年頭所感2021

 
2022年1月1日


 謹んで新年のお祝いを申しあげます。

 昨年は新型コロナウイルスに世界中が翻弄され、大阪・関西経済も大きなダメージを受けた一年でした。コロナの先行きは予断を許さないものの、ワクチン接種や医療体制の整備が進み、治療薬の開発・供給に目途がついたこともあり、2022年は、大阪・関西にもようやく明るい兆しが見えてくる中でのスタートとなりました。今後は、引き続き十分な感染コントロールを行いながら、経済の力強い回復を加速させていかなければなりません。

 今、日本でも世界でも、社会の急激な変化に既存の政治・経済体制が対応しきれず、暮らしやビジネスの様々な場面において、新しい社会の仕組みやルールを求める声が高まりつつあります。時を同じくしてパンデミックが起こり、従来のライフスタイルやビジネスモデルが大きく変化し、人々の間に「コロナ前には戻れない」「コロナ後は違う世界になる」との認識が広がりました。その意味で、コロナは既に起りつつあった新しい時代への変革を“二重に”後押ししたと言えます。
 このように社会が転換期にあるという認識のもと、2022年は、引き続きコロナ下の制約に対応する一方で、コロナ後の新たな社会を見据え、次の時代の大阪・関西経済の成長・発展に向けて、新たなビジネスの種をまき、芽を育て、新しいことにチャレンジする、そのアクションを加速する一年にしたいと思います。
 そのためには、それぞれの企業が変化の潮目を捉え、事業を再構築し、新規事業に挑戦することが何より求められます。大阪商工会議所では、そうした事業者の皆様の新たなチャレンジをサポートすべく、新分野進出や販路開拓の支援をきめ細かく行ってまいります。また、コロナ下での実効ある中小企業支援策を政府・自治体へ強く働きかけるとともに、地域経済を支える事業者の皆様のデジタル化推進、生産性向上に向けた支援にも一層力を入れて取り組んでまいります。

 コロナで打撃を受けた関西経済の復活、成長の起爆剤となるのが2025年大阪・関西万博です。今回の万博は、世界がコロナ禍を克服した後に開催される、最初で最大の国際イベントであり、そのテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の持つ意味は、この度のパンデミックを経て一段と重みを増しています。時代の転換期に開催される大阪・関西万博は、コロナ後の新しい社会の姿を世界に発信する絶好の機会であり、万博を機に広く英知を結集して新しいビジネスやイノベーションを生み出し、大阪・関西の持続的な成長・発展につなげていきたいと思います。
 大阪商工会議所では、大阪産業局と連携し、大阪府・大阪市が出展を予定する「大阪パビリオン」において、中小企業やスタートアップを中心にした出展・展示ゾーンを設け、各社がアピールしたい技術やアイデアを出展し、世界に発信してまいります。
 万博会場で実装が期待されるMaaSやAI、XR(現実・仮想世界の融合)、未来の医療などの最先端テクノロジーについては、異業種連携によるオープンイノベーションから技術実証、さらには社会実装のためのルールづくりまで、官民連携による一貫した支援体制を整え、「未来社会の実験場」の実現を目指します。また、カーボンニュートラルやSDGs、ESG投資など、中小企業が対応を迫られている新たな課題についても、各種セミナーを通じた情報提供や産学・産産連携を促進し、ビジネスチャンスの創出に注力してまいります。
 同時に、万博開催に向け、うめきた2期や御堂筋、なんば駅周辺など、各地の整備が加速されます。国内外から多様な企業や人材を惹きつけるため、ビジネスや学術・研究、観光、文化、食やスポーツなどあらゆる分野で、大阪・関西の魅力に磨きをかけ、国内外に発信してまいります。

 大阪商工会議所は、この一年、大阪・関西経済のコロナ禍からの回復とその先の成長・発展に向けて、「たんと繁盛」し続ける大阪の実現に全力で取り組んでまいります。
 皆様方には、本年も一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 以 上  

2022.1.1更新
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