第10回 グランドチャンピオン(総合優勝)和食・日本料理部門

筒井 宏樹さん
味空 -みそら-

河内鴨のホルモン煮込み

筒井 宏樹さん

河内鴨のホルモン煮込み
~水都大阪の船渡御見立て大阪締め(〆)の逸品~

水の都大阪の「ハレとケ」から、ハレの代表的な天神祭の船渡御で行われる「大阪締め」と、商いの都ならではの手打ちを日本料理の「終盤(〆)」をかけて考案。暑気払いとして旬の大阪茄子を船、河内鴨を神体、かもじに立てたなんば葱と柚子を結界の神垂に見立てています。

「ほうるもん無い」大阪の食文化で、
食材への感謝を表現

「ほうるもん無い」大阪の食文化で、食材への感謝を表現

今回は河内鴨がテーマ食材ということで、生産者であるツムラ本店に話を伺ったのですが、その際「ロースを生で食べてほしい」という強いこだわりを聞くことができました。そのツムラさんの思いと、私が料理に携わるうえでのモットーである「食材への感謝」、さらに大阪の食文化である「ほうるもん無い」の精神を掛け合わせ、新鮮な鴨をロースから内蔵まで余すことなく使用したホルモン煮込みを考案しました。今回はコンテスト用としてだけではなく、自分の店で出すことを見込んで考えた作品なので、普段お店に足を運んでくれるお客様をイメージしながら作れたのがよかったと思います。実際にメニューとして出しているのですが、お客様からの評判もよく嬉しいです。

他ジャンルの料理人との交流が
いい刺激になる

他ジャンルの料理人との交流が いい刺激になる

「大阪・食の都 グランプリ」には、第1回から第7回まで出品させていただき、ありがたいことに第2回大会時には和食・日本料理部門で優勝させていただきました。私自身、グランプリが獲りたい、最高峰に挑戦したいという思いがあり、第2回大会で和食・日本料理部門で優勝した後もエントリーし続けたのですが、このコンテストを通じて多くの経験を積むことができました。印象的なのは、普段は接することの少ない、他ジャンルの料理人たちと交流が持てること。ユニークな作品名やインパクトのある盛り付けなど、コンテストならではの料理にインスパイアを受けることが多く、とてもいい勉強になったと思います。このコンテストがあったおかげでチャレンジ精神を持ち続けることができましたし、多くの賞もいただき誇りに思います。

shopdata

味空 -みそら-

大阪の食材を中心におばんざいをメインとした和食のお店です。

住所 大阪市此花区春日出中1-25-13
TEL 06-6461-0550
営業時間 12:00~14:00、17:00~24:00
定休日 日曜日、祝日
URL https://r.gnavi.co.jp/8hsxed770000/

※上記の作品名、作品紹介文、写真等は、「第10回食の都・大阪グランプリ」の決勝開催当時のものとなります。店舗での提供の有無等については、各店舗(企業)にお問い合わせください。

第10回部門優勝

中国・韓国・アジア料理部門

花田 洋平さん
ANAクラウンプラザホテル大阪
中国料理「花梨」

◇大阪産(もん)特別賞

大阪ええカモ ∼強運と努力の賜物∼

花田 洋平さん

大阪ええカモ ∼強運と努力の賜物∼

河内鴨の上質さを意味する「ええ鴨」と可能性があるという意味の「ええかも!」を合わせ、大阪のポテンシャルの高さを表現。鴨は身を柔らかくジューシーに、皮はパリッと仕上がるようこだわった作品です。

