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令和元年12月12日


令和2年度税制改正大綱に関するコメント
大阪商工会議所 会頭 尾崎 裕


株式・事業の譲渡やM&Aを通じた親族以外の第三者による事業承継を促す「第三者承継促進税制」の創設が見送られたことは残念だ。経営者の高齢化が進む中、後継者不在の中小企業が廃業を選べば、技術や人材など貴重な経営資源が失われることになり、わが国にとって大きな損失である。本税制の創設をはじめ、第三者承継支援の拡充に向け、引き続き検討を進めてもらいたい。
   
ベンチャー・スタートアップ企業の育成に、民間からの積極的な資金供給を促すため、「オープンイノベーション促進税制」の創設や「エンジェル税制」の拡充が図られたことを歓迎する。大阪・関西では、万博に向けたイノベーションの加速が望まれる中、本税制がベンチャー・スタートアップの育成を促すことを期待している。具体的な制度設計にあたっては、出資する側のメリットだけではなく、出資を受けるベンチャー・スタートアップも活用しやすい制度としていただきたい。
   
「少額減価償却資産の損金算入特例」など、中小企業の経営基盤強化策が延長されたことは心強い。また、地域経済の成長力強化を図るため、「地方創生応援税制」(企業版ふるさと納税)や「地方拠点強化税制」が拡充・延長されたことを評価する。ただし、地域経済にも影響を与える「交際費課税の特例」が一部縮減されたことは残念だ。世界経済の減速や、消費増税による需要減退が懸念される中、今後、取りまとめられる本年度補正予算案、来年度予算案において、地域経済の下支えと中長期的な成長につながる施策が盛り込まれることを望む。
   
以上

2019.12.12更新
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