○ 財源の問題があったとはいえ、税制面から構造改革を積極的に誘導していく上で十分な内容とは言えず、小幅な調整に終わったとの印象が拭えない。
○ 外形標準課税について、国・地方を通じた税体系全般の抜本的見直しが行われない中で、一方的に「15年度税制改正を目途に導入を図る」とされていることは遺憾だ。他方で、中小企業投資減税の延長やストックオプション税制の拡充は評価するが、事業承継税制、留保金課税等の見直しはまだまだ不十分だ。
○ 連結納税制度が創設されることは評価するが、その穴埋めを付加税や連結納税を選択しない企業にも影響が及ぶ退職給与引当金の廃止等で行おうとしているが、それで果たして企業体質の強化につながるのか疑問だ。
○ いずれにしても、今回、言及されなかった土地税制を含め、国税・地方税全般にわたる抜本的な見直しを行い、日本再生に向けた税制の構築をはかることが急務であり、そのための体系的な議論を早い時期から始めるべきだ。