大商ニュース 11月25日発行
●優秀作品11点を表彰−大商POPコンクール−
大商は19日、第5回大阪商工会議所POPコンクールの表彰式を行った。このコン
クールは、最近小規模専門店において、効果的な販売促進手段として注目されている
POP広告(購買時点広告)の普及と、技能向上を目的として全支部をあげて取り組
んでいるもの。
今回は、支部への応募作品約 300点の中から、小物を利用した立体的・工芸的な作
品を含む68点が各支部から推薦され、優秀作品11点が選出された。
表彰式では、日本SPセンター副社長の福田成美氏が、審査員を代表して審査経過
を報告した後、実用度、メッセージ度、アイデア度、バランス度のすべてにおいて高
い評価を受けた前田香世子氏の作品が最優秀賞を受賞した。
このほか、審査委員長特別賞、優秀賞、努力賞の受賞者10人に対しても賞状と記念
品が贈られた。
なお、本所では優秀作品11点を含む全作品を収録した作品集を作成し、12月中旬ご
ろ無料で配布する予定。
●オンリーワン都市(8)
〜活力生む新しい都市産業の集積を〜
ユニバーサル・スタジオは、世界有数の人気テーマパークです。テーマパークとい
うと、日本では東京ディズニーランドが有名ですが、アメリカではディズニーに匹敵
する人気を得ており、フロリダの同所では年間約 800万人を集客しています。ユニバ
ーサル・スタジオ・ジャパンでも、初年度年間 800万人以上の集客を見込んでいます。
これを中心に周辺には、飲食、ショッピング、レジャー、文化、交通、宿泊など、ビ
ジターの来訪を促すためのさまざまな集客産業が集積される予定です。
5年前に手がけた天保山ハーバービレッジの開発を例にとると、海遊館には開館当
初、年間 500万人ものビジターが訪れ、この人の流れによってミュージアムやホテル
など、さまざまな集客施設が加わり、周辺の大阪港付近は、まったく新しい街に生ま
れ変わりました。居心地のいい、上質のサービスを提供する産業は、街に活力を与え
るだけでなく、それらの施設の持つイメージと重なり合って、街に対するイメージが
改善されます。市民にとっても、住んでいることが誇りにできる都市、住みたい都市
という認識につながっていきます。
現在取り組んでいるプロジェクトは、重工業地帯である此花区西部臨海地域にユニ
バーサル・スタジオを誘致し、このテーマパークを核として、およそ 160ヘクタール
の土地を再開発し、新しい街をつくりだそうというものです。
ここには、大阪の将来の方向性を模索する取り組みが2つあります。1つは、ウォ
ーターフロントの景観を生かしたホテルやエンターテインメント、ショッピングの街
などを建設し、臨海部のみならず、大阪全体を国際集客都市として変身させる起爆剤
とすること、もう1つは21世紀の産業として有望な映像・音響、情報通信などのマル
チメディア産業など、新しい都市産業の集積を図ることです。
ユニバーサル・スタジオというテーマパークは、世界的に大ヒットした映画が素材
となっており、アトラクションにはハリウッド映画のハイテク技術が駆使されていま
す。フロリダの同所では、テレビの人気子供番組が制作されたり、貸しスタジオでC
Mや映画なども撮影されるなど、映像制作の現場が、少しずつフロリダにシフトしは
じめています。
今年10月から、日本でもデジタル衛星放送が始まり、いよいよ多チャンネル時代が
到来しました。画面に映し出される映像の内容、質がますます重要になり、知的生産
物(コンテンツ)の需要が高まり、その産業の分野は、多方面に展開することが予想
されます。ソフトの分野は日本が最も苦手としている分野と言われていますが、日本
のコンピューターゲームやアニメーション分野は、世界に通用するものを生み出して
きています。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン周辺には、映画・テレビに限定せず、
もっと広く映像などのビジュアル・メディアや音響ビジネスなどをつくり出す、1つ
の大きなコミュニティ、有機的に関連ビジネスがつながった企業コミュニティを育て
ていけばいいのではないかと考えています。大阪がこのコンピューターを駆使した、
映像コンテンツの分野を開発していくことができれば、グローバルで大きなビジネス
展開が可能になるでしょう。
人材の育成は、コンテンツビジネスを展開するうえで、非常に重要な要素です。有
望な人材が、住んでみたいと思う都市の条件は、彼らが興味とやりがいを持って取り
組める仕事があることでしょう。そのためには、大阪にやる気のある人材を集めるこ
とができる、世界を視野に入れてビジネス展開ができる新産業を育成していくことが、
大切だと思います。ウォーターフロントに立地するこの地域は、そのための最高の場
所になりうるでしょう。
水と緑のある環境、デザインの行き届いた美しい都市空間を持つ街。そこには、人
と街の素晴らしいかかわりの中から、より大きな活力が創造され、ひいては、大阪に
新しいアイデンティティと活力を生むでしょう。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
に続く産業が、その周辺に次々と誕生して、大阪が新しい活力を持つ街として変身す
る可能性があるのではないでしょうか。
〜大阪市港湾局理事ユー・エス・ジェイ社長 森田 啓介〜
【略歴】昭和38年京都大学工学部大学院卒。大阪市都市計画課長、大阪ウォーターフ
ロント開発常務などを経て、現在、港湾局理事。海遊館の総合プロデュ−サ−を務め
た。ユニバ−サルスタジオを核にした情報発信都市のウォ−タ−フロント開発構想を
進めている。主な著書に「都市の時代」がある。
●個性的なステージで、多くの観客を魅了〜第10回大阪コレクション〜
ファッション界のスターづくりの支援と、新人デザイナーの発掘・育成を目指す大
阪コレクション(主催=大阪コレクション開催委員会/構成団体=大商・大阪府・大
阪市など)が、20・21の両日、マイドームおおさか、MIDシアターで開催された。
今回は第10回の記念すべき年にあたり、従来の海外ジョイントステージに加え、ア
ジアを拠点に活躍中の若手デザイナーが競演するアジア・ジョイントステージが設け
られたのが特色。
新人部門ステージは、モルダビア(旧ソ連)からアリョーナ・コンスタンチノヴァ
氏が参加。国内参加者とともに、質の高いステージを披露した。
「ヨーロピアンジョイント」や、第10回記念ステージとして設けた「アジアン・ジ
ョイント」では、各国で活躍中のデザイナーが個性的なステージを実施、観客を魅了
した。
