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韓国にみるIT普及のポイント


2 日韓インターネット利用状況の比較

2-1 日韓のインターネット利用度の比較

韓国はブロードバンド先進国、IT先進国と言われることがあるが、どれぐらい日本よりもインターネットを活用しているのだろうか?まず、統計的なデータから日韓のインターネット利用度合いを比較した。

図表1 インターネット利用率
日本 韓国
利用人口(万人) 4,619.6 2,438
利用率 36.6% 56.6%
調査時期 2002年2月 2001年12月

インターネット白書2002 (c) Access Media/impress, 2002
2002韓国インターネット白書(韓国情報通信部、韓国電算院、韓国インターネット企業協会)

日本では約3人に1人であるのに比べ、韓国では2人に1人以上がインターネットを利用している。

図表2 インターネット利用時間

インターネット白書2002 (c) Access Media/impress, 2002
インターネット利用者数および利用形態調査(韓国インターネット情報センター)

週5時間以上インターネットを利用する割合は、日本では半分に満たないが、韓国では3分の2に達する。

2-2利用目的

韓国では日本よりもインターネットが多く利用されている。では、インターネットを利用して何をしているのだろうか?利用目的を比較した。

図表 3 <日本>利用サービスコンテンツ(複数回答)N=1.541
電子メール 92.5%
趣味のための情報収集 77.0%
生活情報(タウン情報、グルメガイドなど) 53.8%
ニュース・天気予報・スポーツニュース 50.7%
電子メールによる無料情報配信サービス 38.0%
フリーソフトのダウンロード 34.8%
一般製品・サービス情報 28.0%
公募・懸賞(クイズ、キャンペーンなど) 25.4%
仕事のための情報収集(企業・産業の情報収集など) 24.1%
オンラインショッピング(デジタルコンテンツを除く) 21.4%
以下、音楽のダウンロード(無料)、オークション、地域行政サービス、占い、転職・求人情報、学術情報などが続く。

インターネット白書2002 (c) Access Media/impress, 2002

図表 4 <韓国>インターネット主利用目的(単一回答)
資料・情報検索 42.4%
ゲーム 23.8%
メール 18.9%
ショッピング・予約 3.4%
娯楽(映画等) 2.4%
金融取引問合せ 1.9%
新聞・ニュース 1.8%
チャット 1.7%
同好会 1.5%
学習 1.4%

インターネット利用者数および利用形態調査(韓国インターネット情報センター)

複数回答と単一回答なので、単純な比較はできない。例えばメールは日本で92.5%、韓国で18.9%となっているが、これはもちろん韓国でのメール利用が普及してないということではない。メールの利用も韓国では日本での利用に劣らず行われている。「主利用目的」と単一回答にしたためにこのようになっている。

単一回答にもかかわらず、「ゲーム」が2位にはいっていることが大変特徴的である。ゲームの利用が大変多いということになる。そのほかにも「娯楽(映画等)」、「チャット」、「同好会」などがあり、娯楽目的の利用が多いと考えられる。

これらから、韓国では、多くの人がインターネットを長く利用しており、その利用目的は娯楽が大きな割合をしめていると考えられる。

実際に韓国人に話を聞くと、次のような話を聞くことができた。

  • 日本で育った息子(小学2年生)だが、韓国に戻ってきて数ヶ月でパソコンを使いこなすようになった。韓国ではパソコンがないと、宿題もできないし、友達の会話にも参加できない。今では朝起きるとパソコンの電源をつけようとするので困っている。(日本で10年ほど滞在し今年韓国にもどった韓国人)
  • 見逃したTVドラマはインターネットで見ます。最近、有料になったのですが、1時間番組でも500〜600ウォン(50〜60円)と安いので良く利用します。(社会人女性)
  • 若者はほとんどみんなビデオチャットをします。パソコンにカメラとヘッドホンがついてない人なんていません。私も家では友人とビデオチャットをしてます。(ビデオチャットコールセンタのオペレータ)
統計データを見る以上に、インターネットが多く利用され、生活の一部になっているように感じた。

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2003.4.1更新
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