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大商ニュース   2021/2/25号



AIビジネス創出コンテスト 大商会頭賞にテルミーソリューションズ

 大阪商工会議所は12日、産業技術総合研究所(産総研)の人工知能技術コンソーシアム(AITeC)とともに、「AIビジネス創出アイデアコンテスト2021 最終審査会」をオンラインで開いた。審査の結果、大商会頭賞(賞金100万円)は、「いつまでも健やかに!美容院から」を提案したテルミーソリューションズが受賞した。
 AIビジネス創出アイデアコンテストは、昨年8月から11月まで人工知能技術を活用したビジネスのアイデアを募集し、13件の応募があった。このうち最終審査会には、書類審査を通過したファイナリスト5人が参加。大商の尾崎裕会頭、AITeCの本村陽一会長ら審査委員は、ファイナリストらに対しオンラインで質疑応答を行い、その後各賞について審査した。
 大商会頭賞以外の賞として、AITeC会長賞(来年度の活動費付き)には「お店選びのコンシェルジュe―Label(えらべる)」を提案した大阪ガスが選ばれた。スポンサー賞として、「AIを用いて睡眠から活動能力を推定し最適な健康増進方法を提案できるSAAシステム」を提案したRehabilitation3・0が大阪地下街「ONthe UMEDA」賞、「Agriculture Intelligence」を提案した高校生が東急エージェンシー賞に選ばれた。高校生の受賞は、今回4回目となるこのコンテストでは初めて。
 今後、大商とAITeCは、受賞者が提案したビジネスアイデアの実現に向けて引き続き支援していく。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


医療・健康分野の課題解決に向け 大商と国循、医薬基盤研が連携

 大阪商工会議所(尾崎裕会頭)は10日、医療や健康分野における課題解決、研究機能強化、関連産業振興を目的に、国立循環器病研究センター(小川久雄理事長)、国立医薬基盤・健康・栄養研究所(米田悦啓理事長)と連携協定を締結し、尾崎会頭、小川理事長、米田理事長が出席のもと調印式を執り行った。
 3者は、大商が主催する「MDF(次世代医療システム産業化フォーラム)」や「DSANJ(創薬シーズ・基盤技術アライアンスネットワーク)」などを通じ、従来から医師や研究者のニーズに基づく医療機器開発や創薬の取り組みを進めてきたが、今回の提携により、健康や予防分野でのモノ・サービスの開発、プロジェクト創出などについても推進する。
 尾崎会頭は締結式で、「今回の連携が、より幅広い業種の、より多くの企業の方々の医療や健康予防関連分野への参入機会となる」と述べ、企業が有する優れた技術やサービスなどを通じた医療現場などの課題解決に期待を示した。
 今後、同提携に基づいて、国立循環器病研究センターのニーズ発表会の実施を7月に予定している。

【問合せ】ライフサイエンス振興担当TEL6944・6484


京阪神3商 ライフサイエンス産業振興へ 手代木副会頭ら意見交換

 京阪神三商工会議所は9日、「京阪神三商工会議所ライフサイエンス振興懇談会」をオンラインで開き、大阪商工会議所から手代木功副会頭が参加した。同懇談会は、3商議所間の継続的な意見交換を通じて、関西が強みを有するライフサイエンス産業のさらなる活性化を目的に定期的に開かれており、今回で9回目となる。
 懇談会ではまず、昨年12月に大阪・京都・神戸の3商議所連名で建議した「2020年度関西圏におけるライフサイエンス産業振興にかかる要望」について報告と意見交換を行った。その後、3商議所で取り組むべき今後の連携アクションについて、意見交換を行った。
 今後の具体的な取り組み案として、各地域の取り組みや支援の情報を一元的に企業に紹介する「関西広域連合との連携セミナー」、大商が実施する「医療・介護従事者による企業の製品評価サービス」の相互活用、企業が持つ様々な製品・サービスを組み合わせ、街に健康増進機能を実装することを目指す「ウエルネス関連プロジェクト」などを大商が提案した。
 その後の意見交換では、医療に加え、食や運動といった要素を組み合わせて魅力的な都市創造を行うことが求められており、自治体などとも連動して取り組む必要があること、新型コロナウイルス感染症の全世界的蔓延を受け、関西企業をはじめ、日本の高い医療技術を世界に広めるといった観点も重要であることなど、活発な発言・議論が行われた。

