大阪商工会議所年頭所感(2026年)
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  2026年1月1日

 新年あけましておめでとうございます。
 皆様にはお健やかに新しい年をお迎えのことと、お慶び申し上げます。
 本年の干支は「丙(ひのえ)午(うま)」年です。「丙(ひのえ)」も「午(うま)」も易経や陰陽五行説によると、「陽」と「火」を象徴しています。すなわち丙午(ひのえうま)は、太陽のように明るく、前へと進む力を意味します。馬のように前向きに駆ける、エネルギー溢れる年にしたいものです。

 昨年2025年は日本国際博覧会、「大阪・関西万博の年」でありました。
 何よりも無事に安全・安心に閉幕できた事に、深く感謝申し上げます。
 万博の成功は、大阪商工会議所の会員企業の皆様をはじめ、多くの関係者の多大なるご協力とご支援の賜物であり、改めて厚く御礼申し上げます。

 大阪・関西万博は、会場に集った2900万人もの人々、世界158の国と地域、7つの国際機関、民間企業、そして建築家、デザイナー、会場で働いた数万人の人々、彼ら彼女らが、「共に創り上げた」博覧会でした。
2025年大阪・関西万博
2025年大阪・関西万博
提供:2025年日本国際博覧会協会

 とりわけ意義深かったのは、子供達や若い世代が万博を通じて、見て、触れて、感じたことです。
先端科学技術、例えばNTTのIOWNを使った立体映像、障がい者介護の技術であるIBMフェロー浅川智恵子氏によるAIスーツケース、大阪大学 澤芳樹名誉教授によるiPS細胞や心筋シートによる心臓の再生など、新しい科学技術を子供たちは見て、触れることができました。
 また子供たちは、現代美術、デザイン、建築、それら世界158の国・地域によるコンサート、イベント、民俗芸能など文化や芸術の世界と触れ合うことができました。
 子供たちには、大人が失いつつある感性や、人生や世界を想像する大きな力が備わっています。万博は子供たちを通して、未来の火を灯してくれたと思います。


 大阪商工会議所は、大阪ヘルスケアパビリオンにおいて、432社の中小企業・町工場・スタートアップによる「リボーンチャレンジ」を共催、支援しました。
 複数企業がチームを組み、「宙に浮く靴」、「光合成する服」、「開閉するだけで発電するドア」、「坂でも水平を保てる車いす」など、ユニークなアイデアや技術革新を駆使して試作した新しい製品、サービスの展示は大きな注目を集めました。イノベーションを実践したものです。
 参加企業が異口同音に言うのは、『他社の人々と共同作業したことが何より良かった』ということです。また『他社の人々と協働することで、物事にはこんなやり方があるのだと初めて知った』、『互いの会社の強み・弱みを補完しあうことで成せた』という声も聞くことができました。

 万博も閉幕し、年が明け、2026年を迎えました。
重要なことは、このユニークなアイデア、技術革新、イノベーションの気風、そして共創の流れを次の成長へとつなげることです。
 そこで、大阪商工会議所は、神戸商工会議所、京都商工会議所とも協力し、新たな『共創』の仕組みを本格的に動かしてまいります。
 万博のリボーンチャレンジで披露された432社の中小企業、町工場、スタートアップ、さらに垣根を越えた多くの企業と共にイノベーション、技術革新を支援したいと考えています。


 一人では何もできない。一人の力はたかが知れている。
 確かに、たった一人のひらめきが、大きな飛躍を創造する発明発見やイノベーションを生むことはあります。
 しかし、一人だけの世界に留まっていては、前に道が開けない。
 それを役に立つ価値へと高めるには、多くの人々の協力が必要です。
 その力を結び、前に進める協力の形が「共創」です。
 目的・目標を立て、内部思考に固まらず、外からの意見を自由に取り入れ、出し入れできる。その開かれたネットワーク、人々が共に乗る船のことを「共創プラットフォーム」と呼び、大阪商工会議所全体で推進してまいりたいと考えています。
 「共創プラットフォーム」は、その仕事の内容、関わる人々の個性によって、様々な形があると思われます。


 「なにわ八百八橋」に代表されるように、大阪では江戸時代から、町人自らが橋をかけ、公共施設を整備して、人の往来が盛んになる経済の活性化に取り組んできました。「自分たちのまちは自分たちでつくる」、「双方向の密なコミュニケーション」、「共助の精神」、「自ら率先して始めることで相手の心をつかむ」こういった気質は、現代に生きる大阪の人々に、大いに引き継がれています。 

 大阪商工会議所は、1878年(明治11年)、若き頃、明治維新の志士として国事に奔走した五代友厚によって設立されました。以来、会員企業同士や、会員企業と行政や大学等々をつなぎ、国内外の人と人の間に「橋」を架け続けてきました。
2026年は、万博後の新たな時代に向けて改めてこの役割を強く意識し、 「理想・夢と現実を繋ぐ、現代の橋づくり」に力を注いでまいります。

夢と現実を繋ぐ、現代の橋づくりに取り組む
「浪速天満祭」
理想・夢と現実を繋ぐ、現代の橋づくりに取り組む
「浪速天満祭」サントリー美術館所蔵
 一方で、会員の大多数を占める中小企業・小規模事業者の皆様を取り巻く経営環境は、原材料高や人手不足、賃上げ等々の課題が山積し、依然として厳しい状況にあります。
 今年こそ、日本そして大阪を成長する経済の軌道に乗せていかねばなりません。大阪商工会議所は、政府等への政策要望はもとより、5支部の経営指導員による経営アドバイス、新事業展開への取り組みなど、皆様のお役に立つ実践的な支援に一層取り組んでまいります。


 2026年。まさに“やってみなはれ”の年です。
 共に挑み、共に創り、次の大阪の成長を切り開いてまいりましょう。
 本年も、皆様の一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


  以上