また、同コレクションでおなじみのコシノヒロコ、平戸鉄信、古川雲雪、いづみみ
ちこ氏らも洗練された来年春夏物のファッションを展開。会場は連日熱気に包まれた。
●環境先進国ドイツに注目〜ニューアース〜
「ニューアース’96(地球環境技術展)」が13〜16日、インテックス大阪で開催さ
れた。主催は大阪国際見本市委員会など。2回目の今回は、18カ国・1地域・1国際
機関から 305ブースが参加。特にドイツは大型参加により、環境の最先端技術を披露
した。
なかでも、デュアルシステム社は、ドイツにおける包装廃棄物の収集と選別の進展、
リサイクル技術および循環型経済の現状について情報を提供、来場者の高い関心を集
めていた。本展には、期間中6万人を超える来場者が訪れ、環境問題に対する関心の
高さがうかがわれた。
●ベンチャー大賞決定、12月に冊子を発行〜大阪市〜
大阪市と大阪市都市型産業振興センターが実施している「ベンチャービジネスコン
ペ大阪’96」の審査選考委員会(委員長=坂井利之・京都大学名誉教授)は、このほ
ど全国から応募のあった 108件のビジネス・プランについて、技術力や市場性などの
審査を行い、34件の入賞企業を決定した。主な入賞企業は次の通り。(代表者敬称略)
◆ベンチャービジネス大賞
「自動罫書き装置の研究開発」システクアカザワ(代表者・赤澤洋平TEL:461-13
69・大阪市福島区)
◆金賞(環境技術開発賞)
「工場廃水リサイクルシステム」リキッドコンサンド(代表者・岡上公彦TEL:32
7-6911・大阪市東淀川区)
◆銀賞(計測制御技術開発賞)
「多機能地中工事ロボットの開発と事業化」常盤建設(代表者・中嶋志朗TEL:44
8-2345・大阪市西区)
◆銅賞(ソフトウエア開発賞)
「構造化プログラム開発支援ツールCAP for Windows」ウェスコム
(代表者・村島一彌TEL:534-0021・大阪市西区)
このほか、30企業を優秀賞として決定した。
入賞企業にはベンチャー企業創出支援融資や、共同研究開発補助金の申込資格のほ
か、ビジネス・プランを冊子やインターネット、展示会などで紹介する。
ビジネス・プランや入賞企業を紹介した冊子(12月中旬以降発行予定)の請求は、
大阪市都市型産業振興センターTEL:466-7701まで。
●マクロミクロ【税金今昔】
昔の日本人が納めていた税金でよく知られているのは、江戸時代の封建制度下で農
民に課せられた年貢だろう。田畑からの収穫に課せられ、米で納めるのが原則。税率
は四公六民ないし五公五民というから重税だ。商・工・漁・鉱業などの営業者には、
宅地税としての地子(じし)や営業税としての運上(うんじょう)・冥加(みょうが)
が課せられた▼明治になり、地租改正条例が公布されると、納税者は土地所有者とさ
れ、課税標準も収穫高から地価に、税率は3%になる。国の財政は安定したが、税負
担に苦しむ人々が各地で暴動を起こしたそうだ▼現代の税は、本来の税収確保手段に
加えて、政策目的で用いられている。所得・資産・消費に累進税率や比例税率が適用
されているが、課税ベースと税率の組み合わせが異なれば作用する機能も違ってくる
▼例えば所得に対する税率の累進度を高めれば、格差の小さい世の中になるが働く意
欲は衰える。消費に対する課税のウエートを高めるほど税収は安定するが、景気を自
動的に調節する機能が弱まるだろう。税制が、社会の在り方を決めるというのは言い
過ぎだろうか▼年末になると税制改正の議論が盛んになる。将来、我々はどのような
世の中を望むのか、税の切り口から考えてみる良い機会だろう。
●新議員出そろう−29日に臨時議員総会−
大商は15日、1、2号議員で組織する「議員協議会」を開き、3号議員22人を選任
した。これにより、1、2、3号の 150人の議員(現在、1人欠員)が出そろい、3
年に一度の議員の改選を終えた。29日には臨時議員総会を開き、会頭、副会頭、専務
理事、常議員、監事の選任を選任する。
会員を代表し、大商の運営に参画するのが 150人の議員。その選ばれる方法によっ
て、1、2、3号議員に分かれる。
1号議員は定数76人で、会員、特定商工業者の投票によって選ばれるもので、定数
を上回る77人の立候補があったため、今月1日に選挙が行われた。
2号議員は、会員の営む事業の種類、業種により組織された「部会」から選ばれる。
大商には14の部会があり、今年の5月から6月にかけて部会ごとに選任が行われ、52
人の2号議員が選ばれた。
【3号議員22人を選任】
15日に開かれた、1、2号議員で組織する「議員協議会」で選任された3号議員は
次の通り。(敬称略・50音順)
井植 敏 三洋電機代表取締役会長
稲畑 勝雄 稲畑産業取締役社長
大西 正文 大阪ガス代表取締役会長
大林 芳郎 大林組代表取締役会長
海保 孝 大和銀行頭取
川上 哲郎 住友電気工業代表取締役会長
川瀬源太郎 日本生命保険相談役名誉会長
北村 恭二 大阪証券取引所理事長
小林 公平 阪急電鉄代表取締役会長
小林庄一郎 関西電力取締役会長
新宮 康男 住友金属工業取締役会長
瀧澤 三郎 東洋紡績代表取締役会長
田代 和 近畿日本鉄道取締役社長
巽 外夫 住友銀行取締役会長
鳥井信一郎 サントリー取締役社長
中村 龍平 丸紅代表取締役副社長
堀田 輝雄 伊藤忠商事相談役
松下 正治 松下電器産業代表取締役会長
松本 進 松本商事代表取締役会長
三野 重和 クボタ代表取締役会長
森 英雄 住友化学工業取締役会長
渡辺 滉 三和銀行代表取締役会長
●月例会員講演会<第336回>−入場無料−
◆と き 12月18日(水)午後2時から3時半まで
◆会 場 大商7階国際会議ホール
◆テーマ 橋本政権と行政改革の行方
〜京都大学経済学部教授 吉田和男氏〜
【講師紹介】昭和23年大阪府生まれ。46年京大経済学部卒業後、大蔵省に入省。経済
企画庁、銀行局など勤務。主計局主査を経て、60年阪大助教授、62年京大助教授、63
年より現職。経済審議会特別委員、税制調査会専門委員なども務める。主な著書に
「マクロから見た日本経済」「日本財政論」などがある。【問合せ】大商企業研修部
TEL:944-6421【定員】 700人 ※満員の節は入場をお断りする場合があります。
また写真撮影および講演内容の録音は全面禁止します。
●「経済団体の重要性増す」−欧州・東アジア経済会議で堀田副会頭語る−
世界経済フォーラム(WEF=本部スイス・ジュネーブ)主催の1996年欧州・東ア
ジア経済会議が、18〜20日香港で、世界約30カ国、 600人の参加者を集めて開催され