河内鴨の魅力を生かすため、
新たな調理法を確立

河内鴨の魅力を生かすため、新たな調理法を確立

メニューを考案するにあたってまず初めに考えたのは、テーマ食材である河内鴨の魅力を引き出す方法を探ることでした。生産者であるツムラ本店さんを取材させていただき、やはり河内鴨の質の良さを感じてもらうために火の入れ方にこだわった料理を作ろうと思い至りました。その後、生で食べたり様々な火加減を試したりと河内鴨を研究し、一般的な鴨肉と比べて脂身がおいしいことに着目しました。そこで今回は中国料理のエッセンスを加えるため北京ダックのように皮をパリッと仕上げることで、表面は香ばしく、中身はジューシーに楽しんでもらえる料理を作ろうと考えました。特にこだわったのは内面の火入れ。本来の北京ダックの作り方だと、身の部分に火が入りすぎるため、高温で皮を仕上げた後に低温調理でじっくり火を入れていく方法を開発しました。

味だけでなく料理コンセプトも
大阪らしさにこだわる

味だけでなく料理コンセプトも大阪らしさにこだわる

河内鴨以外にも、同じ河内地方で生産される大阪みかんをソースに使うなど、大阪の中でもさらに地域を絞った地産地消のメニュー構成を心がけました。ソースにみかんを使用することは審査員の方の助言をもとに採用したのですが、鴨肉と柑橘類との相性がよく、一体感のあるメニューになったと思います。本コンクールのおもしろさは、やはり「大阪らしさ」にこだわったメニュー作りにあると思います。メインを含むすべての食材選びから作品名の考案に至るまで、様々な角度から大阪らしさが表現できるように考え、工夫する必要があります。今回の作品では「ええ鴨」と「ええかも」を掛け合わせることで上り調子な大阪のイメージを表現しました。

shopdata

ANAクラウンプラザホテル大阪
中国料理「花梨」

広東料理の伝統とヌーベルシノワを融合させた、豪快で繊細、そして華麗な料理がお楽しみいただけます。

住所 大阪市北区堂島浜1-3-1
TEL 06-6347-1112
営業時間 11:30~14:30
17:30~21:30(土日祝17:00~)
URL https://www.anacrowneplaza-osaka.jp/restaurant/karin/

※上記の作品名、作品紹介文、写真等は、「第10回食の都・大阪グランプリ」の決勝開催当時のものとなります。店舗での提供の有無等については、各店舗(企業)にお問い合わせください。

洋食・西洋料理部門

涌田 研太郎さん
合同会社ユー・エス・ジェイ

Rice Eggs Benedict~河内鴨のスモーク、大阪みかんと和風赤ワインソース~

涌田 研太郎さん

Rice Eggs Benedict
∼河内鴨のスモーク、大阪みかんと和風赤ワインソース∼

大阪唯一の村である千早赤阪の伝統を表現した作品。日本の棚田百選に認定された棚田で作られたお米、みかんをメインの鴨と調和させています。アメリカ生まれのエッグベネディクトを日本のお米や醤油と融合させ、和洋合わさった新たな大阪名物にしたいと思い考案しました。

伝統の農法に着目し、
自然豊かな大阪を表現

伝統の農法に着目し、 自然豊かな大阪を表現

河内鴨が作られている河内エリア周辺で大阪らしいものはないかと思い調べているうちに、都会的な大阪ではなく、河内エリアの豊かな自然を表現できるメニューが作れないかと思い付きました。そこで、大阪で唯一の村である千早赤阪村の観光資源でもある棚田に着目しました。実際に千早赤阪村に足を運び、農家の方に話を聞くことでお米の生産が盛んであることを知りました。さらにみかんも昔から作られていたとのことで、お米やみかんといった河内エリアの食材を使ったメニューを考案しました。メニューをエッグベネディクトにしたのは、外国人観光客が多い大阪で、海外の方でも親しみやすいものをと思ったからです。そこに大阪の食材をふんだんに使うことで、大阪の食文化にも触れてもらえればと考えました。

