増えています。いろんな道を一緒に検討しましょう。


グリーンテックマッチング会 名古屋商議所、大阪府と共催

 大阪商工会議所は10月4日、名古屋商工会議所、大阪府と共催で、「グリーンテック マッチング会」を昨年度に引き続き開催する。
 これは、カーボンニュートラルにおけるイノベーション促進のため、大企業と自治体がニーズ発表をし、中堅・中小企業からの提案を受け付けるもの。今年度は名商と連携し規模を拡大してマッチング機会の増加を狙う。
 大阪から大和ハウス工業、大阪府阪南市、名古屋からは東邦ガス、大同特殊鋼が登壇する。午後2~4時、大商会場と名商会場、オンラインのハイブリッドで開催。無料。事前申込制。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


これからの医療に向けた 社会課題解決カンファレンス

 大阪商工会議所は10月11日、「『いのち輝く未来社会』実現にむけた共創カンファレンス~『これからの社会が求める医療』をテーマに、社会課題解決への挑戦を」を開く。
 手代木功副会頭のキーノートの後、「救命救急医療」「災害医療」「優しい病院」の3つの課題をテーマとした、現状と未来の課題解決についての話題提供や共同開発提案を通じて、中小企業を含めた多様な業種・規模の企業に新たなビジネスチャンスを提供する。大学や病院、国・自治体のほか、救命救急や災害医療への備えを必要とする集客施設や公共交通機関などにも参加を呼び掛ける。午後1時~5時55分(予定)、大商で。無料。事前申込制。

【問合せ】ライフサイエンス振興担当TEL6944・6484


英国・マンチェスター地域 先端技術・新素材セミナー

 大阪商工会議所は9月28日、「英国・マンチェスター地域の先端技術・新素材セミナー」をオンラインで開く。
 2022年以来大商が関係を強化する英国マンチェスターは、産学官の強力な連携のもとで脱炭素や新エネルギー、ライフサイエンス、新素材などの分野で先端技術を生み出している。
 マンチェスターが誇るこれらの先端技術を説明するとともに、日本企業に連携の機会を紹介する。午後4時~5時30分。無料。事前申込制。

【問合せ】国際部TEL6944・6400


五代友厚メモリアルウィーク 9月26~30日
 

 大阪企業家ミュージアムは、大阪商工会議所の初代会頭を務めた五代友厚の命日9月25日にちなみ、9月26~30日に「五代友厚メモリアルウィーク」を実施する。
 期間中は毎日先着30人(個人来館者限定)に「五代友厚マーク入りフラットポーチ」を進呈。そのほか、特設コーナーを設置し「北海道開拓使官有物払下げ事件」などに関する史料数点をパネルなどで展示する。

【問合せ】大阪企業家ミュージアムTEL4964・7601


知らなかったでは済まされない!経済安全保障セミナー
 

 大阪商工会議所は9月21日、工業所有権情報・研修館と共催で、「知らなかったでは済まされない!経済安全保障セミナー」を開く。
 昨今、経済分野を含む様々な領域で世界各国の対立が増す中、企業は経済安全保障を意識した事業活動が求められている。そこで、近畿公安調査局と工業所有権情報・研修館の担当者が経済安全保障推進法の概要や海外企業と協業する際の情報管理・知的財産権などの取り扱いについて解説する。
 午後3~5時、大商とオンライン配信のハイブリッドで開催。無料。事前申込制。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


大商のがんばる会員さんを紹介します!
 