た。在阪企業関係者も堀田輝雄・大商副会頭をはじめ11人が参加した。
『APECの切り口から見たアジアの経済統合』と題するセッションで、パネリス
トとして参加した堀田副会頭は、アジアの経済統合の現状と、経済団体など中間組織
の役割について「APEC活動は、ビジョン・総論の段階から、今や実践・各論の段
階に入っている。こうした段階では、ミクロ活動とマクロ活動の懸け橋機能を持った
経済団体の役割がますます大きくなっている。例えば大商は、毎年10月に大阪で『世
界ビジネス・コンベンション(G−BOC)』を開催、中小企業のための商談と情報
交流の場として国境を超えたビジネスネットワークの構築を支援している」と述べた。
また、「経済団体は今後、正式な国交がない国や、地域とのビジネス交流を支援す
るなど、政府が出来ないことに積極的に取り組むことや、地球環境問題などビジネス
の枠を超えた問題にも対応する必要がある」と語った。
今回のWEFアジア会議の開催場所が香港のため、来年7月1日の中国への返還以
降の香港について関心が大きかったが、出席した香港の政府高官は「1国2方式につ
いて北京政府も了解しており、実質的に何ら変わらない」と強調していた。
●『商工図書館』年末休館のお知らせ
館内資料整理のため、12月24日から平成9年1月5日まで休館させていただきます。
大変ご迷惑をおかけしますが、ご了承下さい。
●日本企業は投資拡大を〜独・ベルリン州首相がPR〜
大商は12日、ニューアース96に参加するため来阪したディープゲン・ベルリン州首
相(ベルリン市長)一行の歓迎晩さん会を、関西経済連合会、大阪国際見本市委員会
との共催で開催した。
あいさつに立った稲畑勝雄・副会頭は、「世界ビジネス・コンベンションやアジア
太平洋ベンチャーなどのイベントを通じ、大阪とドイツのビジネス交流がさらに深ま
ることを期待する」と述べた。これに対してディープゲン州首相は「ベルリンと大阪
は共通の利益や課題を持っており、協力して経済や社会の改革を推進していかなけれ
ばならない」と応えた。
翌13日にはベルリン州代表団、在阪ドイツ総領事館との共催で、日独投資懇談会を
開催した。ディープゲン州首相は、ベルリン首都圏の投資環境についてのプレゼンテ
ーションで「国際的に活動する企業にとって、ベルリンは中央・東ヨーロッパへのゲ
ートウエーとして理想的な位置にある」とベルリンへの投資を呼びかけた。
投資懇談会終了後のレセプションでは、ベルリン・ブランデンブルグ州のビジネス
マンと在阪企業が交流を深め、なかには商談するグループも見受けられた。
●中小企業のための研究施設案内
【大阪工業技術研究所】
大阪工業技術研究所(大工研)は、通商産業省工業技術院傘下にある15研究所のひ
とつで、関西の工業系研究所の中では最大規模のものである。エネルギー変換材料・
エネルギー環境材料・光機能材料・有機機能材料・材料物理の5つの部と、それらの
専門性を生かし、より学際的な研究を行う基礎融合特別研究室、新材料研究センター、
さらに技術交流推進センターを設置している。
技術交流推進センターは、研究成果の産業移転をはじめ、民間企業や他の公設試験
研究機関との交流を進める窓口の役割を果たす。同センターの見矢勝所長は「大工研
は、新産業の創出につながる新しいシーズを作るための独創的な研究を行っており、
材料研究に関する中心的役割を担っています」と話す。特に、エネルギー関連材料や
光機能材料に重点をおき、それらの分野を推進するための基盤研究として、表面・界
面の科学、生体機能の材料科学研究を行っていることが特徴的だ。
例えば、ゴルフクラブや釣り竿、航空宇宙開発などで大量に使用されているPAN
系炭素繊維は、大工研が世界に先駆けて開発したもの。また、液晶表示板の発展に画
期的な役割を果たした酸化インジウム透明導電膜を開発、東北新幹線のフロントガラ
スの氷結防止ヒーターとしても使用されている。さらに、油脂メーカーとの共同研究
でマイクロカプセルを使った商品開発を行い、化粧品や防虫剤などを生み出した実績
がある。このほかにも高分子鎖の統計力学、金触媒、Bi系超電導ウィスカー、ガラ
スの宇宙実験など、これまで各分野で大きな成果をあげてきた。
見矢所長は「かなり先導的な研究を行っているので、企業との共同研究は正直言っ
て少例です」と謙虚だが、企業の技術指導(昨年1年間で42件)や技術相談(同1361
件)に応じるとともに、内容によってはよりふさわしい別の研究機関を紹介するなど
配慮している。また、テーマが合致すれば共同研究(同26件)に参加することも可能
だ。
「これらの研究課題や成果は刊行物『大工研ニュース』、研究講演会などで一般に
発表しています。この記事を読んで関心を持たれた方、新技術へのアンテナを広げて
おられる企業さんはぜひ、技術交流推進センターの門をたたいてください」と強調す
る見矢所長。未来を見据えた先端的な技術開発に取り組む中小企業にとって、力強い
サポーターである。
《所在地》池田市緑丘1−8−31 TEL:0727-51-9688(技術交流推進センター)
●高まる物流への関心−平和堂多賀流通センター見学−【生活用品部会】
生活用品部会(部会長=福井庄次郎・ライオン事務器会長)は18日、日本ボランタ
リー・チェーン協会大阪ブロック会と合同で、滋賀県にある「平和堂多賀流通センタ
ー」を視察、45人が参加した。
このセンターは、ドライセンター(加工食品・菓子の在庫センター)、通過センタ
ー(衣料・雑貨の仕分けセンター)、チルドセンター(日配・青果の仕分けセンター) 、
ベストーネ(惣菜加工工場)の4つのセンターで構成され、在庫機能と小分け機能を
もった常温・低温複合型センター。
センター内の作業は、卸売業、運送業などの物流業者に委託している。問屋機能を
取り込み、カテゴリー別積み分け配送、ITF(標準物流シンボル)コードの利用に
よる自動仕分け、伝票レスを実現。センターの専用在庫をもつことで、年末年始など
小売業の営業延長にも対応できるように努めている。
同社の島田恭一物流管理部長は、「チェーンストアをバックアップする専門業者に
育ってもらい、産地(メーカー)、卸売業、小売店までが一体となって効率的な流通
を実現したい」という。
物流に対する企業の関心が高まっているだけに、参加者は説明に聞き入っていた。
【繊維部会、グンゼ博物苑へ】
大商の繊維部会(部会長=長塩安之・大阪ニット工業組合相談役理事)は8日、京
都府綾部市にあるグンゼの博物苑と記念館を視察、35人が参加した。
これらの施設は、グンゼが創立 100周年を記念して、歴史的な建物、機械、資料を