海外の方に興味をもってもらえるよう
工夫を凝らす

海外の方に興味をもってもらえるよう 工夫を凝らす

ご飯を炊く際に鴨からとった出汁で炊いているのですが、実はその際にも千早赤阪村の湧き水を使用しています。そういった細部にいたるまで、大阪産・河内エリアの食材を使いつつ、それぞれの味のバランスに気を付けました。また、メニューを世界的に知られたエッグベネディクトにするだけでなく、海外の方が気軽に味わってもらえるよう作品名を英語表記にするなどの工夫をしています。このように料理を作ること以外にも想像力を働かせメニュー考案ができるのが、このコンテストに参加する意義だと思います。特に今回はグランドチャンピオン大会ということで、観覧者の前で調理を披露したのですが、人前でパフォーマンスを見せる機会はあまりないので、プレッシャーもありましたがいい経験になりました。

shopdata

合同会社ユー・エス・ジェイ

私たちは、ゲストの期待を常に上回る「ワールドクラスの体験」を提供し、
世界のエンターテイメント・リーディングカンパニーを目指します。

住所 大阪市此花区桜島2-1-33
URL https://www.usj.co.jp/

※上記の作品名、作品紹介文、写真等は、「第10回食の都・大阪グランプリ」の決勝開催当時のものとなります。店舗での提供の有無等については、各店舗(企業)にお問い合わせください。

デザート・和洋菓子部門

出口 勝正さん
菓子処ふる里

水都の実

出口 勝正さん

水都の実

夏から秋にかけての大阪の代表的な果物、大阪イチジク。その魅力を引き出すため、茶席菓子の製法を用いて表現。イチジクの葛餅を中心にさっぱり味わえるように工夫し、細部に和菓子の技を散りばめた作品です。

過去の経験で培ったノウハウを糧に、
新たな和菓子を生み出す

過去の経験で培ったノウハウを糧に、新たな和菓子を生み出す

大阪・食の都大阪グランプリは、私が参加している他のコンテストとは異なり、料理人と菓子職人が同じ場で審査を受けるコンテストなので、和菓子職人の私にとっては料理人の皆様と情報交換ができるいい機会になっています。もともと何事にもチャレンジしたい性格なので、同コンテストは他業種の方との交流のほか、大阪産食材に限定したメニュー考案など普段できない経験ができるので、参加することに大きな価値がある大会だと思っています。例えば、以前参加した同回では、みかんやイチジクなどを作られている和泉の農家さんとコネクションを作るきっかけになったこともありました。その時の取材で農家さんから様々なことをお聞きし、大阪産食材への知識が蓄えられたので、今回作品を考案する際もその経験をもとに考えることができました。

様々な角度から
「日本らしさ」を引き出し組み合わせる

様々な角度から「日本らしさ」を引き出し組み合わせる

私が作品を考える時の基本として「お米系統の生地に合うお菓子が作りたい」というものがあります。なので今回も、うるち米を生地に使い、みかんやイチジクを組み合わせることで日本らしさを表現することにしました。また、見た目や盛り付けについても日本らしさを意識しながら、海外の方にもインパクトのあるものにしています。普段電車で移動する際に同じ車両に乗り合わせる海外の方が、抹茶など日本らしいものの広告や中吊りにリアクションするのを見て作品考案の参考にしようと思った結果、茶席菓子の製法をアレンジした今回の作品を思い付きました。さらに砂糖や雲平生地を使ってお皿の上に情景を描く「盆景菓子」の手法を加えることで、見た目の華やかさをプラスするなど、普段のお菓子作りにはないアイデアが生まれたのも、同コンテストに参加したからこその結果だったと思います。

shopdataf

菓子処ふる里

当店二代目の出口勝正は、大阪府初の「優秀和菓子職(和菓子版最高のパティシエ試験)」認定者で、他の数多くの菓子コンテストで優勝・入賞しています。また、TVチャンピオン、LIFE~夢のカタチ~にも出演しました。

住所 泉大津市二田町1-13-8
TEL 0725-21-6086
営業時間 平日9:30~19:00
土日祝9:30~18:00
定休日 水曜日
URL http://www5b.biglobe.ne.jp/~okashifu/

※上記の作品名、作品紹介文、写真等は、「第10回食の都・大阪グランプリ」の決勝開催当時のものとなります。店舗での提供の有無等については、各店舗(企業)にお問い合わせください。

トップに戻る