■外務省・環境省から表彰。流通を通じてSDGsの実現を目指す
 FrankPR(中央区、菊池真希代表、https://www.frank-pr.jp)は、レザーブランド「Raffaello」の生産と流通を通じて、日本と生産国のバングラデシュにおける循環型経済の達成を目指している。SDGsの取り組みをいち早く始め、外務省「第6回ジャパンSDGsアワード(外務大臣賞)」と環境省「第9回グッドライフアワード(環境と福祉賞)」を受賞。スタートアップ企業のダブル受賞で省庁からも評価を受けた。ブランドは今年で9年目になり転機を迎えている。これまではECプラットフォーム上での販売が中心だったが、中小企業への販路拡大を目指し、SDGsや脱炭素に取り組みたい企業の備品などの受注を開始。環境負荷の少ないカーボンニュートラルの新商品も企画中。

■耳つぼ痩身事業でお客様とカウンセラー双方のQOL充実を目指す
healthy&beauty salon NOLEEYN(城東区、中島徳子代表)は、地下鉄「関目高殿駅」徒歩1分の痩身サロン。元菓子職人の中島代表は自身が耳ツボダイエットで体質改善し、摂取する栄養バランスによって大きく体質が変化することに驚き、食の大切さを実感したという。心身共に健康な人を増やしたいと、2018年1月に独立。栄養士、エステティシャン、健康管理士の資格を持ち、高い技術と知識で顧客の評判を得ている。また、【日本の生活習慣病を半減させる】がコンセプトの耳ツボダイエットカウンセラーの育成にも力を入れている。耳ツボダイエットは低リスクで起業できる事業でサポート体制が充実しており、初めて起業を目指す人にもお勧めとのこと。日本の健康寿命延伸に期待したい。


アセアンビジネス展開支援
ベトナム各省の投資魅力などPR 動画配信を通じての販売手法紹介

 大阪商工会議所は、「日本アセアンビジネス促進プラットフォーム」の事業として、同プラットフォームの連携先であるベトナム商工会議所とともに「日本ベトナム投資貿易促進フォーラム」を9月15日に開く。9月20日には、東南アジアで最近、注目が高まっているライブコマースの活用セミナーを行い、会員企業のアセアンビジネス展開を多方面から支援する。
 「日本ベトナム投資貿易促進フォーラム」は9月15日、ベトナム商工会議所のファン・タン・コン会頭が率いる視察団の来日にあわせて開かれる。同フォーラムでは、ベトナムのフンイエン省やソクチャン省、ロンアン省、ディエンビエン省、フート省の代表者などが、各省の特徴や投資魅力などについてPR・議論する。午前9時30分~正午、大商で。日越同時通訳。参加無料。事前申込制。
 冒頭、大商の鳥井信吾会頭、ベトナム商工会議所のコン会頭、姫野勉関西担当大使らがあいさつする。これに引き続き、第1部の講演では、国際協力銀行の鈴木俊行執行役員大阪支店長(西日本地域所轄)が、現地での日本企業の投資動向を解説する。
 第2部のパネルディスカッションでは、三菱商事の舩山徹執行役員コーポレート担当役員(国内開発)兼関西支社長をモデレーターに迎え、日越間におけるビジネス連携の可能性について各省代表者などと意見交換を行う。終了後は、ベトナム側とのネットワーキングセッション(個別相談会)を設けている。
 また近年、ライブコマースと呼ばれる新しいオンライン販売手法がアセアンで急成長を遂げている。こうしたトレンドを踏まえ、国内商社の菱沼貿易(大阪市)が、ライブコマース市場の現状や活用例などを紹介する「シンガポール向けライブコマース活用セミナー」を9月20日にオンラインで開催する。午後3~4時。参加無料。事前申込制。11月に同社が実施するシンガポール向けライブコマースの概要についても説明を行う。
 最新情報は同プラットフォームホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/abp/)に掲載しているほか、プラットフォーム登録者にはメールで情報提供を行っている。

日本アセアンビジネス促進プラットフォーム スケジュール
◆日本ベトナム投資貿易促進フォーラム 9月15日(金)、大商で
◆シンガポール向けライブコマース活用セミナー 9月20日(水)、オンラインで