一堂に集め、発祥の地に今年4月設立した産業技術史的な資料館。
同記念館は、創業以来の同社の経営姿勢や歩みを中心に、歴史的資料などが展示・
紹介されている。
博物苑では絹、靴下、メリヤスの3つの蔵に分けて、それらのルーツと歴史をわか
りやすく紹介している。
●起業家群像(17)文:加藤 勝美(フリージャーナリスト)
【顧客の難題聞いて新製品開発〜山本ビニター 山本晴敏社長〜】
バブル期、銀行が来て言うには「山本さんクラスやったら淀屋橋に本社ビルをどう
です」。そのため 120億円を融資するという。迷った挙げ句、「借金は嫌いです」と
断った。山本さん(大正15年、奈良県生まれ)の生家は土地持ちの名家だったが、ぼ
んぼんの父親が財産を食いつぶし、母親が苦労を重ねた。その母の「自分の力の範囲
でやれ」という教えは山本さんにしみ込み、昭和28年の山本ビニール(株)設立以来、
無借金。
そして、かつてのフラフープやダッコちゃんブームにあぐらをかかず、「お客さん
の無理難題を聞いて、お客さんがもうかる製品を作る」という姿勢を貫いて発展して
きた。今ではビニールの溶着技術から生まれた高周波産業機器メーカーとして世界的
な存在である。
昭和52年、当時京都大学の医学部長、菅原努博士が、ガンの温熱治療器開発の話を
持ってきた。実は大企業のT社で「世界のどこもやってない雲をつかむような話」と、
断られたという。
「人を温めるのは初めてですが」と引き受け、弟で専務の五郎さんが共同開発に当
たった。4年目、なんとかメドは立ったが、医療器だから厚生省の認可まで8年もか
かることが分かり「やめる」と決断したが、五郎さんはやり続けた。「損得わからん
ヤツでないとあんなこと出来まへんな」
昭和60年、科学技術庁がこの治療装置を発表して、ニュースは全世界を駆けめぐっ
た。放射線や抗ガン剤は免疫力を低下させるが、これは免疫力を高めてガン細胞だけ
を殺すという画期的なもので、国公立病院などに83台納入されている。健康保険も適
用されるが、1回の治療に1時間人手が取られるため、あまり使われていないらしい。
「治る病気も治らない」と、山本さんは嘆く。
これ以前、ピアノメーカーから化粧板を接着する機械の開発を頼まれた。普通、接
着剤が乾くには5、6時間要するが、それを数分に短縮して自動ラインに乗せたいと
いう。接着は成功したが、音色がおかしいというクレームが来た。音のことなど全く
知らない分野で、結局お手上げ、五郎さんが「ギブアップです」と謝りに行った。
「天下の山本さんが、そこまで言われるなら」と、先方もあきらめたようだが、折
角だから工場を見てほしいという。自動化ラインの一角がポツンと空いている。「お
たくの機械が駄目で、この設備はみんなおしゃかですわ」。冷や汗びっしょりの五郎
さんは、以来技術陣と徹夜を重ねて、澄んだ音色を出すことに成功した。「あきらめ
たら負け、教えられました」
来年にはお目見えできる予定の製品に、やはり高周波による前立腺肥大の治療器が
ある。「手術で削るとあっちが駄目になるいうので、する人が少ないようですが、こ
れはそんなことおまへん。困っている人には大朗報です」
社員の教育を大事にしており、月に1回以上、部門ごとに話をし、外部の講演では
経営者の姿勢の重要性について語る。70歳の山本さんは会社同様すこぶる元気である。
酒、たばこは一切やらない。夜の遊びも一切なし。ゴルフで汗を流すのが楽しみ。
「頭使わなかったらよう寝られますな」
【企業概要】設立=昭和28年、従業員= 160人、資本金=8500万円、事業内容=高周
波ウエルダー・高周波電子機器・がん治療装置及び同関連製品・ビニール製品・リビ
ングインテリア製品・建装材などの製造販売、連絡先=天王寺区上汐6−3−12
TEL:771-0605
●経営相談Q&A(40)
【新規開業の支援〜NESSCへご相談を〜】
【Q】私は最近脱サラして郊外で小さなお店を開業したいと思っています。開業につ
いて相談出来るところがあれば教えて下さい。
【A】平成6年4月、大阪商工会議所の中小企業相談所に、NESSC(ネスク:N
ew Enterprise Supporting Service Cente
r)=新規開業支援サービスセンターを設置、脱サラして新しく開業をめざす人や、
あるいは今の事業を多角化したり、業種転換を考えている企業などに対し、いろいろ
アドバイスしています。
初年度は、 288件、昨年は 171件の開業相談を受けました。
今年度は、4〜9月の上半期で、百28件の相談を受けている。相談内容については、
やはり開業資金の調達方法が全体の28%、開業の際の法律やその手続き相談が17%、
販路開拓が12%、業界情報が10%の順になっています。
ネスクでは常時8人程度の中小企業診断士や税理士などのスタッフが、開業の心構
えから、事業コンセプト立案の仕方、各種資金計画の立て方、調達の仕方、それに会
社設立の手順や各種許認可届け出など懇切丁寧に相談にのってくれるので、せいぜい
ご利用をお勧めします。
また、ネスクでは、年六回程度の開業セミナーを企画、創業者を講師に、経営哲学
や経営苦心談など、今から開業をめざす人には大変役立つセミナーを開いています。
来る12月にも次の開業セミナーを開きます。
◆開業セミナーご案内
○日時 12月12日(木)午後2時〜同3時30分
○場所 大商402号室
○テーマ 最近の開業企業に学ぶ(仮題)
○講師 帝京大学経済学部教授、元・国民金融公庫、総合研究所副所長 喜多捷二氏
○参加費・無料
〇定員 100人(満員になり次第締め切りますのでご了承ください)
【申込先】専門指導センター FAX:944-6565 TEL:944-6472
●中国・香港流通ツアー実施−大販協が参加者募集−
大阪販売士協会(理事長=平田憲識・平田家具社長)は、来年1月に「中国・香港
流通交流ツアー」を実施する。同協会は、これまで2回にわたり中国流通交流ツアー
を実施し、販売技術指導セミナーや懇談などの交流を行うとともに、小売業従事者の
教育、指導者の養成などの協力策について中国の流通業界と協議した。その結果、今
後も交流を続けることで合意したのを受けて実施するもの。
改革・開放政策の下、社会主義市場経済を推進している中国の第3次産業発展に寄
与する目的もある。訪問先の北京では中国流通関係者と懇談するほか、来年7月に中
国に返還される香港の最新流通事情も視察する予定。
中国及び香港の流通事情にご関心のある方は、この機会にぜひご参加下さい。
【日程】平成9年1月23〜27日【訪問先】中華人民共和国(北京)香港【参加費】19