【問合せ】ライフサイエンス振興担当TEL6944・6484


医療・介護・福祉分野の事業化支援 MDF会員募集

 大阪商工会議所はこのほど、産学医・産産連携による医療・介護・福祉分野の課題解決・事業創出を目的とする「MDF(次世代医療システム産業化フォーラム)2021」の会員募集を開始した。
 現在、医療・介護・福祉分野では、デジタル化の進展などの大きな変革の波が押し寄せ、異業種からの新規参入が活発化している。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、改めて医療・介護は社会のインフラであり、安心・安全な社会活動に不可欠であることが再認識され、さらなる企業の参入や活躍への期待が高まっている。
 同フォーラムは全国に先駆け2003年から、全国を対象に産学医・産産連携による医療機器などの創出に取り組んでおり、医工連携マッチングのみならず、医療周辺機器や介護・福祉、再生医療分野など、支援対象領域も拡大し、充実した事業化支援を行っている。その結果、規制対象かつ革新的な治療・診断医療機器のほか、規制対象外の医療現場などの設備や環境・課題改善製品・サービスなど57件がこれまでに事業化されている。詳細はホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/mdf/)に掲載。

【問合せ】ライフサイエンス振興担当TEL6944・6484


大阪の食を医療従事者に 個人からも寄付募る

 食創造都市 大阪推進機構(事務局=大阪商工会議所、大阪観光局)はこのほど、「困った時ほど美味しいものを!」プロジェクトのクラウドファンディングを立ち上げ、3月31日まで個人からの支援を募集している。
 同プロジェクトは、新型コロナウイルス感染症最前線の現場で闘う医療従事者を大阪の食で支援するため、昨年7月から実施。現在は、企業などからの協賛金をもとに、大阪コロナ重症センターの医療従事者を中心に、人気有名シェフらによる食事を週1回提供し、毎回多くの喜びの声が寄せられている。
 法人からの協賛に加え、一般の方にもこの取り組みを広く周知し、支援いただくことで継続的な実施を目指そうと、クラウドファンディングによる個人からの寄付を開始した。現在、READYFORのウェブサイト内専用ページで、5000円から支援を受け付けている。詳細はホームページ(https://readyfor.jp/projects/komattatokihodooishimono)に掲載。

【問合せ】地域振興部TEL6944・6323


ウェブで大阪検定 「大阪の超人」からの出題も

 大阪商工会議所都市活性化委員会(委員長=錢高一善・錢高組会長)は、ウェブ上で楽しみながら大阪を学べるツールとして、「大阪検定WEBチャレンジ〜冬の陣〜」を4月5日まで実施する。
 昨年8〜11月に実施した「大阪検定WEBチャレンジ〜夏の陣〜」(以下「夏の陣」)に続き、今年度2回目。今回は、大阪の知られざる謎やエピソードなどについて「大阪の超人」(「なにわなんでも大阪検定」の最難関等級1級に累計5回合格した方)のうち4人が初めて出題するほか、「夏の陣」で好評を得た昔の映像や企業コマーシャルを見て答える動画問題など合計60題を出題。獲得点によって1〜4級まで判定される仕組み。スマートフォンやタブレットからもアクセス可能。期間中に、1級から4級までのレベルに判定された場合、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン スタジオ・パス」などの賞品が抽選で計55組に当たる。
 なお「夏の陣」には1726人が受験した。受験はQRコードから。無料。事前申し込み不要。

【問合せ】地域振興担当TEL6944・6323


法律懇話会 経営に直結するテーマ解説

 大阪商工会議所は現在、「法律懇話会」の2021年度会員を募集している。
 同講座では、会社法や民法などの法改正への対応策、株主総会やコーポレート・ガバナンスへの対応、労働・雇用問題といった企業経営に直結する法律問題を取り上げ、学会や法曹界で第一人者として活躍する学者・弁護士らが法解釈や実務上の留意点、判例動向、法改正の動きなどについて分かりやすく解説。
 今年3月に施行される改正会社法には、取締役の報酬に関する規律の見直しや上場会社などへの社外取締役の設置義務化など、コーポレート・ガバナンスに関する重要な改正点が盛り込まれているほか、コロナ禍を契機にテレワークや時差出勤の導入などが進んでおり、働き方改革・労務管理への対応とともに、個人情報を含む情報管理体制の見直しなども急務になっている。
 年間16講座、各回約2時間で、大商で開く(原則)。年会費は会員1社あたり88,000円、一般同138,600円。申し込みは4月5日まで。