【問合せ】国際部TEL6944・6400


インドの最新投資環境探る 10月に経済視察団

 大阪商工会議所は、日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部とともに、インドの最新投資環境を探るビジネスミッション「インド経済視察団」を10月16日から21日まで派遣する。共同団長は冨田稔・大商国際ビジネス委員長(丸紅執行役員大阪支社長)、村橋靖之・ジェトロ大阪本部長。
 インドは人口で中国を上回り、2027年には国内総生産(GDP)が世界3位になるとの予測もあり、世界経済を今後けん引する可能性を秘めた国として注目を集めている。ポテンシャルの高さに日本企業の関心も高く、ジェトロや国際協力銀行(JBIC)の調査でもインドを有望事業展開先とみる割合は増加。
 同視察団では、製造業を中心として日本企業の関心が高いグジャラート州(アーメダバード)、タミルナド州(チェンナイ)を訪問し、現地進出日系企業・政府機関との意見交換や工業団地などのインフラ視察を通して、アフターコロナの現地の最新状況を肌で感じる。申し込み9月15日まで、ホームページ( https://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202306/D11230628032.html )で受け付けている。定員は申し込み先着順20人。

【問合せ】国際部TEL6944・6400


在大阪ベトナム総領事 鳥井会頭を表敬訪問
 

 ゴー・チン・ハー在大阪ベトナム総領事は8月8日、大阪商工会議所の鳥井信吾会頭を表敬訪問した。
 ハー総領事は、大阪・関西万博に向けて、日越間の経済関係をさらに深めていきたいと述べた。在阪企業が同国との連携強化にあたり、サポートを必要とする場合には、総領事館に相談してほしいと話した。
 鳥井会頭は、ベトナムは若い力にあふれていて、著しい経済成長を遂げている国であると強調。今年4月に大商がベトナム商工会議所などとともに「日本アセアンビジネス促進プラットフォーム」を設置したことをきっかけに、今後ベトナムとの経済交流を一層促進したいと話した。

【問合せ】国際部TEL6944・6400


生駒京子氏が逝去
 

 大阪商工会議所の議員でプロアシスト代表取締役社長の生駒京子(いこま・きょうこ)氏が8月15日、逝去された。生駒氏は、2017年11月から議員を務められた。
  生駒京子氏の逝去にあたり、大阪商工会議所の鳥井信吾会頭は次のコメントを発表した。

■生駒京子氏・関西経済同友会前代表幹事の訃報に接して
親しくお会いしていたのに、あまりに突然のことで深い悲しみとともに、驚きを隠せません。
私が大阪商工会議所会頭に就任した当時の関西経済同友会代表幹事が生駒さんでした。「女性には100人の味方がいる」が持論で、常に前向きで、明るく、心の広いお人柄を慕う多くのファンがいました。
生駒さんは、「起業」「女性活躍」「DX」など、今後わが国が取り組むべき課題を、自ら体現・推進された方でした。ご経験がベースとなった発想力と力強い行動力を、今後も大阪関西経済の活性化につなげていただきたいと願っていたところに本当に残念でなりません。
地域社会や産業界の発展に向けて尽力し続けることが最善のお悔やみとなると信じております。心からご冥福をお祈り申し上げます。
(8月22日)


AI活用した実証実験支援 教育の質向上へ
 

 大阪商工会議所は、産業技術総合研究所人工知能技術コンソーシアム(AITeC)とともに支援してきた大阪教育大学の姿勢分析システムの実証実験成果をこのほど発表した。
 同システムは、2019年度に大商が実施した「AIビジネス創出アイデアコンテスト2020」で人工知能技術コンソーシアム会長賞を受賞した関西電機工業(東大阪市)が保有するAIを活用したサーモグラフィー画像の認識技術を応用し、授業中の学生の集中度合いを可視化するもので、20年8月から研究開発を進めてきた。サーマルカメラを使用することで、個人の特定をせずに学習環境を「見える化」することが特長で、教員が授業内容を分析し、教育の質の向上につなげることをめざす。
 今回の実証実験では9割に近い精度で姿勢データを検出できており、大阪教育大学は今後、教育現場への実装を推進していくほか、同技術を活用した産学連携による新サービス開発にも取り組んでいく。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


2023.09.25
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