万8000円【申込方法】参加ご希望の方は、12月6日までに郵送またはFAXにてお申
込下さい。【問合せ】企業研修部内・大阪販売士協会・田中TEL:944-6430 FA
X:944-6330
●〜風〜釜山・大阪商議所野球で交流
大商と事業提携を行っている韓国・釜山商工会議所の職員18人が、15日来阪。一行
は17日までの3日間、大阪市内の見学や、大商職員と野球の試合を行うなど、両会議
所間の交流を深めた。
●中小企業のための円滑な事業承継(7)
【外部機関で研修−後継者選定後の育成 その2−】
◎規模による問題の傾向
後継者の選定・育成そしてバトンタッチのタイミングは難しく、微妙な問題も含ん
でいます。
これを規模別に見ると、生業といわれる10人程度以下の場合、現在の厳しい状況下
では子女の後継は困難です。中には親の窮状を見るに忍びないと継ぐケース、根から
好きで継ぐケースもありますが、例外中の例外と見た方が良いでしょう。
次に、家業といった10〜50人の規模になると、少し様子が変わってきます。伝統が
あり、家訓といったバックボーンとなる哲学がある場合が多いのです。このような場
合は、子女のだれかが結果的に継ぐことなります。
次に、事業と言える数100 人の規模になると、後継者の育成と後継の時期に重点が
移ってきます。
それ以上の規模の企業になると、選定と後継の時期が問題となってきます。
◎育成方法の併用
他社勤務を終え自社に戻り、専務や部長の地位に就く。後継者として本人が自覚す
るころに、後継者(養成)講座に出す。これも1つの打開策であり、後継者が目覚め
る機会にもなります。受講者はすべて同様の立場の人間であり、受講生同志の話もい
ろいろ教えられたりします。独創性のある者、優れた思考の持ち主もいて、世界が広
がる機会になります。後継者講座(研修)の終了後は、継続的なつき合いとなり、お
互いに切磋琢磨(せっさたくま)するチャンスになります。
◎公的機関の養成講座
公的機関の後継者養成講座としては、大阪府経営合理化協会の講座があります。
「経営2世塾」というもので、昭和55年にスタートしました。講師は大学の先生もお
られますが、大部分は第一線の社長です。
ほかに、中小企業事業団の中小企業大学校に経営後継者研修という1年コースがあ
ります。これらのコースには、いろんな業種の後継者が参加されるので、おのずと異
業種交流の場ともなります。特色ある企業を訪問する実地研修もあり、これによって
経営意欲や新規事業開発の意欲も刺激されます。また、研修を通じ、大学や研究所の
専門講座とも接触することが出来ます。このことは、研修終了後も貴重な情報になっ
ていくと思われます。
◎民間の研修
民間では、船井総合研究所、田辺経営、管理者養成学校、日本LCAといったコン
サルタント会社があります。田辺経営では、後継者スクールという2日間ずつ5回シ
リーズのものがあります。現経営者、後継者向けに随時単発に開催するものもありま
す。管理者養成学校では、「後継者の社長学」という1年間の講座があるほか、LC
Aでは、「後継者講座」という1年コースの研修があります。これらはいずれも自社
での教育、訓練の補完です。自社で完全に出来れば1番良いのですが、それは経験的
になかなか難しいことです。
中堅中小企業といえども、オールラウンドの後継者育成は困難であり、自社に合っ
た研修に出席させるのも有効でしょう。研修が終了してもそれで終わることなく、そ
の研修の参加者とのつながりを保つことにより、お互いに活用し合い、自社の発展に
大いに役立てていくことが大切です。
◎経営大学院
経営大学院でMBAを取る勉強も、時間的余裕がある場合は、効果は大きいでしょ
う。
【石川会計事務所 税理士・石川悦治】
●経営ミニガイド〜中小企業設備近代化資金貸付〜
中小企業近代化資金等助成法に基づき、設備資金を自力で調達することが困難な企
業に対し、設備に必要な資金を長期、無利子で貸し付けることにより、中小企業の近
代化を促進することが目的。
【受付期間】
11月25〜29日、午前10時〜午後4時
【受付場所】
大和銀行谷町ビル8階会議室(中央区大手通1丁目)
【申請用紙配布場所】
府民情報プラザ(各府税事務所内)、商工会議所、商工会、大阪府新産業振興課
【対象企業】
大阪府下に、店舗等の事業所を有し、資本金または出資額並びに従業員数が次の通
りであること。
(1)本年度中に中小企業設備貸与制度を利用していないこと(2)中小企業者以外
の事業者から2分の1以上の出資を受けていない企業であること(3)本資金の利用
が今回の申請を含めて最近5年間で4回以上受けていないこと(4)関係諸法令を遵
守していること等。※開業(設立)後1年未満の企業者は別途お問い合わせください。
また、本制度の趣旨から、対象外となったり貸与率、貸付時期等について制限される
業種・企業があります。
【対象設備】
(1)府下の工場、店舗などに設置するものであること(2)性能が優秀であり新品
であること(3)1月1日から翌年3月31日までに売買契約を行い、4月1日から翌
年3月31日までに設置を完了する設備であること(4)リース設備でないこと。
なお、対象設備は限定されています。詳細はお問い合わせください。
【貸付条件】
○貸付額=1企業あたり50万円から4000万円まで
○貸付率=設備資金の2分の1以内
○利率=無利子
○償還方法=原則1年据え置き4年均等年賦償還(設備により償還年は異なる)
○保証人及び担保=所定の基準に基づき連帯保証人が必要です。申請額が1500万円を
超える場合は物的担保の提供が必要です。
○違約金=貸付条件に違反または償還が遅延したときは、年10.75 %の違約金が徴収
されます。
○その他=小売・卸売業の方は設備設置前と設置後に現地調査があります。
【申請書類】
申請書、見積書、カタログ、図面、決算書(直近2年分、付属明細書付き)等の書類
が必要です。
【問合せ】
大阪府商工部新産業振興課TEL:941-0351(内)2658
●チャレンジする中小企業『オズ』
【あらゆる素材へのカラー転写を実現】
自分で撮影した写真や、描いた自慢の絵画を、身近な物に転写して残しておきたい
と思ったことはないだろうか。
そんな願いを簡単にかなえる『魔法』を使う会社がある。その名も「オズ」だ。
コンピューターメーカーのサラリーマンだった徳地安彦社長は、10年前に独立。コ
ンピューター関連機器の販売と教育事業、さらにカラーインクを使ってデザイナーや
メーカー向けのプレゼンテーション商品を企画・製作する会社を設立した。
当初は、インクを使った転写技術しかなく、カラーコピーが可能な素材は紙だけだ