【問合せ】企画広報室TEL6944・6304


マクロミクロ――未来をはかる

 株式市場は日経平均株価がバブル後の高値を付け活況である。アメリカに目を向ければアップル、アマゾン、テスラなどのテック株が高騰、ダウ・ナスダックともに過去最高値圏である◆今から6年前、大商でテスラの講演会と当時最新車種「モデルS」の試乗会があった。大型モニターを備えた運転席を見たときは、その先進性と斬新さに大変驚き、これからの時代の変化を感じ取った。今やテスラの株式時価総額は80兆円を超え世界4位、トヨタの3倍以上である。今ある商品やサービス、研究開発のニュースなどに日々接していれば、未来はある程度予想できる◆大商では様々なセミナーや研究会を開催し、来るべき未来社会の姿の情報も提供している。ビジネスチャンスをつかむためにぜひご活用いただきたい◆最後に私の好きな言葉をご紹介。二宮尊徳の「遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す」である。この言葉が好きと言っているのだから先ほどのテスラ株で私が大儲けしたと思う方がいるかもしれない。しかし実際は次の言葉の通りである。「言うは易し行うは難し」人生そんなに甘くない。(M)



◆お知らせ
 大阪商工会議所では、新型コロナウイルス感染の拡大防止に向けて、事業を中止・延期をする場合があります。その場合にはホームページの「セミナー・イベントカレンダー」(https://www.osaka.cci.or.jp/event/)などに掲載します。


正副支部長と各区運営委員長の選任

 大阪商工会議所は1月22日、支部の正副支部長と各区運営委員長を選任した。任期は、2021年1月22日〜23年10月31日。委嘱先は下表の通り。


正副部会長・委員長 選任スタート

 大阪商工会議所では現在、部会の正副部会長と常任・専門委員会の正副委員長の選任が行われている。2月2日までに決まった正副部会長・委員長は次のとおり。
(敬称略・氏名五十音順)

【部会】
◎サービス産業部会
(2月2日)
 部会長=南昭彦(コスモ建物管理代表取締役社長)、副部会長=井上浩一(大阪ターミナルビル代表取締役社長)、蔭山秀一(ロイヤルホテル代表取締役社長)、小谷泰造(インターグループ名誉会長)、酒井朋久(サントリー興産代表取締役会長)、白山隆(白山殖産取締役社長)、武村泰太郎(一般社団法人大阪土地協会理事・相談役)、土高壮介(近電商事取締役社長)、中山勉(近鉄・都ホテルズ相談役)、野村卓也(スーパーステーション代表取締役社長)、長谷川惠一(学校法人エール学園理事長)、福島伸一(公益財団法人大阪観光局会長)、村山卓(ユー・エス・ジェイ執行役員副社長 CMO)、山本秀策(山本特許法律事務所弁理士)、山谷佳之(関西エアポート代表取締役社長CEO)、吉岡行雄(吉岡総合経営研究所所長)

