○今回の緊急経済対策は、金融システムの強化を軸にわが国の構造問題解決に向けた強い決意を示すメッセージであり、評価したい。実効があがることを切望する。
○不良債権を2〜3年で直接償却することは良いが、その際再建の可能性のある企業まで破たんに追い込まれることのないよう注意が必要だ。また、直接償却が次々と行われると、デフレ圧力が強まるだけに、中小企業対策や雇用対策、土地の流動化対策をパッケージとして展開することが不可欠である。
○株価変動によって金融システムが振幅することのないよう、金融機関の株式保有量に制限を加え、株式保有機構を時限的に設置することは理解できるが、最終的な処理のやり方について国民負担が過大にならないように考慮する必要がある。また、株価対策の観点からは個人投資家を株式市場に向かわせることが基本であり、証券税制の改正を急ぐことだ。
○対策に盛り込まれた都市の再生は、21世紀のわが国の大きな課題だ。アジア各国との交流・連携の拠点機能を担う大阪を大都市再生のターゲットとして位置づけ、国と自治体などが一体となって産業の新生、情報化、国際化などの観点からの先導的プロジェクトを強力に推進してほしい。