った。そこで2年前から転写用特殊シートの開発に取り組み始める。さらに富士ゼロ
ックスと提携し、昨年、転写のためのシステム「リアルアイ」を完成、今では商品の
企画・立案が主な業務となっている。
このシステムは、パソコンとカラーコピー機を連動させ、まず、パソコンからデー
タを出力し、カラーコピー機を通してリアルアイシートに複写する。次に、このシー
トに用途に応じたコーティングを施し、転写したい素材に熱転写する。これだけで、
カラーコピーとは思えないほどの美しいイメージが作成できる。
「従来の転写のイメージを塗り替える、全く新しいフルカラー転写システム」と徳地
社長。カラーコピー機を利用して手軽に、そして何よりも美しく、思いのままのイメ
ージを写すことが可能。転写可能な素材としてはTシャツ、テント、キャンバス地な
どの繊維をはじめ、タイル、アクリル板、金属板、電照看板、デュアルビジョン、フ
ルカラーレタリング、金箔・銀箔などアイデア次第である。
徳地社長は「最近、この技術を自転車のフレームや屋外広告物、アート商品に利用
される方が多い。商品の耐久性が高いので、自治体から金属板に避難経路図を転写し
てほしいとの注文を受けたことも」と話す。
情報化が進展したおかげで、今では取引先からインターネットで情報を送ってもら
い、画像処理して商品化することもできる。
例えばヘルメットや自転車、単車、自動車など3次元への転写も可能。現在、仏具
の鈴(りん)やろうそく立てなどへの加工業務を引き受け、独占契約で市場を任せる
といった話も進んでいる。『こんな物に転写ができれば、新しい市場が生まれる』と
いう発想が重要だ。
「今後は、さまざまなアイデアをもった企業、販路を開拓してくれる企業と取引し
ていきたい。また、リアルアイ転写システムの販売独占権を売って、当社が実用新案
を持っているリアルアイシートの利益拡大も図りたい」と語る徳地社長。独自のノウ
ハウを駆使し、市場開拓にまい進している姿がエネルギッシュである。
<メモ>▽住所=中央区12軒町6−28サニーハウス谷町203号▽TEL:767-36
01▽代表=徳地安彦・社長▽事業内容=画材、コンピューター販売、フォトCDシス
テム、フルカラー転写システムなど▽従業員数=8人▽資本金=1000万円
●売れてまーす−「快眠枕」−
肩こりや腰痛、いびき、寝付きの悪さなどの症状は、枕(まくら)が原因の場合が
多い。そこで自分にあった枕を使えば、これら症状の多くは解決できる。ロフテーが、
今年から近鉄百貨店阿倍野本店内に出店した『枕工房』では、専属の係員がお客さま
にマンツーマンで接客し、1人ひとりに合った『快眠枕』を提供し、好評だ。
理想的な枕は、寝ている時の姿勢が立っている時と同じような姿勢になる枕。個人
差はあるが、顔の角度が5度、頸椎(けいつい)弧の深さが2〜6センチとなる。同
店では、頸椎弧を専用の計測器で測定し、枕の高さを決定。次に枕の固さを、その人
が日ごろ使っている枕を参考に決める。素材は羽毛や真綿、そばがらなどの中から選
べるそうだ。
●公的団体に直接確認を断る時は明確な態度で
【悪質な融資代行業者に注意】
最近、大阪府の中小企業向け融資に関して、公的な機関と紛らわしい名称を使って
中小企業者を勧誘し、融資申込みを代行するだけで、法外な手数料を請求する悪質な
代行業者への苦情が増えている。また、資格試験の取得講座を電話勧誘し、頼んでも
いない商品を送り付け、代金を請求する業者への被害も増えている。このような悪質
業者にだまされないよう注意すべきだ。
◎融資代行業者の勧誘の手口
大阪府の調査によると、悪質な融資代行業者の勧誘の手口は、次のようなやりとり
で行われているようである。
(1)経営コンサルタント会社や公的団体の関係機関と紛らわしい名称の業者(以下
「代行業者」)から、「公的資金活用のご案内」などと銘打った文書が、郵便やFA
Xで中小企業者に送付される。
(2)その文書には、大阪府などの制度融資や信用保証協会制度融資について記載し
ている。また、「『決算が赤字』『担保がない』などで公的資金の活用をあきらめて
いる方、まずは電話でご連絡下さい」などと書かれている。
(3)中小企業者が代行業者に連絡をとると、「当方は公営企業金融公庫から資金提
供を受けている」「府の関係団体である」などと言って、代行業者が公的団体の関係
機関のように思わせる。また、「府と人的コネクションがある」「中小企業が直接融
資申込みを行っても認められないが、自分が代行すれば認められる」など、代行業者
が大阪府に関係があるように思わせる。
(4)同時に、代行業者は「調査書をFAXで送るので、記入し、返送してほしい」
「1度事務所まで相談に来てほしい」などと持ちかけ、調査書や面会を通じて、中小
企業の経営状況や借入れ状況を聞き出す。
(5)制度融資の融資申込書を持っており、融資のコンサルタントや申込書の代書業
務にことよせて、融資実行額の10〜20%の手数料を請求する。
このような手口により、多数の中小企業者が高額な手数料を支払わされ、被害を受
けているという。
◎府の融資は手数料なし
大阪府の中小企業向け事業資金融資、保証協会の保証付融資制度は、規定の貸出金
利、信用保証料以外は一切手数料は不要。代行業者を通じて申し込んでも、府や保証
協会では有利な扱いはありえない。
また大阪府やその外郭団体は、府の広報紙や情報誌などで広報活動をしているが、
郵便やFAXを使用して中小企業者に対して直接働きかけるような広報活動は行って
いない。
「融資は申込書の記載事項など企業のプライベート情報が主体なので、中小企業者自
身が直接、府・信用保証協会の窓口に申し込むのが最も確実」(大阪府商工部金融課)
とのことだ。
◎電話勧誘による資格商法にも注意
同じく公的機関と紛らわしい名称を使い、国家試験など資格講座の電話勧誘販売の
トラブルも急増している。
資格商法の手口は「ダイレクトメールを見ましたか」などと職場に電話し、「受講
するだけで国家資格がとれる」「副収入が得られる」と契約を迫ってくる。
このような勧誘に対し、「結構です」「いいです」などといった、どちらにもとれ
る返事や、簡単に資料請求することは禁物。はっきりと「必要ない」と答えないと勝
手に商品などを送り付けられ、代金を請求されるケースがある。
虚偽の内容に気づき解約を申し出ると「既に登録した」「口頭でも契約は成立する」
などと言われ解約できないというものである。
◎クーリング・オフの対象に
このため国は5月に訪問販売法を改正。同法は今月21日に施行され、電話勧誘販売
