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今回の骨太方針で、今後1年間をデジタル化の集中改革期間と位置づけ、社会全体で推進すると表明したことは、わが国がデジタル化で世界の後塵を拝していることに政府が危機感を募らせた結果だと思う。国、地方の行政手続きなどのデジタル化を一気に推し進めるとともに、社会のデジタルデバイド(情報格差)がこれ以上広がらないよう、個人や中堅・中小企業に対する手厚い支援を実施すべきである。 |
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成長戦略においては、従来からの取り組みを網羅的に記載した項目が多く、今後の未来像、国家像を見据えた議論が先送りされたことは残念だ。今回のコロナ禍を機に、創意工夫による新しいビジネスの展開やスタートアップの活躍など、厳しい中にあっても新たな時代を見据えた取り組みも進んでおり、こうした前向きな動きを後押しすることが重要だ。個人の働き方や非接触社会における企業活動の在り方など、新しい経済社会への対応も求められており、今後、政府でしっかりと議論されることを望む。 |
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治療薬・ワクチンが開発途上にあるウィズコロナ時代にあっては、感染症拡大の防止と経済活動の再開の両立が求められ、経済活動の本格化までには長期戦を覚悟する必要がある。資金繰りや雇用維持などに不安を抱える中堅・中小企業の事業継続への支援はもとより、外需の急回復が見込めない中、売上回復に向けた内需拡大策をしっかりと打ち出してほしい。 |
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なお、今回の骨太方針では財政健全化目標(2025年プライマリーバランス黒字化)達成に向けた道筋が明記されなかったが、今回の事態で国の財政状況が急速に悪化していることも事実である。政府においては、本年末までに改めて改革工程の具体化を図り、税と社会保障の一体改革をはじめ、財政健全化に向けたロードマップを提示し、今後の国家予算の在り方も含め、議論を尽くしてほしい。 |
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