平成１３年９月７日
４−６月期のＧＤＰ速報についてのコメント
○ ある程度予想していたとはいえ、年率換算で３．２％のマイナス成長という厳しい数値であり、深刻に受け止めている。とくに、これから構造改革をスタートさせようという時期だけに、改革の矛先が鈍らないか心配している。
○ すでに財政政策、金融政策ともできる限りの対応が行われている。これ以上の追加措置は効果の面で疑問があるだけでなく、財政赤字の拡大による金利の上昇など景気回復の阻害要因となりかねない。
○ ここは苦しくとも、構造改革を着実に進め、経済再生の基盤を整えることだ。そのためにも、改革の具体的な内容、スケジュール、および改革後の展望などをスピード感をもって提示する必要がある。
○ 補正予算の編成が予定されているが、構造改革の摩擦を極力抑えるための中小企業や雇用などに対するセーフティネットの構築を軸に、都市の再生や証券市場の活性化など構造改革につながるものに絞ることが肝要だ。