【委員会】
◎中国ビジネス委員会
(1月18日)
 委員長=深野弘行(伊藤忠商事専務理事 社長特命(関西担当))、副委員長=今村健二(一般財団法人日中経済協会関西本部事務局長)、佐々木聡(国際協力銀行執行役員大阪支店長)、辰野克彦(辰野代表取締役会長)、谷所敬(日立造船代表取締役会長兼CEO)、冨田稔(丸紅執行役員 大阪支社長)、根本裕之(独立行政法人日本貿易振興機構大阪本部長)、藤田正樹(オージス総研顧問)
◎税制委員会
(1月26日)
 委員長=西村貞一(サクラクレパス代表取締役会長)、副委員長=笠谷昌宏(カサタニ代表取締役社長)、工藤稔(大同生命保険代表取締役社長)、齋藤浩(大阪中小企業投資育成代表取締役社長)、酒井朋久(サントリー興産代表取締役会長)、坂本克己(大阪運輸倉庫代表取締役会長)、高橋知史(大阪シティ信用金庫理事長)、蔦田守弘(鴻池組代表取締役会長)、寺内俊太郎(大阪冶金興業代表取締役社長)、林宜嗣(EBPM研究所代表取締役)
◎ツーリズム振興委員会
(1月28日)
 委員長=福島伸一(公益財団法人大阪観光局会長)、副委員長=池上淳子(小倉屋代表取締役副社長)、小儀俊光(心斎橋ミツヤ代表取締役社長)、河井英明(大阪市高速電気軌道代表取締役社長)、佐伯保信(大起水産代表取締役会長)、志賀茂(がんこフードサービス代表取締役副会長)、白川基光(ソプラ代表取締役社長兼CEO)、田中好明(JTB執行役員 MICEビジネス推進担当)、橋爪紳也(大阪府立大学特別教授)、藤田正樹(オージス総研顧問)、村山卓(ユー・エス・ジェイ執行役員副社長 CMO)
◎財務委員会
(1月29日)
 委員長=石金正己(日本ビジネス開発代表取締役社長)、副委員長=梅本憲史(北浜商事代表取締役)、高井嘉津義(大阪信用金庫理事長)、森下富雄(協同組合関西ファッション連合相談役)
◎総務委員会
(2月2日)
 委員長=北修爾(阪和興業名誉会長)、副委員長=外海達(大阪ニットファッション工業協同組合副理事長)、牧野明次(岩谷産業代表取締役会長兼CEO)、山本博史(小倉屋山本代表取締役社長)
◎経済政策・法規委員会
(2月2日)
 委員長=高井嘉津義(大阪信用金庫理事長)、副委員長=梅本憲史(北浜商事代表取締役)、齋藤浩(大阪中小企業投資育成代表取締役社長)、白山隆(白山殖産取締役社長)、村中徹(弁護士法人第一法律事務所弁護士)、山道裕己(大阪取引所代表取締役社長)、山本秀策(山本特許法律事務所弁理士)


全国中小企業クラウド実践大賞 全国大会 クラウドサービス推進機構理事長賞
マツ六が受賞

 日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会などで構成するクラウド実践大賞実行委員会主催の「全国中小企業クラウド実践大賞」全国大会が1月28日、オンラインで開かれた。全国5カ所の地方大会を勝ち抜いた中小企業10社による公開プレゼンテーションを行い、審査の結果、大阪大会を勝ち抜いたマツ六(大阪市天王寺区)が、クラウドサービス推進機構理事長賞を受賞した。総務大臣賞は、さくらコミュニティサービス(札幌市)が受賞した。
 同大会は中小企業のクラウド活用加速を目的に、クラウドサービスの利活用状況と生産性の向上、経営の効率化などの効果を見える化したさまざまな実践事例を、コンテスト形式で共有するもので、大阪はじめ5つの地方大会の上位2社が全国大会で発表した。

【問合せ】経営情報センターTEL6944・6353


昨年10ー12月期 中小の景況調査自社業況は改善

 大阪商工会議所はこのほど、「第162回中小企業景況調査」の結果を取りまとめた。調査は昨年11月2〜15日に実施し、大阪市内の290社から回答を得た。
 10〜12月期の自社業況のDI値(「好転」から「悪化」を引いた指数)はマイナス47・3と、前回調査から15・1ポイント改善、売上額DI値はマイナス53・8と、前回調査から11・7ポイント改善と、いずれも2期連続で上昇し、引き続き持ち直しの動きがみられた。
 従業員過不足DI値はマイナス7・2となり、2期連続で中小企業の人手不足感が強まった。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6451


常議員会開く

 大阪商工会議所は1月22日、第3回常議員会を開き、@会員加入A正副支部長の選任の同意――について、審議し、了承した。
 また、@正副委員長の選任結果A令和3年度緊急要望の中小企業関連施策の実現状況B令和3年度税制改正大綱の概要と主な要望実現状況C「2020年度関西圏におけるライフサイエンス産業振興にかかる要望」DBM SOSモールの終了と新サービス「bmトレンド」――について報告した。

