夜の大阪 観光情報 体験レポート

Panic Rabit 84 Caféのショー「ジパング」

大阪の千日前の小さな通りに、Panic Rabit 84 Cafeがあります。ここはファンタスティックなショー「ジパング」が行われている会場です。初めて私がここに足を踏み入れた時、中に何があるのか想像もつきませんでした。普通の通行人なら、外観を見て単なるカフェに思うことでしょう。でも一歩中に入ると、外のがやがやとした賑わいとは全く違うユニークなカフェでした。フロアは小さいのですが、天井が高く4メートルほどもあります。インテリアもユニークで、ドラマチックな赤い壁には和風の金雲や力強い花のイメージが描かれています。舞台と客席を隔てる長くきらきら光るカーテンとマッチした、明るい黄色のカウンターの後ろにいたフレンドリーなスタッフが私を迎えてくれました。
ジパングは1年で4種類が上演されるシリーズ公演です。12月7日のオープニングはそれぞれ4人の演者が出演する2つのパートで構成されていました。このショーは各演者たちの才能を表現するショーケースになっています。伝統的な日本の踊りからポールダンス、エアリアル、アニメダンス、日本式のライブペインティングまで幅広い才能をもつ演者たち。様々な技を通じて、見ている人に官能的なもの、コメディー風のもの、少し不安にさせるものまでさまざまな感情をひきおこさせます。
ショーにとって、カフェの大きさや内装は重要な役割を果たします。演者と客の距離が近いことはとても魅力です。ダンサーが通り過ぎる度に、その衣装が客に触れたり、ダンサー息遣いが聞こえたりします。高い天井や長いポールが設置されているので、空中の技もつかえます。カフェの中心に設置されているため、どの客も間近でポールダンスが行われているかのように感じます。
「バブル」と名付けられた最初のステージは日本のバブル時代へのオマージュです。2人の演者が、煙のなかじっと立っている暗いシーンからはじまります。私は何かわからないけれども、ドラマチックなことが起こることを予感して、座ってみていました。驚いたことに、まじめなオープニングから一転、じっとしていた演者たちはおもしろいダンスを踊り始めました。このステージでは、官能的な日本のダンスや子連れ狼風のもの、他の多彩なパフォーマンスも行われました。
2番目のステージは「菩薩舞」もしくは「涅槃への道」と名付けられ、悟りを得ようとする2人の武道家(演者はショウエンとノス)によって演じられます。「菩薩舞」ではどのシーンもストーリーに沿って演じられます。日本風のライブペインティングのシーンもあります。武道家達は修業の中で互いに影響を与えあう良い神と悪い神に出会います。りおの演じる良い神は、美しい金色のドレスを着て菩薩舞風のダンスを踊ります。かずえの演じる悪い神は、まさに悪そのものを表現します。

ジパングは感動的なダンスから日本風のギャグまである、挑発的なコメディーです。日本語がわからなくても、どの年代の人にもうけることでしょう。会話のシーンもわかりやすく、パロディのようなシーンもあり、こどもにも楽しめるようになっています。全体としてこのショーは非常におもしろく、このカフェに来たことで、私がこれまで知っていたのとはちょっと違う日本の姿を見ることができました。もしあなたがアート好きで、典型的な日本とはちょっと違う体験をしてみたければ、間違いなくジパングはお勧めです。