もクーリング・オフの対象となった。契約の内容を明らかにする書面を受領した日か
ら8日以内に、内容証明郵便などの書面を発信することによって契約解除できる。
公的機関を連想させる紛らわしい名称で安心感を与え、契約を迫るケースはほかに
も多数あり、全国で被害が増えている。うまい話に惑わされないよう、くれぐれもご
注意を。
◇ ◇
〇本件の融資代行業者に関する苦情、相談連絡先は大阪府商工部金融課(TEL:
941-0351内線2643)へ
〇電話勧誘などのトラブルは大阪府立消費生活センター(TEL:344-0999)へ
●お知らせ
◆平成8年度大阪市季節大気汚染防止対策の実施
大阪市は「大阪市固定発生源窒素酸化物対策指導要領」に基づき、工場・事業所か
ら排出される窒素酸化物の低減を推進しています。窒素酸化物が高くなる11月から1
月までの期間に「季節大気汚染防止対策」を実施しますが、特に12月を大気汚染防止
推進月間と定め、窒素酸化物排出量の抑制のため立入指導や講演会・キャンペーン、
マイカー通勤の自粛など、さまざまな対策を実施しますので、ご協力いただきますよ
うお願い申し上げます。
◆国立民族学博物館が生まれかわりました
国立民族学博物館に新しい展示「南アジア展示」「映像の広場」「ものの広場」が
オープンしました。さらに「東南アジア展示」「言語展示」の内容も一新されました。
新しくなった展示場をぜひご覧下さい。観覧料=一般 400円。◎同博物館TEL:
876-2151
◆劇団態変帰国公演
エジンバラ・フェスティバル・フリンジ’96作品「ブルーム」日時=12月6・7・
8日、場所=アイホール。作・演出は金満里。出演は井上朋子、木村年男など。前売
り2800円、当日3000円。◎イマージュTEL:320-0344
◆「神戸ルミナリエ」の開催
12月12〜25日、旧外国人居留地および東遊園地、JR新神戸駅前、神戸ハーバーラ
ンド・スペースシアター、北野町広場で。点灯時間=午後6時から10時30分*土・日・
23日は午後5時30分〜10時30分。神戸ハーバーランドは午後4時30分〜10時30分(12
日の点灯は午後6時から)◎神戸ルミナリエ実行委員会事務局TEL:078-303-5800
◆国民年金基金加入のご案内
国民年金基金は、自営業者など国民年金の加入者が、より豊かな老後生活を実現で
きるよう、従来の基礎年金に上乗せして年金が給付されるよう考えられた公的な年金
です。20〜60歳までの自営業者が対象、給付の型は6種類。また、掛金には「社会保
険控除」が、将来の年金にも「公的年金等控除」が適用されます。◎大阪府国民年金
基金TEL:775-5775
◆財形融資制度のご利用を
雇用促進事業団では、財形貯蓄をしている勤労者の福利厚生の向上を図るため、財
形融資制度を実施しています。これは、住宅の新築や購入資金、また本人や家族が進
学・在学中に必要な学資金などを融資する制度で、長期・低利でご利用いただけます。
◎同事業団大阪雇用促進センターTEL:264-2326
●人材銀行ニュース TEL:252-3461
【総務】54歳 手取30万円希望 東大阪市 高卒 鉄鋼業他28年。人事・労務管理、
株式公開準備、CI計画等に従事。番号 2643
【営業】46歳 手取35万円希望 大正区 高卒 電気通信工事業他25年。LAN等各
種CPシステムの企画・営業。 番号 2676
【営業】43歳 手取32万円希望 東住吉区 大卒 印刷物・販促物(展示会、店装等)
の営業、企画、工程管理等。 番号 2677
【電子】49歳 手取45万円希望 高槻市 大卒 マイコン応用システムのハード・ソ
フト設計、技術営業に15年従事。番号 2663
【電気】48歳 手取30万円希望 茨木市 大卒 環境試験槽や箔転写印刷機等の電装
設計、技術サービスに12年従事。番号 2705
●大商セミナー
▼以下の問い合わせは企業研修部研修担当TEL:944-6422へ。
【株式公開研究セミナー】
株式公開の是非や第2店頭市場のメリット・デメリット、これまでの経営者がいか
に資本市場を活用し成長したかなどについて学ぶ。12月4日午後1〜7時、大阪コク
サイホテルで。講師はビジネスデザイン代表取締役の山科裕氏、日本ベンチャーキャ
ピタル社長の野上浩三氏、トーマツ監査法人代表社員の石田昭氏、大和証券大阪支店
公開引受部長の大鹿博文氏、グルメ杵屋社長の椋本彦之氏。受講料=会員23,000円、
一般35,000円。定員50人。
【経営者のためのビジネス法務講座】
中堅・中小企業経営者を対象に、経営の安定や事業承継のための法律・税務の知識、
海外取引の留意点や知的所有権など会社をめぐる今日的問題についての法律知識を習
得する。12月6日〜平成9年3月14日(計6回)いずれも午後2〜5時、大商会議室
で。講師は弁護士の爲近百合俊氏と国谷史郎氏。受講料=【6回分】会員72,000円、
一般90,000円。【1回分】会員15,000円、一般18,000円。定員30人。
【M&A入門セミナー−非上場企業にとってのM&A−】
現在では、M&Aは企業のリストラや多角化・国際化に向けた経営戦略としての大
きな手段であり、潜在需要は大きいものがあります。本セミナーはM&Aの考え方・
進め方を経営・法律・税務の面から解説します。12月19日午後1時15分〜6時、大商
会議室で。講師は、野村企業情報社長の後藤光男氏、弁護士の爲近百合俊氏、公認会
計士の橋本節雄氏。受講料=会員23,000円、一般34,000円。定員50人。
【経験や勘・度胸には限界があるリーダーのための
「問題解決・意志決定能力強化」合宿研修】
対象は経営者、管理職および問題解決・意志決定能力向上を目指しているリーダー。
平成9年1月23〜25日(2泊3日)、賢島研修センターで。講師はシンキングマネジ
メント研究所所長の今井繁之氏。参加料=会員75,000円、一般90,000円(宿泊費・食
事代・テキスト代含む。交通費は含みません)。12月6日までに申込の方は参加費か
ら5000円割引いたします。定員30人。
▼以下の問い合わせは企業研修部検定担当TEL:944-6430へ。
【1級販売士受験直前対策講座】
1級販売士検定の合格率は約14%という厳しさ。検定試験日(平成9年2月19日)
の直前に合格へのポイントを学んでいただきます。平成9年1月13日〜2月10日(全
9回)午後6〜8時、大商会議室で。受講料=(全科目)33,000円、一般38,000円
(1科目)5000円、一般6000円。定員40人。
【3級販売士養成講習会】
本講習会では、流通業のしくみや、販売の基本を体系的に学ぶことができるうえ、