 なお、常議員会後の会員数は、法人2万1865、団体965、個人7738の合計3万568となった。


活躍する女性リーダーたち<23>
住友電気工業 執行役員・広報部長 國井 美和さん

まずは具体的な育成計画を
 大阪商工会議所は、企業で活躍する女性役員や管理職を応援する「大阪サクヤヒメ表彰」を2016年度に創設。当欄では、20年度に実施した第5回受賞者を紹介する。
 今回は大阪サクヤヒメ賞を受賞した住友電気工業の國井美和執行役員・広報部長。
 交通関連システムの機器開発などを経験後、2003年から人事部で技術系の採用、人材開発に従事。米国駐在を経て14年に新設されたダイバーシティ推進グループのグループ長に就いた。在宅勤務制度の導入では、16年の20人程度から、20年5月に5千人弱が利用するまで対象範囲を広げた。女性社員に成長の機会が与えられる仕組みを整え、女性管理職・ライン長は16年の8人から20年に26人に増加。20年に社内初の女性執行役員に就任した。自身の子育て経験も踏まえ、技術系女性の活躍を支援するNPO活動や講演など、社外活動も積極的に行う。
 「『無意識の偏見』が女性管理職登用を妨げている。まずは具体的な育成計画を立てフィードバックしながら仕組みとして回すことが大切」と語る。


大商のがんばる会員さんを紹介します!

◆ニーズの変化をキャッチしコロナ禍でも頑張る脱毛サロン

 メンズ脱毛ビーグラッド(北区、迫政裕代表)は、天神橋筋商店街内のマンションの一室に店舗を持つ脱毛サロン。創業は2015年。開業当時は男性スタッフによる男性顧客をターゲットとした、人目を気にせず利用できる隠れ家サロンとして運営。最近では男性の美容意識の高まりから「メンズ脱毛」が認知され始め、その影響もあり本人からの予約だけでなく、妻や娘、彼女から予約が増加している。このような女性からの問い合わせ機会の増加を捉え、メンズ脱毛だけでなく女性も通えるサロンに業態を転換。
 現在、大阪天満店には男性スタッフと女性スタッフ2人を配置し男女とも通えるサロンに、神戸三宮店はメンズ専門サロンとして展開している。

◆日本最古の厄除祈願所、あびこ観音寺参拝道にある和菓子店
 あびこ餅本舗(住吉区、上田修司社長)は1952年創業の老舗和菓子製造販売店。全国菓子工芸大品評会で何度も会長賞を受賞している。
 毎年2月3日前後に開かれる「あびこ観音寺の節分祭」では、「厄除饅頭」と焼き立ての「みたらし団子」を店先で販売し、参拝客が3日間で約1万人が来店する。
 客層は中高年の女性が中心だが、若者や男性にも入りやすい店作りを目指して接客を心掛けている。最近は、世界的にも日本古来の独自の文化が注目されつつあり、和菓子業界では和食の次に和菓子を推し出している。
 上田社長は「本物を求めて来店する常連客や健康志向の方々に支持されるような商品を開発するとともに日本の和の文化である和菓子を後世に遺していきたい」と考えている。


【オンライン開催】中小事業者のための省エネ・省CO2セミナー

 大阪商工会議所は3月3日、おおさかスマートエネルギーセンター、大阪府立環境農林水産総合研究所とともに「中小事業者のための省エネ・省CO2セミナー」を開く。
 カーボンニュートラル社会の実現を目指し、大阪府が新たなエネルギープランについて紹介するほか、太陽光発電協会、カーボンマネジメントイニシアティブの2団体が、中小事業者などにおける再生可能エネルギーの導入や省エネの推進に関する方策を説明する。また、近畿経済産業局が省エネルギー政策の動向を紹介する。午後2時〜4時30分、ユーチューブライブで配信。無料。詳細はホームページa

