2016年04月13日 08:43

企業家ミュージアム ★メールマガジン★ 第75号

>>2016年4月5日(火)発行<<

さて、新年度最初の「企業家ミュージアム メールマガジン」は、毎日新聞月曜
日夕刊に2012年4月9日から2014年1月27日まで掲載していた、企業
家の名言や座右の銘をコンパクトにまとめた『大阪の道標』の第34回です。
ミュージアムで紹介している企業家たちの珠玉の名言、座右の銘をお楽しみくだ
さい!

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 ★今月の名言!(第34回)★

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 やたらに心を許すな、人を観ることや。時代は先取りです。誰の意見でも拝聴
 して実行するせんはアンタが決める。失敗は何にでもつきもんで、恐れてては
 何もできまへん

  
  吉本せい(よしもとせい)吉本興業創業者(1889~1950)
   
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「演芸王国」とうたわれる吉本興業の基礎を築いた希代の女興行師は、吉本せい
である。
 
1889(明治22)年、戸籍上は大阪市天神橋の米穀商の三女として生まれた
せいは、小学校を卒業後、北浜などの大店(おおだな)に奉公し、家事全般に才気
を発揮した。

1907(明治40)年、荒物屋「箸(はし)吉(きち)」の跡取り吉本泰三に嫁い
だ。寄席経営を夢見る泰三のために金策に走り、天満の「第二文芸館」を入手し
た。一流の落語家を相手にするより、田舎回り芸人、つまり物まね芸人や曲芸人
など色物を中心に番組を編成するという泰三の経営に賛同。低料金の入場料を設
定、小屋での飲食販売に数々の斬新な方法を打ち出して成功した。

1913(大正2)年、大阪演芸のメッカのミナミに「吉本興行部」を開設し、
近隣の寄席を買収して、チェーン展開をした。また、芸人の生活安定を図るため、
業界初めての月給制度を導入、芸人を掛け持ちさせて小屋の経営効率を高めた。 

1924年(大正13)年、泰三の急逝後も実弟林正之助の協力を得て、吉本興
業発展に尽力した。「特殊な世界で、才覚と根性を駆使して新しい道を拓きまし
た」と語り、せいの気概を表した。

                           <毎日新聞 2013年4月15日 夕刊>

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吉本せいについては、企業家ミュージアム<第2ブロック:消費と娯楽に改革を
もたらし、都市における楽しみの舞台を創りだす>都市生活に新たな楽しみをも
たらしたプロデューサーたちのお一人として展示しています。

 ▼大阪企業家ミュージアムで展示している企業家についてはこちら。
  http://www.kigyoka.jp/exh/ent/index.html

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■編集後記■

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

吉本せいは、大阪企業家ミュージアムでご紹介している企業家の中で唯一の女性
企業家です。ご主人の無類の演芸好きが寄席小屋経営進出のきっかけですが、自
己資金をほとんど持たずに成功したのは、まさにせいの度胸と才覚、やり抜く強
い意志の賜物ではないかと思います。この吉本せいをモデルに書かれたのではな
いかと言われる小説に『花のれん』(山崎豊子著)があります。ミュージアムの
展示に加えて、関連書籍を読めば、より理解が深まること請け合いです!

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 【発行日】  2016年4月5日
 【発行元】  大阪企業家ミュージアム
         電話 06-4964-7601
         FAX  06-6264-6011
         e-mail  museum@osaka.cci.or.jp  
         http://www.kigyoka.jp/
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投稿者 museum | 2016年04月13日 08:43