修了者には平成9年2月19日の3級販売士検定において、試験科目の一部免除という
特典がある。平成9年1月14日〜2月12日(全13回)午後6〜8時、大商会議室で。
受講料=会員・学生28,000円、一般=32,000円。定員=70人。
【平成8年度2級・3級販売士資格更新講習会】
販売士の資格は5年ごとに更新を行い、その資質の維持・向上につとめています。
今回、資格の有効期間を迎えた方々に対して、講習会を開催します。平成9年2月12
日、3月5・6日(いずれか都合の良い日で受講して下さい)【2級】午前9時30分
〜午後3時30分【3級】午前9時30分〜午後0時30分、大商会議室で。該当者は2級
が第4・9・14・19回合格者、3級が第4・9・18・19・28・29回合格者。受講料=
2級6000円、3級5000円。
【中国ビジネスの法律トラブル解決法】
日本人で2番目に北京に法律事務所を開設し、中国への投資・経営・取引に関する
法律面でのサポートを行っている相馬達雄弁護士を迎え、具体的事例を踏まえた話を
うかがう。11月28日午後2〜4時、大商会議室で。テーマは「中国ビジネスの法律ト
ラブル解決法」。参加料=会員5000円、一般10,000円 (当日受付にて頂戴いたしま
す)。定員90人。◎国際部TEL:944-6412
【企業家精神の原点−大商初代会頭資料展−】
このたび、名古屋学院大学の堀孝彦教授から、大久保利通が五代友厚・大商初代会
頭のために揮毫(ごう)した「弘成館」「朝陽館」の2幅の扁額(へんがく)が、大
商に寄贈された。
そこで、この額を一般公開するとともに、大商所蔵の五代文書の中から関連のある
資料をあわせ、資料展を開催する。
<日時>12月2・3日(2日間)、午前9時30分〜午後5時<場所>大阪商工会議所
4階403号会議室<展示内容>(1)大久保利通揮毫の扁額2幅「弘成館」「朝陽
館」(2)「弘成館」諸規則、「朝陽館」宣伝文など(3)大久保利通書簡(4)大
阪近代化の原点「五代の建議報告」(5)その他、わが国初の英和辞典「薩摩辞書」
も展示予定<入場料>無料【問合せ】管理部TEL:944-6266
●支部セミナー
◆やさしいパソコン講座(表計算ソフト、ロータス123)
浪速支部主催。12月12・13日午後2〜5時、同支部で。講師は大阪国際大学経営情
報学科助教授の植松康祐氏。受講料3000円。定員15人。TEL:649-5252
◆新春講演会「21世紀の日本はどうなる?」−中小企業が心すべきこと−
旭支部主催。平成9年1月27日午後2時30分〜4時30分、千林くらしエール館で。
講師は野村総合研究所研究理事政策研究センター長の富田俊基氏。参加無料。定員
100人。必ず電話(923-7112)またはFAX:(923-7106)でお申込み下さい。
●新幹線&会員優待ホテル
◎ご利用の際は会員証が必要です。
また、切符購入後の交換や払い戻しは一切できませんので、十分ご注意願います。
【問合せ】会員サービス課TEL:944-6253
●国連難民募金に協力を!!
現在、ルワンダ、ブルンジ、リベリアなどの難民流失に対して、国際的支援が行わ
れておりますが、国連の難民援助の資金は、各国政府および民間からの拠出・募金に
よってまかなわれています。
日本としては、緒方貞子氏を国連難民高等弁務官に送り出していることから、国民
あげて資金的支援をすべきですが、日本での民間募金は馴染(なじ)みが薄く、十分
に集まっていないのが実情です。
そこで大商では、関西の他の関係団体とともに、このたび「国連難民募金関西キャ
ンペーン」を企画し、会員各位に募金箱(ボール紙製、15×23×29cm)の設置によ
る募金のご協力をお願いすることにしました。
当キャンペーンにご協力いただける皆様は、下記までご連絡下さい。募金箱をお送
りします。
【問合せ】国際部・松川TEL:944-6400、FAX944-6248
●助成対象事業を募集〜大阪コミュニティ財団〜
大阪コミュニティ財団(会長=大西正文・大商会頭)では、助成対象事業を募集し
ている。対象は、主として大阪及び周辺の非営利団体が、平成9年4月から平成9年
9月に実施を予定しているプロジェクトで、事業分野は(1)科学技術や人文・社会
科学の研究助成(2)学校教育・社会教育のプログラムの助成(3)芸術・文化団体
の活動の支援(4)国際交流活動や留学生の支援(5)環境保全や国土緑化活動の支
援(6)障害者・高齢者支援グループの助成等。特に(5)、(6)の分野への応募
を歓迎。
希望者は所定の助成申込書(切手 270円を同封して請求)に団体の定款、規約、役
員名簿、最近年度の事業報告書及び決算書などを添えて、12月2日から27日までに同
財団にお送り下さい。選考結果は平成9年3月に文書で通知します。
申し込み、資料請求は、大阪コミュニティ財団(〒540 大阪市中央区本町橋2−8
大阪商工会議所内TEL:944-6260)まで。
●お急ぎ下さい!指名競争入札の締切り迫る−大阪府用度課調達係−
平成9・10・11年度において大阪府が行う、物品関係の指名競争入札及び特定調達
契約一般競争入札(水道部の所掌に属するものを除く)参加申請の受付を次のとおり
行っています。
<受付期間>指名競争入札=平成8年11月28日まで、一般競争入札=平成8年12月5
〜13日まで(土・日・祝祭日を除く)
<受付場所>国民会館住友生命ビル5階
<問合せ>大阪府総務部用度課調達係TEL:944-9905
●『夢みなと博覧会』大商でチケット販売中
大商は、平成9年7月12日から開催される「ジャパンエキスポ鳥取’97山陰・夢み
なと博覧会」のチケットを地下売店で販売しています。
この博覧会は「翔け、交流新時代へ」をテーマに、地域連携軸、環日本海など、さ
まざまな地域との交流をはじめて具現化する特徴ある博覧会です。中国・韓国・ロシ
ア等日本海対岸諸国の文化に直接触れることができます。「環日本海交流村」や、鳥
取県が誇る独自の最新技術を紹介する「産業未来館」、イルカショーや大型船のディ
ナークルーズ、温泉等も楽しめる「海遊リゾートゾーン」などのほか、大型コンサー
トや日本海の新鮮な魚介も味わえる日本海市場など、盛りだくさんの内容です。
第1期前売券(12月末日まで販売分)は、大人2300円、高校生1400円、小中学生は
1000円。売店での店頭販売のほか、簡易書留での送付もいたします(送料別途必要。
前金での申込のみ受付)。詳細は地下売店TEL:944-6566まで。
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