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


大阪府立大学・大阪検定客員研究員 成果報告会参加者募集

 大阪商工会議所は3月6日、「なにわなんでも大阪検定」の1級合格者5人が、大阪府立大学研究推進機構大阪検定客員研究員として、1年間にわたり大阪の新たな観光資源の紹介や観光振興に向けた提言について研究した成果報告会を開く。
 この制度は、大阪検定1級合格者の知見を大阪の都市魅力向上に役立ててもらうため、大阪府立大学の橋爪紳也特別教授を担当教官に、2013年から実施し、これまで74件の研究成果を発表した。なお、当日の内容は録画し、大阪商工会議所ユーチューブチャンネルで後日公開する。午後1時30分〜3時40分、大阪府立大学I-siteなんば(大阪市浪速区)で。無料。定員60人。事前申込制。締め切りは3月3日。研究者氏名やテーマなど詳細はホームページ(https://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202101/D24210306011.html)に掲載。

【問合せ】地域振興部TEL6944・6323


未来社会を創る 大阪・関西万博

 日本で初めて開催された国際博覧会(大阪万博)から55年後となる2025年。再び大阪・関西に万博がやって来る。最新技術を披露する場となってきた万博だが、情報が瞬時に世界中をかけめぐる今、開催の意義や、その先にどんな未来社会を描くのか――。「大阪・関西万博特集」第1弾の今回は、大阪商工会議所の尾崎裕会頭と藤本壮介大阪・関西万博会場デザインプロデューサーが対談した。

藤本氏 「世界とともに」を実体験
■会場デザインへの思い
尾崎 1970年の大阪万博は国威発揚型でしたが、時代は変わりました。2025年の大阪・関西万博はコンテンツや情報、ソフトをどう見せるかが大事だと思っています。
藤本 2025年万博の意義を8人のテーマ事業プロデューサーと問い直しました。情報化社会の現代は世界とつながっていると言われますが、結局スマートフォンで見える範囲でしかつながっていない。こういう時代だからこそ、夢洲という会場に6カ月間、世界の縮図が物理的に現れるのは、逆にすごく新鮮ではないかと思います。私たち一人ひとりはまさに世界と共にあるという感覚を実体験できる会場風景を作りたい。その中から空を共有するアイデアがふと浮かんだのです。
尾崎 今回の万博は、バーチャル対リアルになると思っています。バーチャルをしのぐリアルが会場にあるからこそみんなが足を運ぶ。その舞台を藤本さんが作り、いろいろなプロデューサーが演出をする。会場やパビリオン配置のアピールポイントは何ですか?
藤本 万博招致の時からのテーマである「非中心・離散」に加えて、「多様でありながらひとつである」をリング(大屋根)で表現しました。リングは主動線であり、人々を日差しや雨から守る大屋根です。リングに沿って歩くと、大きなパビリオンから小さなパビリオンまで平等に見て回れます。大切にしたい理念を来場者の体験に落とし込むための検討を重ねました。
尾崎 都市交通と同じように、リングロードがあるのは、アクセスとしていいですね。
藤本 リングは会場の象徴として、リアルだけでなく、バーチャルにおいても「万博に来た」というアイデンティティーを作れると思っています。


尾崎会頭 木材再利用をレガシーに
藤本氏 建物のいのちを継ぐ
■会場建設とSDGs
尾崎 パビリオンは、それぞれが自由に設計するのでしょうか?
藤本 敷地を提供し、参加国が自由に設計するタイプのパビリオンは、自然素材やリサイクルなど、SDGsの概念を盛り込んだ設計にしてもらいたいです。
尾崎 SDGsをめざす万博として、会場で使う木材もリサイクルしてほしいですね。万博後に夢洲に作られる施設が、実は会場の木材で建てられたとなれば、まさにレガシーになります。
藤本 リサイクルや自然素材は、海外でもブームです。欧州やカナダでは木造の超高層ビル建設に向けて、技術開発だけでなく、必要な関係法令の改正にも動いています。千数百年の木造の伝統を持つ日本が世界に遅れるわけにはいきません。
尾崎 新たなテーマにしたいですね(笑)。
藤本 6カ月の万博のために膨大なものを作り、ほぼ全て廃棄する。課題とされながら変えられなかった。これからは、会場や建物はそのままでは残らないけれど、リサイクル先がレガシーとして想定されていて、6カ月の短い命でなく、建物の命を継いでいく。そんなシステムやテクノロジーが確立できれば、大きなレガシーになります。
尾崎 万博後に夢洲に建てるものを今から公募してもいいのかもしれません。


