今すぐ食べたい!食の都・大阪スタイルなお店

中国菜 一碗水  南 茂樹 氏

東京の中国料理店でベーシックかつ伝統的な中国料理を学ぶ。これまでにないカウンター形式の中華料理で、本場の調理法にこだわった中華として人気を博す。現在、大阪で“最も予約のとりにくい”中華店といわれている。

住所: 大阪市中央区安土町1-4-5
     大阪屋本町ビル1-7
休み:日曜日
電話: 06-6263-5190 HP:
営業:夜は予約のみ ランチ11:30~限定20食 備考:毎月1日に予約受付開始(電話のみ)

中国料理をカウンターで!

中国料理は非常に偏った楽しみ方しかされていないような気がします。従来のような円卓に座って食べる仰々しいコース料理か、もしくは餃子やラーメンといったものです。中国料理の愉しみ方はこうしたものだけでなく、店主がお客様と話をしながら、その時にある食材をその場で調理して提供するスタイルがあってもいいのではないでしょうか。お客様にはそういうプロセスも楽しんでいただきたいですね。実際のところ、東京では中国料理をカウンタースタイルで食べさせる店は結構多いように思いますが、その元は大阪の割烹であったわけですから、カウンターの本当の楽しみ方を知っておられるのは大阪のお客様なのかなと考えたりします。

特別なことは何もしていません

大阪では“輪郭のはっきりした味わい”が好まれるようです。ここ大阪では中国料理もベースに鶏などのスープのうまみがあることが重要だと感じています。  それと、今、古いものが逆に新しく見えているのかもしれません。ごくオーソドックな伝統的な料理をお出しすると、新鮮な驚きで食べていただける。特別なことは何もしていませんが、手を抜くことなく原点に立ち戻った料理を提供することが喜ばれる時代なのかもしれませんね。

大阪の「お値打ち感」とは

よい食材を使い、時間をかけて作った料理というのは、原価も人件費も光熱費もかかっているわけですから、それ相応の価格設定にせざるをえません。しかしお客様は、よい食材を使いなおかつ美味しい料理をお値打ち価格で食べたいと思うものです。お値打ち価格というのは、いわばコストパフォーマンスのことであり、価格と内容のバランスの問題です。単に「安く食べたい」ということを意味するものではないと思います。価格がそれなりに高くても、美味しく楽しく食べていただければ、お客様はきっと満足してくださると思います。かといって「ならば高い価格に設定しよう」と思ってもできないのが大阪。大阪では、妥協して安くしすぎてもダメだし、高くしすぎてもダメ。そのサジ加減は難しいところですが、価格設定に時間と心労を費やす時間があるなら、その時間を料理技術の向上や食材の研究に費やした方が有効だと思っています。

日本料理に学び更なる深化を目指す

大阪の食材は本来、日本料理に適したものが多いように思います。イタリアンに使うにはかなりの工夫を強いられることもあります。そのため、私は今、日本料理や、古くからある大阪のお店、割烹などから色々なことを学んでいます。日本料理から多くのことを吸収し、自分自身のイタリアンを更に深めていきたいと思っています。

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