尾崎会頭 コモングラウンドで挑戦を
■リアルとバーチャルの融合
藤本 ほかにもテクノロジーのレガシーも考えられます。実会場とソフトウエア、インターフェースを通じてバーチャル会場につながり、来場者の体験の奥行きを増していく。
尾崎 様々な企業や研究室のショールームをバーチャルで表現できれば、世界中から万博に展示できて、インタラクティブに交流できるのでは。
藤本 それはおもしろいですね。会場に行って、リアルな体験だけど、バーチャルに世界中とつながることで初めて体験できる。リアルとバーチャルがしっかりとかみあって、リアルは「どこでもドア」になる(笑)。
尾崎 未来社会を目指す万博なら、会場整備でも新しいテクノロジーを活用できませんか。
藤本 これだけの膨大な建設が一気に起こることは滅多にないので、新しい技術も取り入れることができればすばらしいです。泥臭い努力と共存できるはずです。
尾崎 大商では、人とロボットが共通認識を持てる「コモングラウンド」の実現を目指して、関心企業の皆さんと小さな実験場を始めました。まちの3Dデータをもとに、自動運転ができるようなイメージです。
藤本 万博会場は実証実験にうってつけです。現実の会場にいながら、同時に情報空間と重なり合うことができれば、ナビゲーションやロジスティクスも含めてつながり、未来の都市像が垣間見える可能性がありますね。
尾崎 期間限定の万博会場では、コストの制約もありますが、コモングラウンドがあれば、会場外からも万博を楽しめます。
藤本 未来社会の実験場(PLL)に向けたアイデア募集では、昨年たくさんの提案をいただきましたが、コモングラウンドをベースに情報、モビリティー、実空間のアイデアを連動することができると面白いですね。各社が蓄積している知見を共有して、こんな風に技術が統合できるよと、地元の経済界から提案していただけるとありがたいです。万博限定、エリア限定で、とりあえず試してみようという機運が醸成されるといいですね。
尾崎 何事もやらないと分からない。万博前から、建設工事でもロボットを使ったり、みんなどんどん試したらいい。でも、失敗はこわいかな。
藤本 やってみてアップデートしていくのが今の時代です。リスクを取って挑戦するようになれば、社会全体がポジティブに変わっていく気がします。それこそがいちばんの万博のレガシーかもしれません。
尾崎 万博の中にいろんな挑戦を失敗も含めて展示する「チャレンジ館」を作りましょう(笑)。
藤本 人気館になりそうですね。チャレンジして、成功すればいいですし、失敗したら、次に失敗しないようにするにはどうしたらいいか、失敗の生かし方も含めて展示をする。コンテンツを作るために、みんなどんどんチャレンジしないと。
尾崎 「失敗は成功の母」ですからね。


大阪・関西万博会場デザインプロデューサー
藤本 壮介 氏 ふじもと・そうすけ 1971年生まれ。藤本壮介建築設計事務所代表取締役。2020年7月、2025年日本国際博覧会の会場デザインプロデューサーに就任。

大阪商工会議所会頭
尾崎 裕  おざき・ひろし 1950年生まれ。大阪ガス取締役相談役。2015年12月から大阪商工会議所会頭。2020年1月、2025年日本国際博覧会協会副会長に就任。

 対談は今年1月27日、オンライン形式で実施しました。

■万博の「基本計画」公表 新たな会場デザインなど

 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、コロナ禍を乗り越えた先の新たな時代に向けた国家プロジェクト。
 テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。コンセプトは「未来社会の実験場(People's Living Lab)」。国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みを加速させる絶好の機会となる。
 会期は2025年4月13日から10月13日まで。会場は大阪市の人工島「夢洲(ゆめしま)」の155ヘクタール。参加150カ国と25の国際機関、来場者は2820万人を想定している。
 2020年12月、大阪・関西万博開催に必要となる事業や方針をとりまとめた「基本計画」が公表され、新たな会場デザイン案が示された。

【問合せ】万博協力推進室TEL6944・6323


2021.02.26
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